バーナム効果を使ったマーケティング活用とメッセージ事例

バーナム効果を使ったマーケティング活用とメッセージ事例

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バーナム効果とは簡単に言えば、「誰にでも当てはまるような曖昧な表現」を使って、「なんだか自分のことをよくわかってくれている」と感じさせる心理効果のこと。これを知っているかどうかで、顧客に”刺さる”メッセージが作れるようになるだけでなく、騙されるリスクも軽減できるでしょう。

僕はこれまで多くのWEBサイトやコンテンツでこの効果を活用してきましたが、その効果は絶大です。たとえばホームページで「こんなお悩みありませんか?」というセクションをよく見かけますね。そこでの最大の目的は、何だと思いますか?

商品/サービスを「私のためのものだ!」と感じてもらうことです。

そんなとき、効果的な訴求を作るのにバーナム効果は大活躍するんですね。この効果を取り入れれば、さりげなく幅広い人に刺さるメッセージが作れるようになります。特定のターゲット層を狙っているように見えて、その周辺の属性の人にまで影響力のあるメッセージになるわけです。これは、ホームページだけではなく、広告やDM、セールスなど、マーケティングのあらゆる場面で活用できるテクニックといえるでしょう。

今回は、そんなバーナム効果について、具体例を紹介しながら、実践で活用できるようにお伝えしていきます。

目次

バーナム効果がなぜマーケティングに有効なのか

バーナム効果なんて、ただの心理トリックでしょ?と思った方、侮るなかれ。

マーケティングで活用する価値は大いにあります。実際、血液型占いや動物占い、星占いは、まさにこのバーナム効果のオンパレード。たとえば、ある雑誌の山羊座の欄にはこうありました。

あなたはとても真面目だけれど、時々自分に自信が持てなくなることがある

山羊座の僕は、思わず「おお、まさに僕のことじゃないか!」と膝を打ちました。でもこれ、まさにバーナム効果。もし、あなたが乙女座で同じことをいわれても「自分のことかな…」と思いませんか?

バーナム効果の汎用性

バーナム効果の心理テクニックが素晴らしい点は、具体的な内容を伝えすぎずに「自分にあてはまる」と思わせられるところです。つまり、具体的すぎると、そのメッセージが一部のターゲットには当てはまらなくなってしまうリスクがありますが、少し曖昧な言葉なら、多くの人が「これは私にぴったりかも」と自然に思い込みやすいんですね。まるでターゲット顧客に一人ずつ「あなたのためのサービスです」と言っているかのような印象を与えられるわけです。

マーケティングの工程では、ターゲット顧客に「自分のためのサービスだ!」と思わせることが、極めて重要です。ホームページに限らず、広告やDM、セールスにおいて、それができれば、成約までの距離を大幅に縮めることができるでしょう。バーナム効果を駆使すれば、それがラクになります。

次のセクションでは、具体的にどのような言葉や表現を使えばいいのか、税理士サービス、宅配ピザ店、EC専門コンサルティングといった実際の事例で紹介していきますね。

業種別のバーナム効果活用事例

ここからは、事例として、バーナム効果をどう活用するかを見ていきましょう。ターゲットに「これは自分のためのサービスだ」と感じてもらうためには、それぞれのビジネスに合わせたメッセージ作りが重要です。今回は、税理士サービス、宅配ピザ店、EC専門コンサルティングの3つの事例をもとに考えてみましょう。

税理士サービスにおけるバーナム効果の活用事例

税理士サービスにおいて、バーナム効果を活用することによるゴールは、「この税理士なら自分のビジネスの悩みを理解してくれる!」と思わせることでしょう。その場合、事業者がふだん抱える税務や経理のストレスを共感できるような表現を使うと効果的です。

メッセージ例:

  • どんな事業でも税務の悩みは尽きません。あなたのビジネスに合ったサポートで、安心と効率を提供します。
  • 複雑な税務処理に追われていませんか?経営者の多くが抱える不安を、私たちが一緒に解決します。

ポイントは「どんな事業でも」「多くの経営者が感じる」といった幅広い共感を得やすい言葉を用いること。曖昧すぎたり、使い古されていると効果は半減するので、その匙加減は調整が必要です。これが上手くはまると、ターゲット属性の人に「自分のビジネスにも合う」と感じてもらえるメッセージを作ることができます。

ちなみに、バーナム効果は「安心を得られる」イメージとセットで訴求すると、信頼感が高まりやすくなります。

宅配ピザ店の場合

次に、宅配ピザ店で考えてみます。お店の特徴によって、訴求軸が変わりますので、ここでは、誰にでも「自分好みのピザが見つかる」と感じてもらうことが、ゴールとします。切り口はさまざまですが、手軽な価格帯だと想定すると「どんな気分のときにもぴったりのピザがある」と思わせるメッセージが効果的かもしれません。

メッセージ例:

  • あなたの今日の気分にぴったりの一枚がきっと見つかる。家族でも友達とでも、一人でも楽しめるバラエティ豊かな本格ピザ。
  • うれしい日も、ちょっと寂しい夜も、どんな時でも、〇〇のピザがあなたの食卓に笑顔を届けます。

「今日の気分にぴったり」や「どんな時でも」といった曖昧で広がりのある表現を使うことで、誰でも「自分の好みに合うピザがある」と感じられるようにします。ターゲットが自分の生活にこの宅配ピザ店がマッチするイメージを持てるようにすると、来店のきっかけをつくりやすくなるでしょう。

EC専門コンサルティングの場合

コンサルティングといっても幅が広いので、ここではEC専門コンサルティングとしますね。その場合、「あらゆるEC事業に特化したプロフェッショナル」として信頼を得ることが大切になるでしょう。EC業界特有の課題やニーズにフォーカスすることで、ターゲットに「自分の事業にも役立つはず」と思ってもらいやすくなります。

メッセージ例:

  • あなたのECサイトに眠る可能性を最大限に引き出す、専門知識に基づいたアドバイス。初めての方も、経験者の方も、一歩先へと導きます。
  • EC特有の課題を知り尽くした専門コンサルタントが、売上アップへの道筋を一緒に描きます。商品が増えても、取引が複雑になっても、安心してお任せください。
  • すべてのEC事業が直面する課題に対応し、あなたのネットショップが抱える独自の問題も、個別に解決へと導きます。

「初めての方も、経験者の方も」というフレーズで、どのステージの事業者にも響くようにしたり、「EC特有の課題」「ECに携わる皆さま」といったフレーズを活用することで、幅広いEC事業者に共感してもらいやすくしつつ、自社の専門性も感じてもらえるようと良さそうです。「自分に合ったサポートが受けられる」と感じさせることができれば、成功。コンサルティングの柔軟性を強調しつつ、個別対応への期待感も高めることで、多くの顧客に「自社にぴったりのサービスだ」と思わせることができるでしょう。

バーナム効果を使用する際の注意点

バーナム効果は便利なテクニックですが、使い方を間違えると、かえって逆効果になってしまうこともあるので注意してください。ここでは、顧客に「自分のためのサービスだ」と思ってもらいながら、不信感を与えないためのポイントをご紹介します。

曖昧すぎる表現を避けること

バーナム効果は、曖昧な表現がカギとなりますが、曖昧すぎると「なんだか怪しい」と感じさせてしまうリスクもあります。たとえば、「誰にでも合う完璧なサービス」なんてありませんよね。過度に万能な表現は、「本当にそんなサービスがあるのか?」と疑われがちです。メッセージにはあくまで「誰にでも当てはまりやすいけれど、具体的な状況にも対応できる」さじ加減が必要です。

信頼を高める具体例を添える

曖昧な表現だけでは、信頼性が弱くなるため、実際のサービス事例や顧客の声をセットで表現すると効果的です。たとえば、「業界を問わずサポートできる」といったメッセージだけでなく、「これまで〇〇業界や△△業界でも多くの実績があります」と具体的な業界や事例を示すことで、リアルな成果を伝えられます。信頼性の証拠を添えることで、顧客は「自分にとっても信頼できそうだ」と思いやすくなります。

無理に広げすぎない

バーナム効果を狙いすぎて、「誰にでも使える」「すべてに最適」といった表現を多用しすぎると、サービスの魅力がぼやけてしまいます。誰にでも受け入れられやすいメッセージをつくりつつも、自社サービスの特徴や強み、特定の顧客層に対する価値をしっかり伝えることで、他とは違う独自性も感じてもらえるでしょう。このバランスのとり方は、スキルと経験が必要だと思います。

共感を大切にする

バーナム効果の大切な要素のひとつは、「顧客に共感してもらう」ことです。曖昧なメッセージを使いながらも、ターゲット顧客が日ごろ感じている不安や課題、悩みに寄り添う言葉を添えることで、より一層の信頼を築くことができます。税理士サービスなら「税務のストレスを軽減し、ビジネスに集中できるサポート」など、顧客が抱える悩みに配慮した表現が効果的です。

まとめ:バーナム効果は「曖昧さ」と「具体性」のバランスが肝

バーナム効果は、簡単な心理テクニックですが、実はとても奥が深いのでは?と思っています。

実際に、ビジネスで応用してみるとわかりますが、一定の具体性がないと、顧客に”刺さる”訴求というのは作れません。曖昧で誰にでも当てはまりやすいメッセージと、ペルソナやカスタマージャーニーといった、顧客像から絞り出した個別のメッセージのバランスが絶妙な時に、バーナム効果はもっとも威力を発揮します。その匙加減は、ほんとうに難しい。業種業態によっても違いますし、ターゲットの属性や、そのビジネスの提供価値によっても調整が求められます。つまり、かなり高度なスキルが必要です。

とはいえ、占いの事例をでもわかるように、バーナム効果はどの業種でも応用可能です。こういう心理テクニックがあるんだと知っておくだけでも、効果的なメッセージ作りが可能になるのではないでしょうか。ホームページでも、広告やDMでも、セールスでも、顧客に「まさに自分のためのサービスだ!」と思ってもらえれば、成約のハードルはグッと低くなります。

バーナム効果を活用するポイントは、「曖昧さ」と「具体性」のバランス。あまりに抽象的すぎると信頼感を損ねる可能性があるので、実績や顧客の声などをうまく組み合わせながら「曖昧さのなかにリアリティを持たせる」ように意識してください。そうすることで、ターゲット顧客が「自分に合ったサービスだ」と自然に感じやすいメッセージが作りやすくなるでしょう。

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