未来に備えるリスクマネジメントと危機管理ノート

未来に備えるリスクマネジメントと危機管理ノート

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先ず勝つべからざるを為して、以て敵の勝つべきを待つ

孫子『兵法(軍形篇)』

勝つべからざる=負けないようにする。

勝てるかどうかは敵次第。私たちに出来ることは、負けないようにすることだけだ。

もっともすぐれた戦略書のひとつ、孫子にはそのように書いてあります。この言葉の意味は深いと思う。

目次

リスクマネジメントの重要性

続く文面にはこうあります。

勝つべからざるは己れに在るも、勝つべきは敵に在り。

負けない理由は作ることはできる。

でも、勝てる理由は敵次第なので、自分でどうこうできることではない。

いかに勝つか?ではなく、いかにすれば負けないか?

それを考える方が大事ということでしょう。

負けない理由を作る=リスクマネジメント

負けない理由を作ることを、現代風にいえば、リスクマネジメントといえます。

リスクマネジメントは、中長期の視点がなければ組み立てられません。

基本的に、ミライに備えることだからです。

いま仮に、Google検索で上位にくるとしても、アルゴリズムの変更で圏外になる可能性だってゼロではありません。

実際に過去には、そうした事例があったそうです。

それなのに、集客をGoogle検索だけに頼っていれば、どれだけ良いビジネスモデルでも持続しません。

リスク管理するおすすめツール

問題は、あらゆるリスクをどのように管理していくか。

頭の中だけでは、限界があります。

脳の特質は「忘れる」ことだといいます。

すべて記憶しようとすれば、一日たりとて持ちませんよね。

大事なことはどこかにアウトプットして管理する必要があります。

おすすめは、圧倒的にマインドマップ。

以前、マインドマップを活用して成果を上げた記事を書きました。

レベルごとに対策を考えておく

具体的には、3つのレベルから枝葉を分けて、対策や解決策、そして課題をまとめています。

  1. 売上が下がる
  2. 経営危機
  3. 倒産レベル

自社を倒産させるには、どうすれば良いか?

それを細かく書き出します。

たとえば・・・

  • 手ごわい競合が参入してきた
  • 社員が自社のノウハウを持って独立した
  • アフィリエイト禁止になった
  • 事故にあい下半身不随になった
  • 家族が病気になって大金が必要になった

それぞれに対し、どう備えするか、具体的にしておきます。

対応できていないことは課題として、ひんぱんに確認することでアンテナが立ち、日々の生活、学の中からもヒントが得られるようになります。

危機管理ノート

リスクの時代。1つの失敗が取り返しのつかないことになるかもしれない。お客様にこぼしてしまった、一滴の赤ワインのしずく。対応を間違えば、お店をたたまざるを得ないほどの損害賠償にまで発展する可能性も考えられます。

大袈裟だと思われるでしょうか?でも、そんなことが起こらないと誰が言い切れるでしょう。

最悪を想定していれば、いざ事が起こった時に、ベストな判断をできます。焦って、誤った判断をしてしまえば、再起不能になるかもしれない。そうならないために、危機管理ノートのように記録することは重要です。

記録することでリスクヘッジする

そこに何を書くか?

まずは、考えうる限り最悪の事態を想定して箇条書きします。

・ヤクザの親分が美女2人とペットを連れてきたらどうする?

・営業中に親が倒れたらどうする?

・急な自然災害に見舞われたらどうする?

・銃をもった強盗が入ってきたら?

・・・・・

こうして列挙していくわけです。

目的は備えする事

大規模な自然災害はいま、全国各地で発生しています。

いま国内で「絶対に安全」な場所なんてないでしょう。

地震、台風、大雨、火災・・。

それぞれ、対処の仕方が違います。

危機を箇条書きにしたら、それぞれについて、どう備えするか、考えます。

具体的には、いまから準備しておくことと、事が起きてからすることに優先順位をつける

行動を決めておく

たとえば、1週間停電した場合に何が必要か?

どんな心構えをもつか?

どの順番で、行動するか?

そうしたことを、あらかじめ、決めておきます。

危機管理ノート(仮)に書くことによって、それができる。

人材育成も含める

危機管理ノート(仮)としたのには、わけがあります。

そこには、顧客対応だけでなく、人材育成についての対応も書こうと思ってるのです。

たとえば、スタッフから突然「正しさって何ですか?」なんて言われたら、答えに窮しませんか。

別に答えられなくてもいいかもしれませんが、魅力あるレストランであるためにはそうした哲学を持っておいた方が良いと思うのです。

明確な根拠があって、それが経営理念に繋がっていると、スタッフも安心して働けるでしょう。

「働くってどういうことですか?」

「なぜお客さんの為に頑張るんですか?」

「10年後、どんなレストランにするんですか?」

そんな質問にはっきりと答えられる経営者じゃないと、不安ですよね。

どれだけ未来を想定できるか?

危機管理ノート(仮)を書いていくということは、どれだけ未来を想定できるかでその質と深さが決まります。

的外れな想定なら意味がないし、未来を想像できなければ、どのような項目があるのかさえ浮かんできません。

では何が必要かというと、勉強ですよね。

5つの分野を知る

歴史、経済、文化、宗教、政治

恩師は、この5つを常に学んでおくようにと言っていました。

未来を想定するには、歴史を知るのが近道なんだそうです。

理由は、ある一定の周期で歴史は繰り返すから。

経済や政治を知らなければいけないのは、歴史が繰り返すとわかっても、どう紐づくかが経済や歴史を知らないとわからないから。

文化、宗教は、グローバル社会において、必須です。

今後のレストランでは、お客さんを日本人だけに絞ると立ち行かなくなるでしょう。

海外の人にも来てもらわなくてはいけない。

そうした時に、自分はどういう考えを持っているか、相手にはっきり伝える力を求められます。

その上で、互いを尊重し合えるような器と知識をもっていないと、一流のサービスはできないでしょう。

人として一流であれ

そうして未来を想定し、リスクを洗い出し、あらかじめ備えをしていくことで、人間が磨かれると思います。

AI、ロボットにない力は、人間力。

人として一流であれば、周囲からもう一度会いたい、もう一度、あのレストランに行きたい。

そう思ってもらえるんじゃないかと思います。

危機管理ノート(仮)を通して、そんな人間としての魅力を磨いていきたい、というのも目的のひとつです。

ご登録いただくと、月1~2回、更新通知を送らせていただきます。

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