Webサイトは見た目が9割?メラビアンの法則をWeb制作に活かす方法

Webサイトは見た目が9割?メラビアンの法則をWeb制作に活かす方法

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ホームページのデザインは、事業の「顔」も言える重要な要素です。人は見た目が9割、といいますが、Webサイトも同じなのでしょうか? 以前、そんな議論をしたことがありました。

僕の考えは「No」です。見た目は重要だが、9割ではない。デザインの良さだけでは、問い合わせや購入などユーザーを行動させる結果に繋がりません。ただ、どの程度、見た目が影響を与えるのか、できるだけ論理的に考えてみました。ヒントとなるのは、有名な「メラビアンの法則」。主に人と人とのコミュニケーションにおいて、言語情報:7%、聴覚情報:38%、視覚情報:55%の割合で影響を与えるという法則です。

Webサイトにおいても、見た目が与える影響は55%といえるのか。

この記事では、そのあたりを探っていきたいと思います。結果として、あなたのWebサイトが「何となく良い感じのデザイン」から、「きちんと成果に繋がるデザイン」へと進化するヒントとなれば、良いなと思います。これまで300件以上のWeb制作を手掛けてきて、昨対比50倍の成果を生んだ実績もある知見を踏まえて、解説しますね。

目次

見た目の重要性とメラビアンの法則

ひと目見た時に「おっ!かっこいい!」と思うコーポレートサイトでも、問い合わせや、会社のブランディングに繋がっていないケースがあります。これはなぜでしょうか?

その回答として「メラビアンの法則」で説明することができます。メラビアンの法則とは、コミュニケーションをとるとき、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%の割合で相手に影響を与えることを示した心理学上の法則。

もともとは、言葉に対して感情や態度が矛盾していた場合、人はそれをどう受け止めるのかという実験でしたが、非言語コミュニケーション(聴覚情報と視覚情報)が優先される割合が93%であるという実験結果が注目されました。そんな背景から、話の内容より見た目が一番重要、ということで、『人は見た目が9割』(竹内一郎著/新潮新書)というベストセラーが誕生したのです。

Webサイトにおける「メラビアンの法則」

さて、Webサイトのケースを「メラビアンの法則」にあてはめてみましょう。Webサイトを閲覧するときは聴覚情報はあまりありません。視覚情報と言語情報が主になります。

単純に、言語情報7:視覚情報55で計算すると、言語情報が11.29%、視覚情報が88.71%となります。しかし、単純に視覚情報の影響が同じ割合で影響を与えるとは限りません。外見重視のサイトを作成して「成果が出ない…」と悩んでいる会社の社長さんもいれば、自作で見た目はダサいけど、驚くほど成果を出している社長さんがいるのも知っています。

ほんとうに「見た目が9割」であれば、説明がつかないケースを僕自身、数多く見てきています。

そこで、ひとつの仮説を立てました。視覚情報というのは、想像力によって脳内に形作られるイメージも含まれるのではないかなと。たとえば、レモンを丸ごとかじったシーンを想像してみてください。映像が浮かび、唾が出てきますよね。つまり、脳内で作り出したイメージも視覚情報に置き換わると考えたわけです。

重要なのは、その脳内イメージを作り出す情報は「言語情報」にほかならないということ。言葉は時に、画像や動画よりも強烈に、想像力を掻き立てます。だから、小説は面白いのです。Webサイトは考えてみれば、絵本に近いかもしれません。画像やイラストが視覚情報としてあって、言葉でその情景やストーリーを想像力で補足します。その言葉の力がなければ、つまらない作品になるでしょう。

成果の出るサイトとそうでないサイトとの差は、言葉の力の差。シナリオの差にあるといえそうです。

Webサイトが「見た目が9割」になるケース

デザインの良さだけで問い合わせや購入などユーザーを行動させる結果に繋がらないのは「メラビアンの法則」から考えると、視覚情報だけでは顧客の行動誘導を促すのに十分ではないことをお伝えしました。視覚情報を補うのは言語情報であり、その言葉の力やシナリオが成果の出るサイトとそうでないサイトを左右すると考えられます。

ただ、Webサイトに聴覚情報が入るとどうなるか。視覚情報+聴覚情報で人に与える影響力は、メラビアンの法則でいうと93%です。理屈で言えば非言語情報を「見た目」とするなら、「見た目が9割」といえなくもありません。

聴覚情報として「動画」をプラスすると効果的

たとえばレストランのサイトで、動画をふんだんに埋め込んで、仕入れから下ごしらえをしている場面、調理シーンやお客さんが美味しそうに食べているシーンを伝えることができたらどうでしょう?

あるいは、オンラインで魚を販売するときに、漁師が水揚げしてくる迫力あるシーンから、鮮度を保つための処理を施すなど、活気あるシーンを動画で伝えられたら?

メラビアンの法則通り、言語情報よりも、聴覚+視覚情報が9割を占めるかもしれません。Webサイトに動画を埋め込むことは、その意味で、効果的です。聴覚情報と視覚情報は相性が良いのでしょう。動画になると、とたんに非言語情報の威力は強くなります。アーティストのブランド品のイメージサイトや、iPadが登場した時のような画期的な製品のプロモーションでは、こうした訴求は効果的でしょう。

ただ、考えておかなければならないのは、Webサイトというメディアの特性です。ホームページを閲覧するときに、ユーザーが望んでいるのはどちらかといえば言語情報。今後、AIが進化していくとわかりませんが、Googleの検索アルゴリズムのロジックもほとんどが言語情報で構成されています。

Webサイトは、文脈として「言語情報」が圧倒的に強いメディアなのです。

言語情報が9割

ここまでを整理すると、Webサイトは「言語情報」の特性が強いメディアであり「視覚情報」だけでは顧客の行動誘導を促すのに十分ではないということでした。そもそもメラビアンの法則はリアルで対面する対人コミュニケーションにおいて適用される法則なので、Webサイトも同じとするのはナンセンスかもしれません。

ただ、ここで僕たちが考えるべき本質的な学びは、視覚情報、聴覚情報、言語情報をどのように捉えれば、Webサイトにおいて効果的に価値を伝えることができるかです。「見た目重視」だけでは成果が出ない、かといって「見た目無視」でも成果は出ない。Webサイトの場合、視覚情報と聴覚情報の非言語情報が9割ではないことは明らかです。では、言語情報はどうか?

言語情報は視覚情報を補う役割があることを、先にお伝えしました。このあたりにヒントがありそうですね。ここで誤解を恐れず、僕の考えを先に言うと、言語情報が9割です。言葉なくして、デザインもへったくれもないと考えています。

言語情報からすべてが始まる

Webサイトにおける言語情報の核となるのは「誰に、何を、伝えるか」という戦略そのものになります。ここが間違っていると、どんなに非言語情報がすごくても、成果につながることはありません。たとえば保育園のWebサイトに、ナショナルジオグラフィックのような画像や洗練されたデザインがあっても心は動くでしょうか。「美しいな」と感じても、保育園のWebサイトに訪れるユーザーが知りたいのは、美しい動物や風景ではありません。自分の子どもを通わせたときに、子どもが幸せかどうか。教育方針に共感できるか。そうしたことの方がよほど大事ですよね。

視覚情報、つまり見た目の雰囲気やデザインが効果を発揮するのは「誰に、何を、伝えるか」という言語情報(=戦略)が明確になったときなんです。Webサイトにおいて「誰に、何を、伝えるか」その軸が定まっていなければ、見た目をどれだけつくろっても、意味がありません。事業をしている場合、売上につながらないということです。

「見た目重視」で制作してうまくいっていない社長さんの99%は、このパターン。デザインはいいけど、売れない。問い合わせが来ない。だから「言語情報が9割」と僕は考えています。

ただ、この言語情報=戦略の軸が定まっていると、メラビアンの法則は参考になります。

メラビアンの法則をWeb制作に活かす3つの方法

メラビアンの法則は、言語情報:7%、聴覚情報:38%、視覚情報:55%の割合で影響を与えるという法則でした。Webサイトにおいて、影響力という点では、言語情報が9割だと考えていますが、しかしその言語情報=戦略の軸が定まっている場合、メラビアンの法則は威力を発揮します。

ポイントは、3つあります。

  • 言語情報を、視覚情報に置き換える工夫をする
  • 動画、アニメーションなどを効果的に導入できないか検討する
  • 言語情報を効果的に伝えるサイトデザインをする

それぞれ、解説しましょう。

言語情報を、視覚情報に置き換える工夫をする

人が受け取る視覚的な情報の影響力が強いのは、メラビアンの法則で証明されている通りです。ただ、視覚情報の中には、言語情報によって、作り出された想像力、脳内イメージも含まれると先にお伝えしました。つまり、それができればできるほど、人が受け取る影響力は強力になります。言葉をどのように表現するのか、というライティングスキルの問題です。

具体的に、ご説明しますね。改善策よりも、ほんの少しの具体性を伝えることです。たとえば、下記のように。

  • HPを改善しましょう! ➡ 月20件、問い合わせの電話が鳴るサイトにしましょう!
  • 腰痛を改善しませんか? ➡ シュッとした姿勢を手に入れませんか?
  • 作業効率化しませんか? ➡ 競合他社の半分の時間で仕事を終わらせませんか?

ちょっとした違いですが、ただの改善策を提案するだけでなく、ユーザーにとっての新しい機会や明るい未来を伝えることで、頭の中に視覚的なイメージが沸いてきます。

動画、アニメーションなどを効果的に導入できないか検討する

視覚情報として、動画やアニメーションは、効果的です。動画には話したり、効果音やBGMを入れたり、聴覚情報も盛り込めます。一昔前は、動画をスムーズに再生できないケースも多かったのですが、近年は通信技術も急速に発達して、ストレスなく視聴できるようになりました。Webサイトでも、YoutubeやVimeoを埋め込めばサイトの読み込み速度を下げることなく、動画を設置できます。

また、アニメーションは視覚情報としてアクセント的な役割であり、あまり多用されるとかえって邪魔になりますが、効果的に導入することで価値を伝えやすくすることができます。

いずれにしても原則は、言語情報の核となる「誰に、何を、伝えるか」から外れないこと。その軸からズレた瞬間に、視覚情報は無意味か、ひどいときは逆の効果を与えます。メラビアンの法則は適用されません。

言語情報を効果的に伝えるサイトデザインをする

Web制作において、デザインは戦略やマーケティングの下位の概念です。ここまでお伝えしたように、戦略の軸がずれていれば、どれだけデザインが良くても成果が出ないので存在意義がありません。

ビジネスにおいて、アート作品を目指さない限り、デザインは言語情報(=戦略)をいかに効果的に伝えるか、というところから考えるべきです。よくある失敗例は、デザインはきれいだけど、内容が薄かったり、どこにでも書いてある訴求で、ユーザーが求める情報が見つけにくかったりするケースです。それでは、顧客の信頼を得ることは難しい。逆に、デザインがシンプルでも、コンテンツが充実していて、求める情報がすぐに見つけやすい親切な導線のサイトであれば、顧客の満足度は高まります。

Googleがもっとも大事しているのは「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」という信念。ビジネスで成果を求めるなら、シンプルさ、わかりやすさは欠かせません。デザインに凝り過ぎて、その視点が欠けると本末転倒です。

しつこいようですが「誰に、何を、伝えるか」そのコンテンツの質を向上させることに、全力を注ぐべきでしょう。それが、結果的にメラビアンの法則を活用したWeb制作に繋がります。

まとめ

この記事では「メラビアンの法則」をWeb制作に活用するための考え方と、3つの具体的な方法を解説しました。Webサイトは「言語情報」の特性が強いメディアであり「視覚情報」だけでは顧客の行動誘導を促すのに十分ではないので、メラビアンの法則を単純に適用するわけにはいきませんが、戦略の軸さえしっかりしていれば、上手に活用することができると思います。

実際に「見た目重視」でホームページを制作してうまくいっていない社長さんの99%は、戦略の軸を外しているパターンでした。それではデザインがいくら良くても、成果は出ません。

この記事を通して、あなたのWebサイトが「何となく良い感じのデザイン」から、「きちんと成果に繋がるデザイン」へと進化するヒントとなっていれば幸いです。

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