仕事とは、相手の「痛み」に才能を使うこと|稼ぎを増やす2つの道

仕事とは、相手の痛みを解くために才能を使う(ブログ記事のアイキャッチ)

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「仕事ってなに?」と聞かれたら、何と答えますか。

子どもに聞かれても、部下に聞かれてもかまいません。

最近は、ChatGPTやClaude、Geminiに頼めば、文章も画像も、ホームページのたたき台まで、それらしいものがすぐに出てくるようになりましたね。便利になったぶん、「自分の腕は、この先もお金になるのだろうか」と、ふと考えることはありませんか。

僕も長いあいだ、この問いに自分の答えを持っていませんでした。

腑に落ちたのは、コピーライティング(読んだ人に行動してもらうための文章の書き方)を学んでいたころです。読む人の立場に必死で視点を移しながら書いていたとき、「ああ、仕事ってこういうことか」と、初めて思えました。

先に答えを書きます。仕事とは、相手が抱えている「痛み」を解決するために、自分の才能や技術を使うことです。

ここで言う「痛み」は、お金を払ってでも片づけたい困りごとや、不便や、不安のことです。

この記事では、腕がいいだけでは仕事にならない理由と、相手の痛みを知る3つの手順、そして稼ぎを増やす2つの道を、東京・武蔵小金井の美容室HAMONさんの実例と一緒に紹介します。

目次

腕がいいだけでは、仕事にならない

同じパスタでも、食べる人によって正解が変わる

料理に自信のあるシェフがいたとします。自分が「うまい」と思う料理を出して、人気を集めてきた人です。

でも、食べる人の好みは、年齢や、ふだん食べているものや、その日の体調で変わります。シェフが自信を持って出した味つけが、塩分を控えている年配の方には、しょっぱすぎるかもしれません。

僕は昔、イタリア料理店で働いていました。主な仕事はソムリエでしたが、パスタやピザ、前菜を作る現場にも入っていました。

そこでシェフに教わったのが、テーブルを見て味を変えることです。子ども連れのテーブルが入ったら、パスタの味を少しだけ甘く。お年寄りのテーブルが見えたら、塩を少し控えめに。

同じメニューの、同じパスタです。それでも、食べる人が変われば、おいしいの正解も変わる。シェフは、それを当たり前のこととしてやっていました。

お客さんの前では、自分の評価は関係ない

自分本位の商売は、人の支持や共感を集めにくいものです。

「自分はこれが得意だから」「これを分かってほしいから」。そう考えて出したものは、作った本人の満足にはなっても、相手の困りごとに届くとは限りません。

お客さんの前では、自分がどう評価されたいかも、自分が言いたいことも、関係ないんです。

僕がこう考えるようになったきっかけは、もう1つあります。ぞろ屋を始める前、電話の営業をしていたころに出会った、青木毅さんの「質問型営業」という手法です。

青木さんは、営業を「お役立ち」だと定義していました。相手の人生を聞くこと。その人の役に立ちたいと、心の底から思うこと。

売るための質問ではなく、役に立つための質問をする。半信半疑で電話の営業に持ち込んでみたら、電話口の相手の反応が、それまでとはまるで変わりました。

自分本位をやめて、相手の立場に立って考える。これができないと、いい仕事はできません。

仕事は、お金を払ってでも解決したい「痛み」から生まれる

「仕事が生まれるところ」という見出しの図解で、オレンジの枠の「相手の痛み」と緑の枠の「自分の才能」がプラスでつながっている。下の帯に「才能を、相手の痛みに使う」。

レストランのお客さんが払っているのは、料理の代金だけではない

では、仕事はそもそも、なぜ生まれるのでしょうか。

それは、お金を払ってでも解決したい「痛み」があるからです。

レストランに行く理由は、「おいしいものを食べたい」という気持ちから考えることもできます。でも、痛みの側から見ると、別のものが見えてきます。今日は自分で料理をしたくない。家では作れない料理を食べたいのに、食べられない。

手の込んだ料理を自分で作れるようになるには、何年も修業が要ります。お金を払えば、その年月をかけずに、その一皿が食べられる。

お客さんが払っているのは、料理の代金であり、自分では埋められない差を埋めてもらう代金でもあるんです。

同じ傘でも、雨が降れば値段を見ずに買う

晴れた日に、コンビニのビニール傘を買う人はほとんどいません。

ところが、駅を出たら土砂降りで、10分後に大事な打ち合わせがある。そんな日は、値段も見ずに傘をつかんでレジに持っていきますよね。

傘そのものは、晴れの日と何も変わっていません。変わったのは、買う人の困り具合です。

同じ技術でも、相手の痛みが強いほど、それにお金を払う理由は強くなります。仕事の値段は、作り手の腕だけで決まるわけではない、ということです。

作る技術だけでは、値段が下がっていく

そう考えていくと、仕事とは、相手の問題を解決するために、自分の能力や才能を活かすことだと分かってきます。

だから、技術を磨き、知識を身につけ、それをお客さんに返していくことで、利益が生まれます。

ただ、技術だけを売ろうとすると、苦しくなる時代になりました。僕の本業のホームページ制作でも、AIを使えば、見た目の整ったページなら安く早く作れるようになっています。作る作業の値段は、これからも下がっていくと思います。

その一方で、そのお店や会社のお客さんが抱えている悩みを深く聞き取り、誰に何をどう伝えるかを決めるところは、AIだけではまだ代わりがききません。作れることと、お客さんの痛みを解決できることは、別の話なんです。

相手の痛みを知る3つの手順

相手の痛みは、こちらで想像しているだけでは分かりません。だから、知りにいく手順が要ります。

僕はこれまで、400件以上のホームページの制作・支援に関わってきました。最初の聞き取りで必ず時間をかけて聞くのが、そのお店や会社のお客さんが抱えている悩みや困りごとです。

相手の痛みを知る3つの問い
  • どんな人なのか
  • なぜ、自分のところに来たのか
  • 何を期待しているのか

手順1|どんな人なのかを知る

年齢や家族の人数だけでは足りません。ふだんどんな仕事をしているのか、これまでにどんなことを試してきたのか。

そこまで分かると、同じ悩みでも、何に困っているのかの輪郭がはっきりしてきます。このあと紹介する美容室の中村さんは、白髪の量や髪の体力だけでなく、お客さんのふだんの仕事まで聞いてから、色を決めています。

手順2|なぜ、自分のところに来たのかを聞く

何がきっかけで探し始めたのか。ほかのお店や会社も見たうえで、なぜここに連絡しようと思ったのか。

ここには、お客さんがいちばん困っていることと、こちらが選ばれている理由の両方が出てきます。選ばれている理由は、お店の側が「こんな小さなこと」と思っているところに隠れていることが多く、聞かないと出てきません。

手順3|何を期待しているのかを確かめる

悩みが片づいたあと、どうなっていたいのか。逆に、何が起きるのがいちばん怖いのか。

期待には、困りごとが消えることのほかに、「こうなれたらうれしい」という気持ちや、先の楽しみも含まれます。痛みを消すところで止めずに、その先まで聞いておくと、提案できることの幅が広がります。

直接聞けないときは、お客さんの言葉を拾う

毎回じっくり話を聞けるとは限りません。そういうときは、観察して、感じ取るしかありません。

手がかりは、もう手元にあることが多いです。

  • 問い合わせのメールや、予約のときに書かれた一言
  • 最初の電話で、お客さんが使った言葉
  • お客様の声やアンケート、Googleマップのクチコミ
  • 現場で接しているスタッフが聞いている話

最後の1つは見落とされがちです。社長より、毎日お客さんと話している受付や現場のスタッフのほうが、お客さんの困りごとをよく知っていることがあります。

拾うときは、お客さんの言葉を自分の言葉に言い換えずに、言われたまま書き留めておくのがコツです。

よくある失敗|商品の説明から考え始めてしまう

いちばん多いのは、自分の商品やサービスの側から考え始めてしまうことです。「うちのこの技術は、ここがすごい」から入ると、相手の痛みは後回しになります。

考え始める場所を、商品からお客さんの側に移す。お客さんの困りごとを先に並べて、それに自分がふだんどう応えているかを、あとから並べていきます。

もう1つは、社長が1人の頭の中だけで想像して終わらせてしまうことです。想像した痛みと本物の痛みがずれていても、それでは誰も気づけません。

武蔵小金井の美容室HAMONさん|直近1年ゼロだった予約が、2か月で14件に

26年の腕より先に、お客さんの髪と暮らしを見る

東京・武蔵小金井の美容室HAMONさんは、オーナーの中村さんのお店です。席は3つだけ。カットもパーマもしていますが、得意なのはハイライトやブリーチを使ったデザインカラーで、中村さんの技術を求めて、群馬から往復6時間かけて来るお客さんもいます。

いちばん多いお客さんは、35歳から60歳前後の方だそうです。白髪が出始めた世代や、白髪に悩んでいる方。60代で、時代的にブリーチに挑戦する機会がなかった方もいます。

対談の時点で、中村さんの美容師歴は26年。それだけの腕がある人が、お店の売りとして話したのは、技術の高さではありませんでした。

もっとカラーの上手な美容師は多分世の中にいっぱいいると思うんですけど、できるだけその人に寄り添ってその人のベストを目指して、時間とか料金とかも含めて相談してできるようにやっていくこと、を売りとしてやってるので

何が言いたいかというと、中村さんは自分の腕を、いちばん上手であることより、目の前の1人の悩みに合わせることに使っている、ということです。

挑戦したい度合い、白髪の量、髪の体力、ふだんの仕事。新規のお客さんには特に時間をかけて話を聞き、3時間のメニューなら3時間半いただいて、相談しながら進めます。

美容室には「入ったら、お金を払わないと帰れない」空気があって、最初の一歩のハードルが高い。だからHAMONさんは、カウンセリングだけなら無料にしています。お客さんが口に出しにくい不安に、先回りして答えているんです。

「美容室であること以外、何も分からない」ホームページだった

ところが、ホームページはその良さをまったく伝えていませんでした。

開業のときに知り合いに頼んだものの、最初の打ち合わせで話していたことができなくなり、途中で止まったままだったそうです。中村さんいわく、「美容室ってこと以外は何もわかんなかった」。

宣伝はほぼInstagramだけ。直近1年、ホームページからの予約はゼロでした。

リニューアルでは、まず中村さんのこだわりと、来てほしいお客さんの姿を聞き取りました。僕の聞き取りは、「そこまで聞くんですか」と驚かれるくらい細かいらしいです。中村さんも対談で、最初の聞き取りを「結構細かく聞いてくれて」と振り返っていました。

そのうえで、来てほしいお客さんを「全員」にしませんでした。中村さんいわく、ほかの美容室のホームページは、男性も女性も、若い人も年配の人も、全員に向けて作られていたそうです。HAMONさんのホームページは、色にこだわりたい人、色で困っている人に向けて書いています。

うちのやつは、色にこだわったり困ってる人は見てくれて、じゃない人は離脱してもいいような作りになってるのがすごい分かりやすくて、僕のやりたいことと似てるのでよかったです。

色に悩んでいない人は、ページを閉じて去ってかまわない。そう割り切ったから、悩んでいる人には「これは自分のための店だ」と伝わります。

新しいお客さんは、Googleからホームページを通って来た

リニューアルから2か月で、ホームページからの予約は14件になりました。直近1年はゼロだった予約です。

結構うちとしては、新規が2ヶ月で14は記録的な数字なんで。

すごいですよね。新しく来たお客さんがいちばん多く口にしていたのは、「Googleで調べてホームページ行って、Instagram見て予約しました」という流れだったそうです。Googleでの閲覧数やクリック数も大きく伸びていると、中村さんは話していました。

もし誰にでも当てはまる言葉のまま、見た目だけを新しくしていたら、この14件は来なかったと断言できます。

東京・武蔵小金井の美容室HAMONの中村さんとの対談は、動画でも見られます。

稼ぎを増やす道は2つ|解決する数を増やすか、痛みを絞るか

「量で育ち、質で稼ぐ」という見出しの図解で、青の枠の「解決する数を増やす」と緑の枠の「深い痛みに絞る」を並べて比べている。下の帯に「絞るほど、深く届く」。

では、仕事を続けた先で、もっと稼いで豊かになるにはどうすればいいのか。

選択肢は2つしかないと、僕は考えています。

  1. 自分の才能を使って、問題を解決する数を増やしていく
  2. より深い痛みに絞って、解決の焦点を合わせる

量を増やすか、質を上げるか、と言い換えてもかまいません。

1つ目|解決する数を増やす

1つ目は分かりやすい道です。お客さんの数を増やす、受ける件数を増やす。

僕もココナラ(スキルを売り買いできるサイト)でホームページ制作を始めたときは、この道からでした。最初は5,000円で出品して、手取りを作業時間で割ると、時給は100円に届きませんでした。

それでも、量をこなした時期があったから、腕と実績が育ちました。始めたばかりのころは、この道が役に立ちます。

ただ、数には上限があります。1日は24時間しかなく、1人で受けられる件数は決まっています。量だけで稼ぎを伸ばそうとすると、いつか自分の時間が足りなくなります。

2つ目|より深い痛みに絞る

2つ目は、より深い痛みに絞る道です。

庭で水まきをするとき、ホースの先を指で少しつまむと、同じ水の量でも、水は遠くまで勢いよく届きますよね。口を大きく開けたままだと、足もとに広がるだけです。

才能も同じで、誰にでも少しずつ使うより、深い痛みを持つ人に絞って使ったほうが、相手に深く届きます。

HAMONさんは、まさにこの道を選んでいます。原宿や渋谷には、ブリーチの上手な大きなお店がたくさんあると、中村さん自身が話しています。大きなお店は工程が手順として決まっていて、お弟子さんが施術することも多い。HAMONさんは、目の届く3席で、基本のデザインを中村さん本人が塗ります。

痛みが深いほど、解決するのは難しくなります。そのぶん、解決できる人は少なく、お客さんは遠くからでも来てくれる。群馬から往復6時間かけて来るお客さんがいるのは、そういうことだと僕は思います。

痛みに絞ることは、お客さんを減らすことではなく、届く相手を深くすることです。

絞る痛みを見分ける3つの目安

とはいえ、どの痛みに絞ればいいのかは迷うと思います。見分けるときは、次の3つを手がかりにしてみてください。

  • 今すぐ片づけたいか:先送りできない困りごとほど、お金を払う理由は強くなる
  • 放っておくと、損が大きくなるか:体、将来、人間関係、お金に関わる悩みは、高くても払いたいと感じやすい
  • 自分の才能で、ほかの人より深く解決できるか:痛みが大きくても、自分が解決できなければ仕事にならない

よくある失敗は、痛みの大きさだけで選んでしまうことです。悩んでいる人が多い分野には、たいてい大きな会社が先にいます。だからこそ、3つ目の、自分の才能との重なりが決め手になります。

もう1つは、自分の好きなことだけで選んでしまうことです。好きなことでも、お金を払ってでも解決したい人がいなければ、趣味の延長で終わってしまいます。

「自分には才能がない」と思っている方へ

才能は、本人にとって当たり前すぎて見えない

ここまで読んで、「そもそも自分には、才能と呼べるものがない」と感じた方もいるかもしれません。

ホームページの聞き取りでも、「うちには、これといった強みがないんです」と言われることがよくあります。でも、何年か仕事を続けてきた人には、その人にしか溜まっていない知恵が必ずあります。

毎日やっているので当たり前になって、本人だけが気づいていない。そういうことがとても多いんです。見つけるときは、次の2つを自分に聞いてみてください。

  • ほかの人が面倒がるのに、自分は苦にならずに続けていることは何か
  • 人の仕事を見て、「どうしてここを気にしないんだろう」と思うのはどこか

僕の才能は、地味なことをやりきることだった

僕自身、才能で勝ってきたとは思っていません。

勤めていたころは、誰よりも早く出社して、トイレを掃除していました。今も毎日、15分ごとに時間を何に使ったかを記録しています。ココナラを始めたころは、とにかく返信を早く、丁寧にしました。

どれも、誰にでもできて、誰もそこまでやりきらないことです。

それでも、続けたことが信頼になり、実績になりました。続けてきたことでも、誰かの痛みを解決するのに使えるなら、それはもう立派な才能だと僕は思います。

まとめ|仕事とは、相手の痛みに自分の才能を使うこと

  • 仕事は、お金を払ってでも解決したい「痛み」があるから生まれる。腕がいいだけでは、相手に届かない
  • 相手の痛みは、「どんな人か」「なぜ来たのか」「何を期待しているのか」の3つで知りにいく。聞けないときは、お客さんの言葉を拾う
  • 稼ぎを増やす道は、解決する数を増やすか、より深い痛みに絞るかの2つ

東京・武蔵小金井の美容室HAMONさんは、直近1年ゼロだったホームページからの予約が、リニューアル後2か月で14件になりました。26年の腕を誇るより先に、目の前の1人の悩みに合わせる。その姿勢を、そのままホームページに書いたことが、この数字につながったと僕は見ています。

今日やることは1つです。最近のお客さんを1人思い浮かべて、3つの問いに答えてみてください。どんな人で、なぜ自分のところに来て、何を期待していたのか。

答えに詰まったところが、まだ知らない痛みです。

相手の痛みを知りにいくのは、手間がかかります。自分の腕を磨いているほうが、ずっと楽しいかもしれません。

それでも、相手の痛みを分かったうえで使う才能が、仕事になる。お金をいただき、「頼んでよかった」と言ってもらえる。僕は、それが仕事だと思っています。

3つの問いに答えるときは、お客さんがあなたを知ってから頼むまでに、何を考え、どこで迷うのかを順に並べてみると、痛みのある場所が見つけやすくなります。その流れを図にしてくれる「カスタマージャーニー生成AI」を、無料でお渡ししています。公式LINEに登録して「cj」と送ってください。

出典

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