チャーチルに学ぶ「逃げると倍返し」の法則

チャーチルに学ぶ「逃げると倍返し」の法則

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チャーチルはこんな言葉を残しています。

困難や障害から逃げれば、それは2倍、3倍になって追いかけてくる。正面から立ち向かえば、1/2に縮む。

これ、人生でもビジネスでも、めちゃくちゃ”あるある”だと思いませんか?

たとえば、苦手な人へのメール返信を後回しにしていたら、最初は「確認お願いします」だったのに、次の日には「早く出して」と圧が倍増。さらについつい放置してしまえば、大クレームに繋がるケース。

そんな経験、誰でもあるのではないでしょうか。人に限らずですが、苦手意識があると、仕事でも何でも逃げたくなりますよね。

でも、逃げれば逃げるほど、2倍、3倍の問題を伴って自分の身に降りかかる。逆に、怖くても「よし!」と覚悟を決めて、さっさと真正面から向き合ったら、意外とあっさり解決した、なんてことも多い。

つまりチャーチルはこう言ってるわけです。「どうせ戦う羽目になるんだから、早めに片づけてしまえ」。今日は、この「逃げると倍返しの法則」について、僕自身の失敗談も交えながらお話しします。

目次

リアルに体験した「逃げると倍返しの法則」

ソムリエ時代の大失敗

実は僕も、この「逃げると倍返しの法則」を身をもって体験したことがあります。

ソムリエ時代の大失敗

ある年のクリスマスディナー。僕がまだ20代で、レストランでソムリエ兼ホールリーダーとして働いていた頃の話です。

店内は満席。厨房もサービスの現場もてんやわんやで、各テーブルで料理や飲み物の遅れが目立ち始めました。予約状況から忙しいことはわかっていたので、料理と料理の間が空いたとき用に、ちょっとした小皿を2種類用意していたのですが、それを出し切ってもなお、遅れています。

しかも具合の悪いことに、その日のお客様の中には、大きな声で文句を言うクレーマー気質の方がおられました。よく通ってくださるたいせつなお客様の一人には違いないのですが、僕たちも人間です。お客様とはいえ、嫌なことばかり言う方とできれば関わりたくありません。

恥ずかしながら、当時の僕は考えが浅はかでした。そのお客様に対しては、優先的に料理を運んで、文句を言わせず、早く帰ってもらおうとしていたのです。料理が遅れて不機嫌になり、スタッフに大声で当たられては困ると考えたからです。

ところが、お察しの通り、周囲のお客様のテーブルから「なんで後から来た人の料理が先なんだろうね」という声が上がってしまいました。それも、複数のテーブルにおいて、です。結果、クレーマー気質のお客様には文句を言われることはなかったのですが、近隣のお客様にはとても理不尽な思いをさせてしまいました。

根本的な問題を避けようとした結果、信頼を損なう結果に

悪いことは続くもので、いつもは穏やかな常連様にも「ちょっと待たせ過ぎじゃない?」と苦言を言われ、そうした空気感は隣のテーブルにも伝播するようでした。シェフにとにかく急いでもらうよう伝えると、こっちも必死にやっとんのじゃ!と逆ギレされる始末です。

レストランのサービススタッフを経験したことがある方なら共感してもらえると思うのですが、お客様とシェフとの板挟みになることは、レストランあるあるでしょう。それで僕も、腹立ってしまって「料理が遅いからお客さん怒ってんですよ、早く出してくださいよ!」とキレ返してしまったのです。

一触即発のピリピリした雰囲気は、他のスタッフへも影響したのでしょう。今度はフロアでパリーンとグラスの割れる音がして、申し訳ございません!と謝るスタッフの声…。あわててフロアに戻ると、赤ワインをこぼして、お客様の服にかかってしまっていたのでした。最悪の状況です。幸い、とてもやさしい方で「忙しいもの、仕方ないわよ」と言ってくださり、クリーニング代をお支払いすることで事なきを得たのですが、隣のテーブルのお客様は呆れた顔して、首を振っています。

その後、収束がつかないように見えた状況も少しずつ、間に合ってきて落ち着きを取り戻したのですが、この日の僕の判断、行動は、リーダーとしても、経営幹部としても完全に間違っていました。1割のお客様を優先して、残り9割のお客様からの大きな信頼を失ってしまったのですから。

根本的な問題を避けて、易きに流れた結果、倍どころではない損失を被ったわけです。

なぜ人は問題から逃げたがるのか

なぜ人は問題から逃げたがるのか

でも、なぜ僕たちは分かっていても問題から逃げてしまうのでしょうか?

脳の仕組みが関係している

実は、これには脳の仕組みが関係しています。

人間の脳は、不快なことや面倒なことを避けようとする「損失回避傾向」が強くプログラムされています。これは僕たちの祖先が、槍を持って獲物を追っていた狩猟採集民時代、危険から身を守るために発達した本能的な反応です。脳は本質的になまけもので、利益よりも、リスクを倍ほど強く、感じます。原始的な脳は、問題に直面したとき「逃げるか、闘うか」本能的に察知して、リスクがあるなら逃げるのです。

現代でも、この仕組みは変わりません。難しい問題や嫌な作業に直面すると、脳は自動的に「逃げよう」という信号を送ってきます。

完璧主義も逃避の原因

また、完璧主義も逃避の大きな原因になります。

「完璧にやらなければ」「失敗したらどうしよう」という思いが強すぎると、行動に移すハードルが上がってしまいます。

結果として、「もう少し準備してから」「もう少し考えてから」と先延ばしを続けてしまう。

「倍返し」はなぜ起こるのか

「倍返し」はなぜ起こるのか

では、なぜ問題から逃げると「倍返し」されるのでしょうか?

問題は時間とともに複雑化する

まず、問題は放置すると必ず複雑化します。

最初は単純だった問題も、時間が経つにつれて様々な要因が絡み合い、解決が困難になります。メールの返信一つでも、時間が経てば経つほど、説明すべき内容が増え、相手の感情も悪化していきます。

信頼関係にダメージが蓄積される

また、問題を先延ばしにすることで、相手との信頼関係にもダメージが蓄積されます。

一度失った信頼を回復するには、元の何倍もの労力が必要になります。僕のソムリエ時代の失敗も、まさにこのパターンでした。

精神的ストレスが雪だるま式に増加

さらに、未解決の問題は精神的ストレスとして頭の中に居座り続けます。

「あの件、まだやってない…」という思いが、日常生活の様々な場面で頭をよぎり、集中力を削いでいきます。これが積み重なると、本来のパフォーマンスも大幅に低下してしまいます。

正面から立ち向かうコツ

正面から立ち向かうコツ

では、どうすれば問題から逃げずに立ち向かえるのでしょうか?

1. 小さく分解する

大きな問題ほど、小さなステップに分解することが重要です。

「プレゼン資料を作る」ではなく、「資料の目次を考える」「1ページ目を作る」「グラフを挿入する」といった具合に、具体的で小さなタスクに分けてしまいます。

小さなタスクなら、「今すぐできそう」という感覚になり、行動のハードルが下がります。

2. 「最悪のシナリオ」を考える

逆説的ですが、「最悪のシナリオ」を具体的に想像することも効果的です。

「この問題を放置し続けたら、最終的にどうなるか?」を真剣に考えてみてください。多くの場合、実際の作業よりも、最悪のシナリオの方がはるかに恐ろしいことに気づくはずです。

3. ピッパの法則を活用する

「ピッパの法則」をご存知ですか?これは、北の達人コーポレーションの代表、木下勝寿社長が著書の中で提唱されている考え方です。

「ピッパ」とは「ピッときたらパッとやる」の略。思いついたことや、やらなければいけないことを、その瞬間に片づけてしまうという法則です。

木下社長は、この法則を実践することで、年商100億円を超える企業を築き上げました。些細なことでも先延ばしにせず、即座に行動に移すことの威力を証明している実例ですね。

僕も最近、この「ピッパの法則」を意識するようになってから、格段に仕事の効率が上がりました。メールの返信、簡単な事務作業、ちょっとした連絡など、2〜3分でできることは、その場で即座に処理してしまいます。

これにより、小さなタスクを溜め込まないことで、問題の雪だるま化を防げるんです。

4. 完璧を求めすぎない

完璧を求めすぎず、「とりあえず60点でいいから進める」という姿勢も大切ではないかなと思います。

完璧でなくても、行動することで相手に誠意は伝わります。そして、行動しながら修正していけばいいんです。

僕が学んだ「早期対処」の威力

「早期対処」の威力

先ほどの失敗談の後、僕は「嫌なことほど早くやる」という習慣を身につけました。

クレーム対応での成功体験

ある時、クライアントから「ホームページの表示がおかしい」という連絡がありました。正直、技術的な問題で原因がすぐには分からない状況でした。

以前の僕なら「もう少し調べてから連絡しよう」と考えたでしょう。でも今回は、外出していて、すぐに確認できない旨を伝え、できる限り早急に対処する旨を伝えました。

「申し訳ございません。すぐに確認いたします。原因が分かり次第、1時間以内にご連絡いたします」

結果として、問題は思ったより複雑で解決に半日かかりました。でも、クライアントからは「対応が早くて安心した」と逆に感謝されました。

もし最初の連絡を先延ばしにしていたら、きっと大きなクレームになっていたでしょう。

苦手な事務作業も習慣化

事務作業も同様です。請求書作成、経費精算、各種手続きなど、面倒な作業は全て「毎週金曜日の午前中」と決めて、定期的に処理するようにしました。

この習慣のおかげで、事務作業に追われるストレスがほぼゼロになりました。

ビジネスでの「早期対処」戦略

特にビジネスでは、この「早期対処」が競争優位につながります。

クライアント対応での差別化

クライアント対応でも、レスポンスの早さは大きな差別化要因になります。

同じ品質のサービスでも、連絡への返信が早い業者と遅い業者では、印象が全く違います。「この人は信頼できる」という印象を与えることができれば、価格競争に巻き込まれることも少なくなります。

問題解決力向上の好循環

また、問題に早期対処する習慣がつくと、問題解決力そのものも向上します。

小さな問題のうちに対処することで、解決のパターンが蓄積され、より大きな問題にも対応できるようになります。

チーム全体への影響

もしあなたがチームのリーダーなら、この習慣はチーム全体にも良い影響を与えます。

リーダーが問題に素早く対処する姿勢を見せることで、チームメンバーも同様の行動を取るようになります。結果として、チーム全体の問題解決力が向上するんです。

逃げずに立ち向かう人生

逃げずに立ち向かう人生

チャーチルの言葉に戻りますが、「どうせ戦う羽目になるんだから、早めに片づけてしまえ」というのは、本当に人生の真理だと思います。

問題から逃げることは、一時的には楽かもしれません。でも長期的に見れば、必ずより大きな困難として自分に返ってきます。

逆に、怖くても正面から立ち向かう習慣をつけることで、人生の様々な場面で優位に立てるようになります。

小さな勇気の積み重ね

大切なのは、いきなり大きな問題に立ち向かおうとしないことです。

まずは小さな問題から。面倒なメールの返信、後回しにしている事務作業、苦手な人との会話など、日常の小さな問題に立ち向かう習慣を身につけてください。

小さな勇気の積み重ねが、やがて大きな困難に立ち向かう力になります。

問題は成長の機会

そして最後に、問題は成長の機会でもあることを忘れないでください。

問題に立ち向かうことで、新しいスキルが身につき、自信もつきます。逃げ続けていては、決して得られない貴重な経験です。

まとめ:今日から始める「早期対処」

チャーチルのイメージ

チャーチルの言葉をもう一度思い出してください。

困難や障害から逃げれば、それは2倍、3倍になって追いかけてくる。正面から立ち向かえば、1/2に縮む。

この言葉の真意は、「どうせ解決しなければならない問題なら、早いうちに片づけてしまおう」ということです。

今日から、以下のことを意識してみてください:

  • 面倒なことほど、先にやる
  • 完璧を求めすぎず、まずは行動する
  • 問題を小さく分解して取り組む
  • 2分でできることは、その場で処理する

最初は勇気がいるかもしれません。でも、一度この習慣が身につけば、人生がずっと楽になることを約束します。

問題から逃げるのではなく、問題を解決する自分になる。それが、充実した人生を送る秘訣なのかもしれませんね。

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