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引用を足すと、27.8%。
これは、AIの回答の中に自分のサイトが載る確率がどれだけ上がったか、という数字です。プリンストン大学とアレン人工知能研究所の研究チームが検証しました。書き方を変えるだけで、引用のされやすさは最大40%まで上がった。
そして効いた手法が、驚くほどはっきりしていました。
この記事では、その3つの型を具体的に解説します。あわせて、この検証で上位に来なかった作業についても触れます。長年やってきた検索対策の一部が、AIには効いていないという話です。
僕はホームページ制作の現場で、8年間ずっと「一次情報を持ってください」と言い続けてきました。今回の研究は、その主張に技術側から答えが出た形になっています。だから少し長くなりますが、根拠まで含めて書きます。
AIに引用される確率を上げた3つの書き方


研究チームが検証したのは、生成AI検索最適化(GEO=ChatGPTやAIによる概要のような、AIが答えを作る検索で見つけてもらうための工夫)です。複数の書き方を比較して、どれがどれだけ引用率を押し上げたかを測りました。
結果、効果が大きかったのは次の3つです。
1. 他の人の言葉を引用する(プラス27.8%)
3つの中で一番効きました。
自分の主張だけで埋めたページより、誰かの発言を引いたページのほうがAIに拾われます。理由は単純で、AIは答えを組み立てるときに裏づけを探しているからです。
裏づけのない文章は、領収書のない経費精算のようなものです。内容が正しくても、そのままでは通せない。AIも同じで、検証できない主張は答えに組み込みにくい。
引く相手は、有名な専門家である必要はありません。お客さんの言葉でもいい。むしろスモールビジネスの場合、お客さんの生の声のほうが強いです。
僕がクライアントのホームページを作るとき、必ず対談を録って文字起こしをします。京都のシロアリ駆除業者ヤマト産業の中岡さんの言葉も、東大阪の鍼灸院「はりとお灸ひなた」の西畑さんの言葉も、全部そこから拾っています。あれは感動の演出のためではありません。他では手に入らない一次情報を、サイトの中に置くためです。
2. 具体的な数字を入れる(プラス25.9%)
「効果があります」ではなく「問い合わせが月1〜3件から、シーズン期は月50〜60件になりました」と書く。この差です。
ぼかした表現は、AIから見ると引用しても意味のない文になります。「多くの企業が成果を上げています」という一文を、AIはどう使えばいいのか。使いようがない。逆に数字が入っていれば、そのまま答えに組み込めます。
ここで多くの会社がつまずくのが、「うちには自慢できる数字がない」という壁です。
でも数字は、自慢するために出すものではありません。読む人が判断するために出すものです。創業年数でもいい。施工件数でもいい。対応エリアの数でもいい。数えられるものを1つ置いてください。
僕自身も、ココナラで最初の1年は時給97円でした。この数字は自慢ではまったくない。でも「そこから全国1位を200回以上取った」という話をするとき、97円という数字があるだけで、聞く側は距離を測れます。数字とはそういうものです。
3. どこから持ってきたかを書く(プラス24.9%)
出典を書くと、なぜ自分が引用されるのか。
おかしな話に聞こえますが、これも裏づけの話です。出典が書いてあるページは、検証できるページです。検証できるページは、AIにとって安全に使えるページになります。
やることは単純で、「ある調査によると」で止めないことです。どこの誰が、いつ出した数字なのか。媒体名と記事タイトルと日付まで書く。それだけで、そのページの信頼度は変わります。
ちなみにこの記事の冒頭の数字も、プリンストン大学とアレン人工知能研究所の研究チームがKDD 2024で発表したもの、と書いています。2年前の研究です。「最新の研究では」と書いたほうが読者は反応するでしょうが、それは事実と違う。事実と違うことを書いた瞬間に、この記事は引用される資格を失います。
この検証で効かなかった作業


ここからが本題かもしれません。
この検証で上位に来なかったのが、キーワードを増やす、見出しを整える、といった作業です。長年、検索対策の基本とされてきた型が、そのままではAIに効いていない。
もう1つ、別方向のデータも添えておきます。生成AI検索を専門に観測しているBrandlightによると、Googleの上位表示とAIが引用する情報源の重なりは、かつての70%から20%未満まで落ちました。
つまり、検索で1位を取ることと、AIに名前を出してもらうことは、別の競技になりつつあります。同じグラウンドだと思って走っていたら、隣で別のルールの試合が始まっていた、という状況です。
誤解しないでほしいのは、検索対策が無意味になったという話ではないことです。検索から来るお客さんは今もいます。ただ、検索対策だけをやっていれば両方カバーできる、という前提が崩れた。それだけの話です。
スモールビジネスが今日からできること


ここまでを踏まえて、明日の朝から手を動かせる順番で書きます。
既存ページに1つずつ足していく
新しく記事を量産する必要はありません。すでにあるページに、3つのうち足りないものを1つ足す。それだけで効果は出ます。
優先順位は、お客さんがよく見ているページからです。サービス紹介ページ、料金ページ、事例ページ。ここに引用と数字と出典がないなら、そこから直してください。
お客さんの声を「集める仕組み」を先に作る
引用が一番効くのに、多くの会社が一番持っていないのが、お客さんの言葉です。
納品のとき、施工完了のとき、契約更新のとき。接点のたびに一言もらう仕組みを先に作ってください。後からまとめて集めようとすると、当たり障りのない感想しか出てきません。
僕はクライアントに、対談を録ることをすすめています。文字にしたときの情報量が、アンケートとはまるで違うからです。
数字を1つ決めて、全ページで使う
自社を語るときの数字を1つ決めてください。そしてその数字を、トップページにも、サービスページにも、会社案内にも置く。
バラバラの数字をあちこちに散らすより、1つの数字が繰り返し出てくるほうが、人にもAIにも残ります。
まとめ
この記事の核心は3点です。
- AIに引用される確率を上げたのは、引用(プラス27.8%)、数字(プラス25.9%)、出典(プラス24.9%)の3つ。合計で最大40%変わる
- キーワードを増やす、見出しを整えるといった従来の作業は、この検証では上位に来なかった
- Googleの上位表示とAIの引用元の重なりは70%から20%未満へ。検索とAIは別の競技になりつつある
そして、僕がこの研究を見て一番強く思ったことを書いておきます。
引用を入れる、数字を出す、どこから持ってきたかを書く。この3つは、AI対策として発明された作法ではありません。まっとうな書き手が昔からやっていたことです。
AIに好かれる文章の書き方は、人間に信用される文章の書き方と同じだった。それだけの話でした。
ヤマト産業さんの問い合わせが月1〜3件から、シーズン期は月50〜60件になり、そのほぼ全件が成約しているのも、特別なテクニックを使ったからではありません。中岡さんの言葉と、現場の写真と、実際の施工数。持っているものを、隠さずに出しただけです。
正直に言えば、この3つはあとから足せるものではないと思っています。お客さんの声を持っていない会社は引用できないし、成果を測っていない会社は数字を出せない。だから今日やるべきは、記事を書くことではなく、集める仕組みを作ることかもしれません。
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https://online.zoroya.co.jp/line/open/0RvI2YIDwo6D?mtid=215Go3drIXpK
出典
- プリンストン大学・アレン人工知能研究所ほかによる生成エンジン最適化(GEO)の研究(KDD 2024にて発表)
- Brandlight による生成AI検索の引用元観測データ(2026年)
- Omnibound「Generative Engine Optimization Statistics (2026)」

