ポジショニング専門家の方法論をホームページ設計に応用する

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もしあなたが、自社のホームページを作ったのに問い合わせが来ない、商品には自信があるのに選ばれない…と悩んでいるなら、今日の話は見逃さないでください。

その原因、商品やサービスの品質じゃないかもしれません。「置き場所」が間違っているだけかもしれないんです。最近、世界的なポジショニング専門家の方法論を知る機会がありました。その中身が、僕が現場で400件以上やってきたホームページ設計の考え方と驚くほど重なっていて、背筋がピンと伸びた。

今日は、その方法論を「ホームページでどう活かすか」に落とし込んで、実践的にお届けします。

目次

死にかけた製品が、「置き場所」を変えただけで大化けした話

まず、ひとつのエピソードを紹介させてください。

世界的に知られるポジショニング専門家、エイプリル・ダンフォード(April Dunford)氏。200社以上のポジショニング支援を手がけ、著書『Obviously Awesome』は10万部を超えるベストセラーになった人物です。
出典: [April Dunford 公式サイト](https://www.aprildunford.com/)

彼女のキャリアの原点が、とても示唆に富んでいます。

エンジニアリングを学び卒業した後、あるスタートアップに入社した彼女が最初に任されたのは、「Microsoft Accessキラー」と銘打って開発されたデータベース製品のマーケティング。でも、その製品はどれだけ頑張っても200本しか売れず、もう打ち切り寸前だった。

打ち切りの前に、購入者に電話をかけて使用状況を確認することになった。新人だった彼女がその仕事を任され、100人に電話をかけたそうです。

結果は残酷でした。100人中94人が「それ、買ったっけ?」という反応。完全に忘れ去られていた。

ところが、残りの6人が違った。ある投資銀行の担当者は、こう叫んだそうです。「あなたたちの製品のおかげで、僕は営業チームのヒーローになった!」と。

何が起きていたか。その投資銀行では、営業マンが顧客先を訪問して紙で注文を取り、オフィスに戻ってからシステムに手入力していた。ミスや漏れが頻発し、営業効率は最悪だった。そこに、この製品のSQL機能──ノートPCにデータベースを搭載し、外出先でもデータを入力・同期できる──がはまった。売上は倍増し、担当者から感謝されていたわけです。

製品は変えていない。変えたのは「置き場所」だけ

この発見を受けて、チームは製品の位置づけを変更しました。

「Microsoft Accessキラー」 → 「モバイルデバイス向け組み込みデータベース」

製品そのものは一行もコードを変えていない。変えたのは「誰のための、何を解決する製品なのか」という定義だけ。結果、製品は爆発的に成長。1年後には大手データベース企業に買収され、20年以上経った今でも世界中のモバイルデバイスで稼働し続けている。

商品は同じ。変えたのは「置き場所」だけ。

この話を知ったとき、僕は水産業界にいた頃のことを思い出しました。まったく売れなかった魚が、名前を変え、売り場を変え、調理法を添えた途端にバカ売れしたケースを何度も見てきた。「深海魚」じゃ誰も手を伸ばさないけど、「白身魚のムニエル用」としてレシピカード付きで売ったら行列ができる。ものの本質は変わっていないのに、です。

ホームページでも同じことが起きています。あなたの商品・サービスが売れないのは、品質が悪いからではない。ホームページ上での「置き場所」──つまりポジショニングが間違っているだけというケースが本当に多い。

ポジショニングとは「文脈を設計すること」

エイプリルはポジショニングについて、面白い比喩を使っています。映画のオープニングシーンのようなもの、だと。映画の冒頭数分で、舞台はどこか、時代はいつか、主人公はどんな状況にいるのか──観客の頭の中に「文脈」がセットされる。その文脈があるから、その後の展開を正しく理解できる。

ホームページも同じ。訪問者がサイトを開いた瞬間に、「これは誰のための」「どんな問題を解決する」サービスなのか、という文脈が瞬時に伝わらなければ、どんなに素晴らしい内容を書いても、そこまで読んでもらえない。

たとえば、あなたの会社が「CRM(顧客管理ツール)」を販売しているとします。訪問者はまず「セールスフォースと何が違うの?」と頭の中で比較を始める。この文脈の中であなたが勝てないなら、最初から勝負の土俵が間違っているんです。

でも、もし「投資銀行の人脈営業に特化した顧客管理ツール」とポジショニングを変えたら? 比較対象がまるで変わり、刺さる相手の顔が一気に見えてくる。

この話は、ポッドキャストの第54回「ポジショニングはブランディングではない!エイプリルダンフォードに学ぶ戦略」でも話しています。

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