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マイケル・ポーター氏の『競争戦略』を深く学んでいます。
ポーター氏が考える戦略の要諦は、独自性。
競争といっても、ライバルを打ち負かす競争ではなく、独自の価値を創造する競争なんです。
とはいっても、同じマーケットで収益を得るために事業活動している企業同士の間には、競争が生まれる。
どうすれば優位に立てるのか?
そのためには、知らなくてはならないことがあります。
5つの競争要因とバリューチェーン。
5つの競争要因については、別の記事で書きましたので、ここではバリューチェーンについて解説します。
バリューチェーンってどういう意味?
バリューチェーンをそのまま訳すと、「価値の連鎖」。
でも、それでは、わかりませんよね。
飲食店で考えると、食材を仕入れてきて、仕込んで、料理して、お客さんに提供して、一方で広告や宣伝活動、マーケティングをして、接客サービスをしてと、利益を生み出す一連の流れを分解して考えるフレームワークのことなんです。
競争優位を実現する
バリューチェーンというフレームワークを使って、事業活動を考えることがなぜ良いのかというと、競争優位を実現させる手がかりになるからです。
分解した各活動において、
①他社と比較したときのコストはどうか?
②生み出している価値はどうか?
を詳細に検討すると、自社の強み、弱み、だけでなく、他社の強み、弱みも見えてきます。
飲食店におけるバリューチェーン
飲食店で考えてみましょう。
具体的には、下記を分析します。
- 仕入れは他店より強いのか?弱いのか?
- 仕込みの生産性、オペレーションは他店と比べてどうなのか?
- 料理の価値は他店よりも高いのか?
- マーケティング活動は他店より高度か?
- サービスは他店よりも優れているか?
競争優位は、こうして他店と相対的に比較したとき、その活動の違いから生じる利益の差をいいます。
2つの活動の違い
競争優位を実現する活動には、2つのパターンがあるとポーター氏は説明しています。
ひとつは、他店と同じ活動を、より優れて行う方法。
もうひとつは、他店と異なる独自の活動を行う方法。
どちらが良いと思いますか?
他店と同じ活動を、より優れて行う方法
この方法を、ポーター氏は勧めていません。
なぜなら、正しい競争戦略ではないからです。
その競争は最高を目指すことに終始し、過当な価格競争やサービス合戦、宣伝活動により業界内の収益を小さくする恐れがあります。
維持するのも大変ですし、持続性がありません。
飲食店がひしめく界隈で、価格を安くすることで集客するお店がいくつも現れたら、大変なことになりますよね。
他店と異なる独自の活動を行う方法
では、他店とは異なる活動を行うとどうなるか?
他店とは異なるニーズを満たすことで他店と争うことなく、お客さんを共有することも可能です。
もし、そのマーケットにおいて自店のみが提供できる料理やサービスなら、価格の基準値をあげられるかもしれません。
他店に提供できないもので、お金を出してもお客さんが魅力に感じるものなら、価格は天井知らず。
それを、他店よりも低コストで提供できるなら、勝ったも同然です。
独自性を目指すことで、誰にも邪魔されず、争いもせず、悠然と運営出来たら最高ですよね。
業務効果
そう考えてくると、たとえば、接客サービスをよくするとか、ロスをなくすとか、人件費を削減するとか、少しでも美味しい料理を出すとか、その程度ではだめだと分かります。
独自性ではなく、みんながやっている当たりまえの改善です。
こうした活動を業務効果と呼んでますが、それは戦略とは違うし、過当競争に巻き込まれることは必至。
改善や現状把握としては大事でも、事業を存続、発展させるにはやはり、戦略が必要になってくるのです。