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「どんなに良い商品でも、売れなければ意味がない」
これは、マーケティングに携わる人だけでなく、小さくとも自分で事業をされている方なら、一度は痛感したことがあるはずです。
- 競合よりも圧倒的に優れた商品を作ったのに、なぜか売れない
- ブログやSNSで発信しているのに、お客さんが増えない
- 広告を出しても、思ったほどの反応が取れない
僕はこれまでスモールビジネスを中心に、WEB制作やコンサルティングを300件以上してきましたが、こうしたお悩みを解決する最短で、もっとも効果的な糸口は「伝え方」にあると感じています。どんなに素晴らしい商品/サービスでも、伝え方が間違っていれば、人の心は動きませんし、問い合わせや購入ボタンを押すことに繋がりません。
そんなとき、ヒントとなるのが、ジョセフ・シュガーマンのコピーライティング理論です。彼は、ただの「売れる文章の書き方」を教えたのではありません。人間心理を深く理解し、どうすれば「読んだ人が思わず行動を起こしてしまうのか?」を徹底的に探究しました。
たとえば、シュガーマンのよく知られたメッセージにこんな言葉があります。
コピーは、読者を滑り台のように導くべきだ。
彼は、セールスコピーを、滑り台から滑り落ちるように、一度読み始めると止まらなくなる設計をすべきだと、いっているのです。僕自身、ホームページのコンテンツやランディングページのセールスコピーを書く中で、シュガーマンの考え方を学び、売れるコピーの原則を実践してきましたが、確実にいえることは、シュガーマンの売れるコピーの原則を知っているか知らないかで、売上が大きく変わるということ。
もしあなたが、
- 「売れる文章を書けるようになりたい」
- 「コピーライティングの基本を知りたい」
- 「広告やLP、ブログをもっと効果的にしたい」
と考えているなら、このまま読み進めてください。この記事では、ジョセフ・シュガーマンのコピーライティングの基本から、今日から実践できるテクニックまで初心者でもすぐに使える形で解説していきます。
ジョセフ・シュガーマンとは?— 伝説のコピーライターの軌跡

人は感情で買い、理屈で正当化する。
マーケターであれば誰もが心にとどめているであろう、このシンプルな原則を見事に活用し、数々の広告を大ヒットさせたのがジョセフ・シュガーマンです。彼の名前を聞いたことがない人もいるかもしれませんが、彼のコピーライティング手法は、現在のあらゆるマーケティング手法の基礎になっています。
彼はどのような人物だったのでしょうか? 残された書籍の中から、その実績をご紹介しましょう。
コピーライティングの天才、シュガーマンのキャリア
ジョセフ・シュガーマンは、アメリカで活躍した伝説的なコピーライターであり、ダイレクトレスポンス広告の先駆者として有名です。彼は”JS&Aグループ”という会社を創業し、数々の画期的な商品を世に送り出しました。
中でも有名なのが、”ブルー・ブロッカー・サングラス”です。このサングラスの広告は、シュガーマンが書いたコピーによって爆発的なヒットを記録し、何百万本も売れました。もちろん、まぐれではありません。彼は売れる文章を書くための探究者でした。徹底的に、人間の心理を研究し、読者を行動へと導く文章を作り上げていたのです。
なぜシュガーマンのコピーは「買ってしまう」のか?
シュガーマンのコピーライティングが他のマーケターと一線を画していたのは、「読者を惹きつけ、最後まで読ませ、自然と購入へと導く」ストーリー性にあります。
彼の広告は、ありふれた商品説明とは違い「読み物」として面白いんですね。
たとえば、ブルー・ブロッカー・サングラスの広告では、こんなストーリーが展開されました。
ある日、私は砂漠を歩いていた。太陽がギラギラと照りつけ、目を細めないと前が見えない。しかし、ある男が僕にサングラスを差し出した。半信半疑でかけてみると、目の前の景色が一変した…。
いったい、どう一変したのだろう。と思いませんでしたか?
最初の一文を読んだら、次の一文を読みたくなり、さらにその一文を読んだら、その次を読みたくなる。こうしたストーリー性のあるコピーは、読者の興味を引きつけ、最後まで読ませる力を持っています。そして、気づけば「そのサングラスはなに?」「このサングラスが欲しい!」と思わせてしまうのです。
シュガーマンのコピーライティング哲学
彼のコピーライティングが成功した背景には、いくつかの重要な哲学がありました。ここでは、その中でも特に重要で、効果的な3つを紹介します。
1. コピーは「滑り台」のように書く
シュガーマンは、読者を「滑り台」に乗せるようにコピーを書くべきだと考えていました。最初の一文が読まれたら、次の一文へと自然に誘導し、最後までスムーズに読み進めてもらうことが大切です。
だから最初の一文はとにかく重要。彼のコピーには 退屈な部分が一切ありません。察するにそれは、一文入魂とでもいいましょうか、その一文が次の一文を読みたい設計、表現になっているか、真剣なのです。おそらく、僕も含めて、多くの人と基準値が異なるのでしょう。
2. 感情を刺激し、行動を引き出す
「人は感情で買い、理屈で正当化する」という彼の言葉の通り、購買行動の多くは感情に左右されます。シュガーマンは、読み手の「欲しい!」という感情を揺さぶるコピーを書くことに長けていました。
たとえば「この商品を持つことで、どんな気持ちになれるのか?」を具体的に伝え、読者の想像力を刺激するわけです。
3. 商品の欠点すら「武器」にする
一般的な広告では、商品の欠点を隠そうとするものです。しかし、シュガーマンはあえて弱点を伝えることで、読者の信頼を得る手法を取っていました。
たとえば、「この時計は、他の高級ブランドほど有名ではありません。でも、その分、細部のクオリティにこだわり、最高の精度を実現しました。」といった具合です。
こうすることで、読者は「この会社は正直だ」と感じ、むしろ商品への興味を深めるのです。
ジョセフ・シュガーマンの「売れるコピー」の原則とは?

ジョセフ・シュガーマンは、一文一文にこだわり、滑り台のうえを行くように読みやすい文章を書くことだけでなく、結果として「読者の心を動かし、行動させる」ことに卓越していました。では、なぜ、彼は、読んだだけで、読者を行動させるほどのコピーが書けたのか。そのエッセンスは何なのか?
幸いにして、僕たちは彼の「売れるコピーの原則」を知ることができます。シュガーマン自身が下記の書籍で44のテクニックを公開してくれているのです。

ここでは、そのひとつひとつの細かいテクニックではなく、僕自身の実体験として、これを知っておくだけで反応率が変わるのではないかと信じる「5つのポイント」に絞って、解説していきます。
1. すべてのコピーは「最初の一文」で決まる
シュガーマンは、「最初の一文が読まれなければ、次の一文も読まれない」と考えていました。小説の書き出しでもそうですよね。その物語に引き込まれるかどうかは、最初の一文が大きく影響するはずです。
読者の興味を引きつけるために、彼は以下のような「最初の一文」を作るテクニックを紹介しています。
疑問形の導入
例:あなたは、なぜこの広告を最後まで読んでしまうのでしょうか?
驚きを与える一文
例:信じられないかもしれませんが、この時計はNASAの宇宙飛行士によってテストされています。
物語のような書き出し
例:ある日、私は友人とドライブをしていました。その時、驚くべき出来事が起こったのです…。
最初の一文で、読者の好奇心を刺激できるか、注意を惹けるか、読まずにいられなくさせるかが勝負です。
2. コピーは「滑り台」のように書く
シュガーマンは、コピーライティングを「滑り台(Slippery Slide)」に例えました。
- 最初の一文が読まれたら、次の一文へと自然に流れる
- 読み進めるほど勢いがつき、止まれなくなる
- 気がつけば、最後まで読んでしまう
この「滑り台」を作るために、シュガーマンが教えてくれたのは「歯切れの良い短い文章」と「リズム」。たとえば、こんなコピーを見てください。
「盗品」売ります。消費者重視の新しいコンセプトが登場。リスクを冒す気があれば、盗品を買うことができます。足がつく心配はご無用。保証アリ。当社の盗品は新品同様で、かつてのブランドや持ち主が知れることはありません。
『10倍売る人の文章術』(ジョセフ・シュガーマン著・金森重樹訳/PHP研究所)
どうでしょう?一気に読んでしまいませんでしたか?
このように、コピーの中にリズムた余白を作り、読者の好奇心を刺激することで、最後まで読ませる仕組みを作るのです。
3. 商品の特徴ではなく「ベネフィット」を伝える
シュガーマンは、人は商品の特徴ではなく、それが自分に何をもたらすかを知りたいのだと考えていました。この視点は、セールスライティングだけでなく、ホームページでコピーを考えるときにも極めて重要で、この視点があるかないかで、売上が間違いなく変わるだろうと断言できます。
たとえば、以下のような例を比べてみましょう。
特徴ベースのコピー
このカメラは、1,200万画素の高性能レンズを搭載しています。さらに、ズーム機能も秀逸で、手振れ機能も最新のものがついています。
ベネフィットベースのコピー
お子さんが生まれたら、毎年1枚ずついいカメラで写真を撮って、それを新聞紙の大きさまで伸ばして下さい。すると、成人の日までに20枚の写真が残ります。それをお子さんにプレゼントしてあげるんです!最高の贈り物になると思いませんか?それが出来るのは”いいカメラ”だけなんです。スマートフォンでは、その感動は生み出せませんよ。
後者の文言は、ご存じの方も多いでしょう。ジャパネットたかたの創業者、高田明氏がテレビショッピングで伝えた表現です。氏は、ベネフィットを生み出す天才。前者はただの機能説明にすぎませんが、後者は商品を通して得られる「明るい未来」を感情が動くように伝えています。
シュガーマンは、「読者に『自分がこの商品を使っている姿を想像させる』ことが大切だ」と語っていました。まさに、これがベネフィットなのです。
4. 「購買意欲」を高める心理トリガーを活用する
人は、論理ではなく感情で購入を決めます。だからこそ、シュガーマンは「人間の心理を刺激するきっかけ(トリガー)」を意識的に使っていました。彼は「心理学」にとても関心が深かったのです。シュガーマン自身も、「何年も試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ身につけた考え方」であると言っています。
それがたった1540円で学べるのだから、この書籍は本当に価値があります。
さて、本の中では22個、披露されていますが、その中でも最も強力で、僕自身もよく使い、実用的だと思っている心理トリガーを3つご紹介しましょう。
希少性(Scarcity)
手に入りにくいものほど、欲するのが人間。「この機会を逃せば、二度と買えない」と思うだけで購買意欲が高まります。大手は生産数を絞ることで市場への流通を抑えることもできますが、スモールビジネスにとっては、まさにリソースの乏しさこそが「希少性」となります。
例:
・この価格で手に入れられるのは今月3日まで!
・売り切れ御免!1万匹に1匹しか獲れない奇跡の鮭の切り身を販売
・ひとつひとつ手作りなので月に3個しか生産できません
権威性(Authority)
日本人は特に、権威に弱いといいます。しかしそれも当然で、アルバイトの作ったパスタより、イタリアに修行して、〇〇コンテストで優勝し、料理本をいくつも出しているシェフのパスタを食べてみたいでしょう。また、お医者さんでも丸首セーターの写真より、白衣を着ている方が威光を感じるはず。その他、著名人や公的機関、誰もが知る企業などの名前を借りるだけでも権威性は高まります。
例:
・NASAの宇宙飛行士も愛用している時計
・JSA認定ソムリエエクセレンス資格取得
・アメリカで唯一最大の最新電化製品サプライヤー
信用(Trust)
シュガーマン自身がもっとも重視していたのが「正直さ/誠実さ」を打ち出すことです。 信じがたい価格や商品価値に見合わないコピーは一度や二度ごまかせるかもしれません。しかし、長期にわたっては無理です。消費者は、バカではありません。メッセージが正直であるほど、メッセージを効果的に受け入れてくれます。もし、正直さに照らして伝えなければならない欠点があるなら、伝えるべきだとシュガーマンはいうのです。
ジョセフ・シュガーマン自身の事例コピー:
よくあるセールストークを予想されているなら、お門違いです。これから私たちは「マジック・スタット」がいかに優れたサーモスタッドであるのかを説明するのではなく、これを徹底的にこきおろそうとしているのですから。初めて「マジック・スタット」に出会ったとき、その名前をひと目見て、がっくり。プラスチックケースを見て、なんて安っぽい…!そして、デジタル表示を探しても見当たらず…。販売員が使用方法を説明する前から私たちはうんざりしていました。
『10倍売る人の文章術』(ジョセフ・シュガーマン著・金森重樹訳/PHP研究所)
この3つを使いこなせるようになるだけで、反応率は冗談抜きで変わります。これらの心理的トリガーは、読む者を「今すぐ行動しなければならない」という気持ちにさせるからです。
5. 見込み客の異論や疑問を「先回り」して解決する
「この商品は本当にいいのか?」
「詐欺じゃないのか?」
「買った後に後悔しないか?」
「アフターサービスはどうなってるのか?」
関心を持った見込み客は、こうした不安を常に感じながら、ホームページやランディングページ、セールス文章を読んでいます。シュガーマンは、読み手が持つ異論や疑問を先回りして解決することで、安心して購入できる環境づくりを重視しました。
営業のテクニックやセールスライティングを学んでいると「反論処理」というテクニックが出てきますが、まさにこれのこと。ホームページの「よくある質問」セクションの役割は、そのためにあります。よく、質問と回答が一行ずつのそっけないQ&Aを載せているWEBサイトがありますが、それでは役割を果たしていない可能性が高い。
それに、理想的なのは、見込み客が異論や疑問を抱いたその瞬間に、解決してあげることです。具体的な事例で示しましょう。
サプリメントの事例
「このサプリはとても効果的です」と伝えるだけでなく、「このサプリは、米国食品医薬品局(FDA)の認可を受け、すでに10万人以上が使用しています」と社会的証明を伝えることで、「本当に有効なのか?」という疑念を解消する。
高級時計の事例
ロレックスのように投資対象になるほど圧倒的なブランドではないけれど、高額な時計であれば「本当に価値があるのか?」と疑問に思う人は多い。購入を決めるまでに慎重になるのが普通だ。シュガーマンは、こうした見込み客の疑念を先回りして解決することで、安心して購入してもらえる環境を作る重要性を説いている。たとえば「スイスの職人が1本1本、手作業で仕上げた」「国際的なオークションで価値が証明されている」「100年保証付き。あなたの子供、孫の代まで使える時計」こうしたことを伝えることで、その疑念を解消する。
シュガーマンの手法を学んでいくと、枝葉のテクニックよりも、見込み客の信頼を得ることに全力を注いでいることがわかります。
ジョセフ・シュガーマンの「伝説の広告事例」

ジョセフ・シュガーマンが手がけた広告は、読み手を夢中にさせ、気づけば「買わずにはいられない」状況にする魔法のような文章でした。
ここでは、シュガーマンの代表的な広告事例をご紹介しながら、なぜ圧倒的な成果を出すことができたのか、その秘訣に少しでも迫れるようにまとめていきたいと思います。ぜひ前のセクションで解説した「売れるコピーの原則」を念頭に、あなたも一緒に考えてみてみてください。
「ブルーブロッカーサングラス」— 150億円の売上を生んだコピー
ジョセフ・シュガーマンの最大の成功例と言えるのが、「ブルーブロッカーサングラス」というサングラスの広告でした。この広告は、1億ドル(約150億円)以上の売上を生み出し、ダイレクトレスポンス広告の成功事例として今もなお、語り継がれています。
サングラスの広告コピーの事例
この広告は、当時はもちろんのこと、今と照らしても、普通のサングラスのセールスコピーとは一線を画しています。特徴的なのは、商品の機能やスペックを前面に出すのではなく「思わず引き込まれるようなストーリー」を語ったこと。
実際に広告の冒頭部を引用してみましょう。
サングラス革命
▶これをかけたとき、目に見えるものが私には信じられませんでした。あなたもきっと同じでしょう
これからお話しするのは本当のことです。信じがいのある話です。信じられないならば、考え直していただくだけの価値はあります。ご説明しましょう。レンは優れた商品をいろいろ知っている友人です。ある日、彼が電話をしてきて、自分が手に入れたサングラスについて興奮気味に語りました。「すごいぞ、こいつは。一度かけてみろ。信じられないから。」「何が見えるんだ?信じられないって?」と私。レンが答えます。「これをかけると、よく見えるようになるんだ。ものがくっきりシャープに見える。3D効果以上だ。それもぼくのイマジネーションじゃない。自分の目で確かめてみろよ」…
『10倍売る人の文章術』(ジョセフ・シュガーマン著・金森重樹訳/PHP研究所)
どうでしょうか?
一気に読み手を物語の中に引きずり込む力がありますよね。「売れるコピーの原則」と照らし合わせてみてください。最初の一文から「滑り台」を滑るようにリズムよく読ませ、「ベネフィット」を語っていることが分かると思います。
実はこのあとに、このサングラスが、ブルーライトをカットして、視界をクリアに見せるNASAの技術を活用している話もでてきます。これは当時としては特筆に値すべきことですが、タイトルにも、サブタイトルにも、ひとことも触れていないことに注目してください。
たとえば、サブタイトルに「NASAの最新技術を採用!驚きの視界を体験してください!」としてもよかったわけです。NASAの最新技術、というのは「権威性」を高める表現にもなりますが、シュガーマンの判断は、まだ「購買意欲を高める」段階にはない、としたのでしょう。実際、他の広告の売り込み感が強いほど、機能的な特徴を訴求したところで、差別化が難しくなります。
この広告がダイレクトレスポンスマーケティングの歴史に名を残した理由は、売り込み感を感じさせずに売ることに成功したからなんですね。
「マジック・スタット」— “欠点を武器にした” 温度調節装置の広告
ジョセフ・シュガーマンが手掛けた広告の中でも、特に異彩を放ったのが「マジック・スタット」という温度調節装置の広告です。この広告は、一見すると「売り込みどころか、商品の悪口を言っているのでは?」とすら思えるものでした。しかし、この大胆な手法が結果として大ヒットにつながり、商品は爆発的に売れました。
温度調節装置の広告コピーの事例
この広告の最大の特徴は、商品の「欠点」を前面に押し出したことです。通常、マーケティングでは商品の魅力や利点を強調するのが鉄則とされています。しかし、シュガーマンは逆転の発想を取り入れ、「最初に読者の警戒心を解く」ことを狙いました。
では、実際に広告の冒頭部分を見てみましょう。
マジック・ナンセンス
私たちが「マジック・スタット」と呼ばれるサーモスタットを評価しなかった理由にご賛同いただけるはずです。驚くべきことが起こるまでは…
よくあるセールストークを予想されているなら、お門違いです。これから私たちは「マジック・スタット」がいかに優れたサーモスタッドであるのかを説明するのではなく、これを徹底的にこきおろそうとしているのですから。初めて「マジック・スタット」に出会ったとき、その名前をひと目見て、がっくり。プラスチックケースを見て、なんて安っぽい…!そして、デジタル表示を探しても見当たらず…。販売員が使用方法を説明する前から私たちはうんざりしていました。(中略)だが待ってください。ひとつ利点がありました。(中略)マジック・スタットは数分で取り付けることができ、業者に頼む必要がありません。(中略)取り付けが非常に簡単なので、実際に使ってみるのもすぐでした。そして、そこで私たちは信じられない発見をするのです。マジック・スタットはおそらくこの地球、いや宇宙の歴史上、最も消費者の立場に立ち、技術的に優れ、性能の高いサーモスタットではないかと…
『10倍売る人の文章術』(ジョセフ・シュガーマン著・金森重樹訳/PHP研究所)
おそらく普通の広告なら、いきなり「この温度調節装置は最新技術を搭載し、エネルギーを最大40%節約できます!」と謳うところでしょう。しかし、この広告は最初に「ネガティブな要素」を出し、読者の心をつかむ作りになっています。
これが、シュガーマンが重視した正直さ、誠実さであり、先回りして読者の疑問や不安を解決する手法です。この広告を見ると「本当にいい商品なのか?」とはじめは疑います。と同時に、興味を持たずにはいられません。最初に欠点を認めることで「この広告は誠実だ」と思わせることができるのです。その後に商品の本当の魅力を伝えることで、読者は警戒を解き、納得感を持って読み進めることができます。
冒頭で一気に読者を引き込み、疑問を解消し、ベネフィットを伝え、最後に「買わない理由がない」と思わせる流れ。この手法は、商品に明確な「売りポイント」がない場合や、競争の激しい市場で差別化を図りたい場合に応用できる強力なコピーライティングの技術といえるでしょう。
シュガーマン流コピーをさらに磨く!応用テクニック

さて、ここまで、シュガーマンのコピーライティングの基礎や哲学をお伝えしてきました。ここまでの内容を踏まえて、コピーを作っていくだけでも、強力なコピーが作れるようになります。
ただし、シュガーマンのライティングノウハウにはもっともっと真似したい要素があります。この記事はマーケティング初心者に向けて書いていますが、ここからはもう一歩踏み込んで、具体的な事例を交えながら、どのように読者の心を動かし、最終的に行動させるのかを解説しますね。
「感情」を先に動かし、「論理」で後押しする
シュガーマンは「人は感情で買い、理屈で正当化する」と言っています。つまり、順序としては「感情を動かすコピー」 が先で、あとから「論理で納得させる」文章はあとにすべきなんですね。
ストーリーで感情を引き込み、データで納得させる
シュガーマンのコピーの特徴のひとつが「ストーリーを語ること」。ただ商品の特徴を並べるのではなく、読者の共感を得るストーリーを語り、そこから論理的な裏付けを提供することで納得感を生み出します。
事例:高級万年筆のセールスコピー
悪い例(スペックを羅列するだけ)
この万年筆は、精密なペン先を持ち、金メッキが施され、滑らかな書き味を実現しています。
良い例(ストーリーで感情を動かし、論理で後押し)
かつてある著名な作家が、この万年筆を手にしたとき、彼は微笑んでこう言いました。
『これは書くための道具ではない。インスピレーションを呼び覚ます魔法の杖だ』
この万年筆のペン先は、熟練職人が1本1本手作業で仕上げたもの。だからこそ、滑らかな書き心地を実現し、書くことそのものが快感に変わるのです。
ストーリーで興味を引き、その後で職人技の精密さや素材のクオリティといった「論理的な裏付け」を提供することで、読み手を納得させる事例でした。
「想像させる言葉」を使う
シュガーマンは、「読者に想像させることで、強い欲求を生み出せる」と述べています。コピーを読むだけで自分がその商品を手に入れた未来をリアルにイメージさせるのです。
「未来の自分」をイメージさせる
人は、商品スペックよりも、「その商品を手に入れたら、自分がどう変わるのか?」という未来をイメージしたときに購買意欲が高まります。シュガーマンは、読者の未来の姿を具体的に想像させるコピーを多用しました。
事例:フィットネス器具のセールスコピー
悪い例(機能説明のみ)
このフィットネス器具は、毎分1,000回の振動を発生させ、効果的に筋肉を刺激します。
良い例(未来の自分を想像させる)
毎朝、鏡を見るたびに思う。『もっと引き締まった体だったらな…』
もし、今から30日後に、あなたのウエストがスッキリして、Tシャツを自信を持って着られるようになったら? そんな未来を実現するために、このフィットネス器具は開発されました。
「未来の自分がどう変わるか?」をリアルに描き、それを実現するツールとして商品を提示することで、ありありと未来をイメージさせる事例でした。
「好奇心のフック」で注意を引く
シュガーマンの広告は、読み手の「好奇心」をかき立てる仕掛けが豊富でした。人は「答えを知りたい!」と思うと、最後まで読み進めます。滑り台効果の原動力となるのが、好奇心です。
謎を提示して、続きが気にならせる
広告の最初の部分で謎があると「これはいったい何の話だ?」と読者を引き込むことができます。
事例:高級ワインのセールスコピー
悪い例(普通の紹介)
このワインは、フランス・ボルドー地方で作られた最高級の赤ワインです。
良い例(好奇心のフックを活用)
このワインは、ある晩餐会で100人のソムリエがテイスティングし、そのうち99人がロマネ・コンティだと断言した。しかし、彼らは間違っていた…。では、このワインの正体とは?
最初に「えっ?」と思わせる謎を提示し、続きを知りたくなるようにするのは、シュガーマンの得意技でもありました。
数字やデータを使って興味を引く
もうひとつ、僕自身が多用する手法として、数字やデータを使って「好奇心」をかきたてるテクニックがありますので紹介しましょう。
事例:記憶術のオンライン講座のセールスコピー
悪い例(普通の説明)
この記憶術講座を受講すれば、効率的に暗記力を向上させることができます。
良い例(好奇心のフックを活用)
このテクニックを使ったある大学生は、たった3日で300個の英単語を記憶し、TOEICのスコアを200点アップさせた。しかし、彼が最初に学んだのは、単語帳ではなく、ある意外なものだった…。いったい、それは何なのか?
具体的な数字を入れた実績やデータを提示すると、読み手はその事実をより信頼性の高いものと認識します。そこへ、意外性のある内容を盛り込むことができると、興味関心のある読み手は、続きを読まずにいられません。業界にもよりますが、すぐにでも使えるテクニックです。
「希少性」と「緊急性」で決断を後押しする
「人は、今すぐ決断しないと損をする」と感じると、行動を起こします。今でこそ、プロスペクト理論など行動経済学で証明されていますが、シュガーマンの時代はまだ、そうした研究が発表される前でした。そうした中で、彼が「緊急性」を高めるテクニックを多用していたことは驚くべきことです。
「希少性」と「限定性」で即決を促す
シュガーマンの広告では、「今決断しないと、手に入らなくなる」という心理トリガーをよく活用していました。人は、「手に入るのが当たり前」と思うと行動しませんが、「今買わないと手に入らない」と思うと、購買意欲が高まります。
事例:高級腕時計のセールスコピー
悪い例(普通の説明)
この時計は、高級素材を使用し、洗練されたデザインが特徴です。
良い例(希少性と限定性を強調)
世界でたった500本しか生産されない特別な時計。予約の段階で、すでに350本が売れました。
今すぐ決断しなければ、二度と手に入らないかもしれません。
このように希少性を示すだけでも「すぐに買わなければならない」という心理トリガーを発動させるわけです。
多くを語り過ぎない—読者の想像力を引き出すコピーを書く
やや上級者向けの応用テクニックですが、シュガーマンは、読者の好奇心を刺激し、想像力を引き出すことで、文章の魅力を最大化するべきだと考えていました。
多くを語り過ぎると、読者の思考の余地がなくなり、逆に興味を失ってしまいます。優れたコピーは、あえてすべてを語らず、読者自身が「続きを知りたい」と思わせることで、最後まで読ませる力を持っています。ポイントを以下にまとめてみました。
- 最小の語数で表現する
- リズムを重視する
- センテンスをまとめる
- 不要な語を取る
- 「です」「でした」など同じ文末を続けない
- 順序を変える
シュガーマン自身が実際の実例として紹介してくれているので紹介しましょう。修正前と修正後のコピーが公開されています。
Before:
ダイエットはたやすくありません。誰もがそう言います。トライされたことがあるなら、おわかりでしょう。優れたダイエットプログラムに必要なのがヘルスメーターであると。ヘルスメーターは成績表のようなものです。それは、あなたに成果のほどをフィードバックしてくれます。ダイエットの数少ない楽しみのひとつは、ヘルスメーターに乗って、その好結果を目にすることです。
『10倍売る人の文章術』(ジョセフ・シュガーマン著・金森重樹訳/PHP研究所)
After:
ダイエットはたやすくありません。誰もがそう言います。ダイエットの数少ない楽しみのひとつは、ヘルスメーターに乗って好結果を目にすること。ヘルスメーターは成績表のようなもの。あなたに成果のほどをフィードバックしてくれます。
『10倍売る人の文章術』(ジョセフ・シュガーマン著・金森重樹訳/PHP研究所)
僕の経験上も、読み手に伝わらないかな?と考えて、老婆心で説明しすぎると失敗しやすい気がします。まして今を生きる現代人は、常に忙しい。ゆっくりと呼んでくれる環境にあるわけではないので、文章はできるだけ短い言葉で読み手の想像力を掻き立てる表現を心がけるべきでしょう。
まとめ:今日から使えるシュガーマンのコピーライティング法

ジョセフ・シュガーマンのコピーライティングの手法を学ぶことで、「売れる文章」を書くためのルールが見えてきたのではないでしょうか。「コピーライティングは才能ではなく、原則を知ることがすべて」とシュガーマンは言います。つまり、この記事でお伝えしたことを実践するだけで、あなたのコピーは確実に変わるということです。
では、もう一度、シュガーマンから学べる重要なポイントを振り返っておきましょう。
シュガーマンのコピーライティング法の重要ポイント
ホームページやランディングページ、SNSコンテンツを作るときは以下を参考にしてみてください。
- 文章は「滑り台」のように読ませる
- 読者が最初の一文を読んだら、止まることなく最後まで読み進めるようにする
- シンプルな言葉、リズムのある文章を意識する
- 「感情」で引き込み、「論理」で納得させる
- 人は感情で動き、後から論理で正当化する
- まず「興味」と「欲求」を生み出し、その後に「納得感」を与える
- 「機能」ではなく「ベネフィット」を伝える
- 商品のスペックを語るのではなく、「これを手に入れることで得られる未来」を描く
- 読者が 「これを買ったら自分にどんなメリットがあるのか?」 を瞬時に理解できるようにする
- 「心理トリガー」を活用して、行動を促す
- 好奇心を刺激する質問やフックを入れる
- 希少性や緊急性を強調し、「今すぐ行動しないと損をする」と感じさせる
- 権威性や社会的証明を使い、信頼感を高める
あなたのコピーにシュガーマンのエッセンスを取り入れる
ここまで学んだ内容を実際に活用するには、まず、自分自身で書いてみることが大切です。間違っても、ChatGPTに丸投げしないでください。使いようによっては、あなたの頭脳を退化させるのが生成AIです。自分の頭で汗かいて、多少の負荷をかけることで、僕たちは成長できます。
まずは、あなたの商品・サービスについて、見直してみると良いでしょう。なお、シュガーマンの名著『10倍売る人の文章術』は、実践的なテクニックが満載です。もしまだ読んでいないなら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
