※この記事にはプロモーションが含まれています
価格をホームページに明示するのは、メリット、デメリットあります。
もちろん業態にもよります。
飲食店や美容室など接客業では、明示した方が良い場合が多いです。
ですが、建築やリフォーム業、清掃業、製造業、小売など、多くの業種ではデメリットも合わせて考えなくてはいけません。
あくまで一般論ですが、価格を明示するメリットは、ユーザーにとって「わかりやすい」ことです。
一方、デメリットとしては「比較される」こと。
この情報化社会において、比較検討されることは購買決定するユーザーにとって、当たり前の行動になってきていますから、価格を載せないだけで選ばれない、ということもあるかもしれません。
ただ、それを差し引いてもなお、戦略上、掲載するかどうかは慎重に判断すべきです。
価格を強みにできるのは、原則として大手企業
マーケットの原理からもいえることですが、同じエリアに競合他社がいる場合、もっともマーケットシェアを取りやすいのは価格での差別化です。
安くすればするほど、集客できるでしょう。
ですが、それは資本力によって効率や生産性を上げることのできる大手だからできる戦略であり、資本力のない小規模の事業所は同じやり方で絶対に勝つことはできません。
マーケットが縮小する中、それを続ければ、価格は下がり続け、サービスは低下し、収益は下がり、自社も競合も疲弊していきます。
体力のある大手ならば、それも可能かもしれませんが、数か月先の運転資金もない小規模事業だと自分の首を絞めるばかりです。
シャッター街はこうして生まれた
実際に、大手スーパーや大手電気屋が町の小さな商店を閉店に追い込んでいったのは、この手法です。
郊外の、交通の便が良いロードサイドなどに巨大なショッピングモールを作り、日用品から何から揃えて、巨大な駐車場を作るのも原理は一緒でしょう。
わざわざ個人商店までいきません。
多くの一般消費者にとっては、価格だけでなく、大手の戦略に乗った方が利便性が良かったのです。
インターネットというのは、そうした大手がうようよ蠢(うごめ)くマーケットです。
弱小企業は、直接戦って勝てることはありません。
わずかに生き残る小さな商店が選択した道
とはいえ、そうした大手の猛攻を避け、わずかに生き残っている小さな商店もあります。何をしたか?というと、人間力を強くして、顧客と密につながり、大手のできないサービスをしたんですね。
電気屋さんであれば、電球の交換や、雑用のお手伝い、荷物の配送、中にはコミュニケーションスキルを活かして、お悩み相談をする方もおられました。
そう、価格ではなく、「人」で勝負したんです。
密を作ることによって収益を上げてきた飲食店などの業態が、そのビジネスモデルを壊された先にどんな戦略をとるか考えた時も、「人」が重要になるでしょう。
価格以外の強みに集中すべきではないか?
そういった理由から、ホームページに価格を明示するときは、どのように導線を作るか、慎重に検討すべきでしょう。
よほどの優位性があるのではない限り、ホームページのトップ画面にもってくることは避けた方が良い。
販売する商品や、サービスが強いなら、それを強く打ち出しても良いし、人に魅力があるなら、人を前面に出しても良い。
導線(順番)として、価格ありきではなく、価格以外で構成すべきです。
「でも、お客さんは価格を知りたいのでは?」という疑問
「まず価格を知りたい」というお客さんは多いかもしれません。
たしかに、水道が漏れた時、調べるのは「いくらくらいするんだろう?」ということです。
相場の分からない業態ほど、そうでしょう。
リフォームの相場は?
屋根修理の相場は?
みかんや白菜のように、日常的に接してるわけではないのですぐに分かりません。
でも、考えてみれば、購買決定はその後にするものです。
価格以外の要素で購買判断するお客さんは必ず、いる
相場の分からない業態こそ、スタートの段階で、どのくらいの相場なのか調べるとしても、その段階では購買を決めず、いろいろ調べるでしょう。
情報社会の特性をうまく利用すればいいと思います。
相場の分かったお客さんは、次にどこが良いのか、お客さん自身の基準で決めていくはずです。
水道修理を依頼しようと考えた時に、「とにかく早く来て直してほしい」という人もいれば「業者とはいえ、知らない人を家に上げるので信頼のある会社がいい」という人もいるでしょう。
もちろん「とにかく安いところがいい」という人もいるでしょうが「高くても、今後も面倒見てくれる会社がいい」という人も一定数いるのです。
そして、多くの場合、中小企業の<強み>とお客さん側の<問題>をマッチングさせたとき、お客さんが望むのは値段よりも、信頼だったり、アフターサービスだったり、担当者の人の好さだったりするわけです。
価格の相場情報は、大手に提供させて、自社のホームページでは強みのとことん特化したページ作りをして、良いとこ取りしても良いのではないでしょうか?