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マーケティングは、消費者理解に始まり、消費者理解に終わる。
そう言っていたのは、USJをV字回復させた立役者、森岡毅氏でした。
森岡氏のマーケティングは、その考え方の人格の高さと、数学的な論理性が素晴らしいと思っていて、参考にさせて頂いてます。
消費者インサイトの重要性に気づいたのも、森岡氏の影響でした。
消費者インサイトとは?
消費者インサイトは、「隠された真実」のこと。
混同しやすいのですが、ニーズとは違います。
消費者自身が認識している必要性(ニーズ)というより、表に出てこない欲求、感情のことと捉える方が良いかもしれません。
マーケティングで、そこを衝けると、その商品やサービスの便益を大幅に理解しやすくなったり、欲しくなったりするのです。
消費者インサイトには2種類ある
消費者インサイトには、2種類あります。
マインド・オープニング・インサイトと、ハート・オープニング・インサイト。
前者は、消費者の「認識」を、後者は「感情」を、大きく変えることです。
マインド・オープニング・インサイト
たとえば、「魚は健康に良い」ということはよく知られています。
イワシやサバは、頭が良くなる。
という話は、聞いたことがある人も多いでしょう。
でも「頭が良くなるから食べた方が良い」といわれても、ピンときません。
では、物忘れの多くなってきた50代の女性に「物忘れが多いのは脳の栄養が足りなくなっているからです。脳の栄養素は外部から取り入れるしかなく、サバのDHAは脳に直接入って栄養素として機能できる数少ない成分です。」と言われたら、どうでしょう。
ちょっと長すぎるかもしれませんが、サバを食べる意味がより強くなります。
マインド・オープニング・インサイトとはこういうことです。
ハート・オープニング・インサイト
これは、森岡氏の著書『USJを劇的に変えた、たった一つの考え方』(角川書店)にこれ以上ないケースが載っています。
USJのクリスマスイベントのCMイメージは、森岡氏が赴任するまで、「昼にはこんなことを楽しめて、夜にはこんなことを楽しめます」というものでした。
それを、森岡氏はどう変えたか?
「いつか君が大きくなってクリスマスの魔法が溶けてしまうまでに、あと何回こんなクリスマスを過ごせるかな・・・」
と娘を持つ父親目線で、親の切ない深層心理をえぐり出したのです。
その結果、パーク内でやっているイベントなどは変わらないにも関わらず、それまでの倍の集客ができました。
消費者インサイトを深堀りし、コミュニケーションの表現を変えるだけで、売上は倍にすることもできるのです。
これって、すごいと思いませんか?