ホームページにおけるエビデンスとは?|証拠になる6つと置く順番

ホームページにおけるエビデンス。証拠は共感のあとに

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証拠は、並べるほど信用されるわけではありません。

最近は、どの会社のホームページを開いても、「実績◯件」「満足度◯%」「お客様の声」が並んでいますね。

それでも、「実績もお客様の声も載せているのに、問い合わせが増えない」というホームページは、珍しくありません。

僕が見てきた範囲では、証拠そのものが足りないケースは多くありません。多いのは、証拠を出す順番と場所が、お客さんの気持ちの流れと合っていないケースです。

答えから書きます。ホームページのエビデンス(証拠・根拠)は、研究データや統計のことだけではありません。僕は、お客さんがその商品・サービスを利用するための理由のことだと、広く考えています。

そしてその証拠は、「この会社は自分のことを分かってくれている」と思ってもらったあとに置いて、はじめて読まれます。

僕はこれまで、400件以上のホームページの制作・支援に関わってきました。この記事では、ホームページで証拠になる6つのものと、置く順番、よくある5つの失敗を、東京・新宿でYouTubeの企画と制作をしているユチュブるさんの実例と一緒に紹介します。

目次

ホームページのエビデンスは「お客さんが頼む理由」のこと

エビデンスは「証拠」「根拠」という意味の言葉

エビデンスは、英語で「証拠」「根拠」という意味の言葉です。

日本では、医療の話でよく耳にします。厚生労働省の「統合医療」情報発信サイト(eJIM)は、「根拠(エビデンス)に基づく医療」を、最良の根拠を思慮深く活用する医療のこと、と説明しています。

ここで言う根拠は、治療を選ぶときに頼りにする、研究の結果やデータのことです。

説得力のあるホームページを作るときにも、エビデンスは欠かせません。

ただ、ホームページの場合は、科学的な根拠に限らず、もっと広く「その商品・サービスを利用するための理由」と捉えたほうがいい、と僕は考えています。

研究のデータを持っている会社は、ごく一部です。でも、「ここに頼んで大丈夫だ」と思ってもらえる理由なら、どの会社にもあります。

自分で言う「おいしい」より、ほかの人が言う「おいしい」

たとえば、お客様の声です。

魚屋さんが「このホタテおいしいよ!」とすすめるより、「漁師がこっそり持って帰るホタテなんです」と言われたり、「10人中10人が甘いと叫んだホタテ」と書いてあったりするほうが、本当においしいんだろうな、と思いますよね。

売っている本人の言葉に、ほかの人の目が入ったからです。

SNSで、知っている人や信頼している人が商品を紹介しているのを見て、欲しくなるのも同じです。知らない会社の広告より、信頼している人のひとことのほうが、ずっと強く届きます。

お客様の声も、信頼している人の紹介も、まとめて「エビデンス」と捉える。そうすると、自分のホームページに何があって、何が足りないのかを整理しやすくなります。

証拠は「信用しない」の壁を越えるためにある

僕は、ホームページで成果を出すには、3つの壁を越える必要があると考えています。「見ない・読まない」「信用しない」「行動しない」の3つです。

初めてホームページを開いた人は、書いてあることを、最初からは信用していません。会ったこともない会社なので、当たり前です。

証拠の役目は、この2つ目の壁を越えてもらうことです。会社のすごさを見せるためではなく、お客さんの「本当かな」に答えるために置く。ここを取り違えると、あとで書く失敗が起きます。

3つの壁については、こちらの記事で詳しく書いています。

ホームページで証拠になる6つのもの

「ホームページで証拠になるもの」という見出しの図解で、青の枠が3つ並び、「お客さんの言葉」(吹き出しと星)、「数字と事例」(棒の並んだカードとメダル)、「人と進め方」(顔写真の入った名札と、線でつながった3つの丸)と書かれている。下の帯に「頼む理由は、どの会社にもある」。

では、何が証拠になるのか。僕がホームページを作るときに、必ず探すものは6つあります。

ホームページで証拠になる6つのもの
  • お客様の声(頼む前の悩みと、頼んだあとの変化)
  • 数字で言える実績(件数・年数・回数)
  • 事例(誰の、何が、どう変わったか)
  • 第三者からの評価(クチコミ・紹介・掲載・受賞)
  • 資格・許認可・所属している団体
  • 顔と名前、仕事の進め方

全部そろえる必要はありません。ご自分の会社にどれがあるかを思い浮かべながら読むと、足りないものが見えてきます。

1. お客様の声|頼む前の悩みと、頼んだあとの変化

いちばん身近で、いちばん強い証拠です。

ただし、「丁寧に対応してもらえました」「満足しています」だけでは、読んだ人の判断材料になりません。読む人が知りたいのは、自分と同じような人が、頼む前に何に困っていて、頼んだあとどうなったか、です。

僕は、ホームページを作るお客さんに、いまのお客さんへ次の5つを聞いてもらうようお願いしています。聞く順番も、このとおりです。

  1. どんな悩みやきっかけで、情報を探しましたか
  2. どうやって、うちを見つけてくれましたか
  3. なぜ、ほかではなく、うちに決めてくれましたか
  4. 利用してみて、何がどう変わりましたか
  5. ほかに、どんなサービスがあったらいいと思いますか

直接聞ければいちばんですが、アンケートに書いてもらう形でもかまいません。

1つ目の答えは、これから来るお客さんの悩みそのものです。3つ目の答えには、自分では気づいていない「選ばれる理由」が出てきます。

掲載の許可をもらうときに、お名前、年代、顔写真まで出してもらえるか、あわせて聞いてみてください。全員でなくて大丈夫です。顔と名前のある声は、それだけで読む人を安心させます。

2. 数字で言える実績|件数・年数・回数

「多くのお客様にご利用いただいています」より、たとえば「これまで320件」のほうが伝わります。

「実績多数」「頑張っています」のような言葉は、裏づけになる数字が無いことの裏返しに見えてしまいます。数えられるものは、数えて書きます。

創業からの年数、これまでの件数、くり返し利用してくれた回数、資格を持つスタッフの人数。数えてみると、書けるものは意外とあります。

数字が小さくても、気にしなくて大丈夫です。「開業2年、これまで41組」と書いてあれば、読む人はその大きさのまま受け取ってくれます。

3. 事例|誰の、何が、どう変わったか

数字が「どれくらい」を伝えるものだとすると、事例は「自分の場合はどうなるか」を伝えるものです。

自分と同じような立場の人がうまくいった、という事実は、何よりも強い証拠になります。だから事例は、成果が大きい順ではなく、来てほしいお客さんに近い順に選びます。

書くのは3つだけです。頼む前はどんな状態だったか。何をしたか。頼んだあと、どう変わったか。

数字で言えない変化でもかまいません。「前は電話で30分かけて説明していたことを、聞かれなくなった」のような変化は、数字と同じくらい読む人に伝わります。

4. 第三者からの評価|クチコミ・紹介・掲載・受賞

Googleマップのクチコミ、SNSでお客さんが書いてくれた感想、雑誌や地域の情報サイトへの掲載、受賞。どれも、自分以外の人が言ってくれたことです。

ホタテの話と同じで、売っている本人が言うより、ほかの人が言うほうが信じてもらえます。

自社サイトに置けるものは、置いておきます。掲載された記事へのリンク、受賞した年と賞の名前、Googleマップのクチコミへの案内などです。

もう1つ。自社サイト以外の場所で会社の名前が挙がっていることは、ChatGPTなどのAIに会社名を出してもらううえでも大事になってきた、と僕は見ています。

5. 資格・許認可・所属している団体

国家資格、業種ごとの許可や登録の番号、加盟している協会。持っている側にとっては当たり前すぎて、ホームページに書き忘れていることがあります。

初めてのお客さんにとっては、「ちゃんとした会社だ」と分かる、いちばん手早い材料です。

書くときは、正式な名前と番号で書きます。「各種資格あり」では、証拠になりません。

6. 顔と名前、仕事の進め方

最後は、人です。

代表やスタッフが顔を出して、自分の言葉で話している。これも立派な証拠だと、僕は考えています。

とくに、商品やサービスの中身でほかと差をつけにくい業種では、「誰がやっているのか」が選ぶ理由になります。顔を出すのをためらう会社が多いぶん、きちんと出していること自体が評価されます。

代表のメッセージは、ありきたりなあいさつより、自分の過去を話しながら「なぜこの仕事をしているのか」を書くほうが伝わります。

申し込みから終わりまでの流れ、料金、よくある質問も、この仲間です。どう進むのかが先に分かることが、「頼んでも大丈夫そうだ」という安心になります。

証拠は、共感のあとに置く

いきなり証拠を出されると、人は身構える

ここからが、順番の話です。

そもそも、ホームページで証拠が必要になるのは、お客さんの悩みや望みに対して解決の提案をして、申し込みにつなげるためです。お客さんの気持ちの流れに沿って置かないと、嫌味になることがあります。

たとえば、ページを開いたとたんに、こう書いてあったらどうでしょう。

あなたが困っている◯◯は、××が原因です。これは△△大学の教授の研究で明らかになっており……

まだ、心の準備ができていませんよね。

服を見ようとお店に入ったとたん、店員さんに話しかけられたことはありませんか。まだ何も見ていないのに「こちら、今季いちばん売れているんですよ」と言われると、つい「見てるだけです」と答えて、一歩引いてしまいます。

店員さんの言っていることが本当かどうかは、関係ありません。聞く気持ちになる前に差し出された情報は、中身を考えるより先に、受け流されます。

人は感情で決めて、あとから理屈で納得する、と僕は考えています。証拠は、その「納得」のための材料です。だから、気持ちが動く前に出した証拠は、読まれません。

新・PASONAの法則で、証拠の順番を確かめる

お客さんの気持ちの流れに沿って考えるのに、ちょうどいい型があります。マーケターの神田昌典さんが考えた「新・PASONAの法則」です。売れる文章の順番を、6つの頭文字でまとめたものです。

  1. Problem(問題):お客さんが抱えている悩みを、はっきり言葉にする
  2. Affinity(親近感):同じ痛みや望みを分かっている、と伝える
  3. Solution(解決策):解決できる方法があることを示す
  4. Offer(提案):具体的な商品・サービスと条件を出す
  5. Narrow down(絞り込み):どんな人に向いているかを絞る
  6. Action(行動):申し込みや問い合わせをお願いする

この順番に沿って書くと、読む人の気持ちに無理がありません。

証拠がいちばん必要になるのは、3つ目のSolution(解決策)のところです。「この方法で解決できます」と言われた瞬間に、人は「本当かな」と思うからです。

解決策を、ページのいちばん上に持ってくるやり方もあります。ただ、それがうまくいくのは、誰もがすぐにイメージできる商品・サービスであるとか、価格が圧倒的に安いとか、そういう場合に限られます。

高額な商品・サービスであればあるほど必要になるのは、2つ目のAffinity(親近感)です。僕は、親近感というより「共感」と考えています。

共感を飛ばしたところに、エビデンスも何もありません。どれだけ立派な証拠でも、「この会社は自分のことを分かっていない」と思われた時点で、読まれなくなります。

トップページで証拠を置く3つの場所

「証拠を置く3つの場所」という見出しの図解で、3つの枠が矢印でつながっている。「ひとことの実績」は「最初の画面のそば」、「事例とお客様の声」は「解決策のあと」、「流れ・料金」は「ボタンの手前」。下の帯に「迷う場所に、答えを置く」。

では、具体的にどこへ置くか。僕がトップページを組むときは、証拠を3か所に分けて置きます。

証拠を置く3つの場所
  • 最初の画面のすぐ近く:ひとことで言える実績を、短く
  • 解決策の説明のすぐあと:事例とお客様の声を、詳しく
  • 問い合わせボタンの手前:流れ・料金・よくある質問で、不安に答える

1か所目は、最初の画面のすぐ近くです。ここで長い説明はしません。誰のための会社かが分かる言葉のそばに、「創業◯年」「◯件」のような、ひとことで言える実績を添えるだけです。

2か所目が、いちばん厚く置く場所です。「こうやって解決します」と説明したすぐあとに、事例とお客様の声を置きます。読む人が「本当かな」と思う、ちょうどその場所だからです。

3か所目は、問い合わせボタンの手前です。ここまで読んだ人の頭にあるのは、「頼んだら、このあとどうなるんだろう」「いくらかかるんだろう」という不安です。流れ、料金、よくある質問が、その答えになります。

駅の案内板は、ホームの端ではなく、通路が分かれる場所に立っていますよね。迷う場所に答えがあるから、役に立ちます。証拠も同じで、お客さんが「本当かな」と立ち止まる場所に置きます。

「お客様の声」のページを別に作って、そこにまとめてある会社は多いと思います。それはそのままでかまいません。そのうえで、関係するサービスの説明のすぐ下にも、1つだけ抜き出して置くのがおすすめです。

人を動かす3つの要素|共感・数字・権威を置く順番

ここまでの話を3つの言葉にまとめます。僕がホームページを作るとき、人を動かす要素として意識しているのが共感・数字・権威の3つです。

  • 共感:「この会社は、自分のことを分かってくれている」と思ってもらうこと
  • 数字:件数や年数のように、数えられる事実で「本当かな」に答えること
  • 権威:資格や許可、掲載や受賞のように、ほかの人や団体が認めてくれた事実で数字を補うこと

さきほどの6つで言うと、数字は「2. 数字で言える実績」、権威は「4. 第三者からの評価」と「5. 資格・許認可・所属している団体」に当たります。

置く順番は、この並びのとおりです。数字や権威から始めない。最初の画面でも、先に来るのは「誰の、どんな悩みのための会社か」で、数字はそのそばに1つ添えるだけにします。

共感は、文章だけで作るものではありません。写真や色、ページの並び方も、読む人が「自分に向けたページだ」と感じるかどうかに関わります。僕が確かめるのは、次の3つです。

  1. 来てほしいお客さんが、ふだん使う言葉で書いているか
  2. そのお客さんがふだん見ているページと、かけ離れた並び方になっていないか
  3. そのお客さんが苦手そうな色を、目立つ場所に使っていないか

そして、共感の前にやることがもう1つあります。誰のための会社なのかが決まっていなければ、共感の言葉は書けません。来てほしいお客さんを、顔が浮かぶくらいの1人に絞るところからです。

1人に絞って、その人の本音を探す手順は、こちらの記事にまとめています。

実例|ユチュブるさんは、約束のすぐ下に、その証拠を置いた

「売上が増えるYouTube」という約束と、成約の金額

株式会社ユチュブるさんは、東京・新宿でYouTubeの企画・撮影・編集・運用をしている会社です。代表の春名さんから、ホームページのリニューアルをお任せいただきました。

リニューアル前の課題を、春名さんは対談でこう話しています。営業のメールが多く、問い合わせが来ても、少し話して終わってしまうものが多かった、と。

春名さんご自身の仕事には、はっきりした実績があります。たった4本の動画が、1億1,800万円の不動産の売買契約につながった。568万回再生された動画もある。どちらも、春名さんが動画の仕事で出した数字です。

証拠は、すでに十分ありました。考えたのは、順番です。

僕の聞き取りは、だいぶ細かいようです。春名さんにも「想像の何倍も細かくて」と言われました。幼いころから順に話を聞いて、春名さんがまだ言葉にしていなかった思いや強みを、いっしょに掘り出していきました。

春名さんの会社のいちばんの特徴は、再生回数ではなく、お客さんの売上を伸ばすところに重点を置いていることです。そこで、トップページの最初の画面には、こう書きました。

チャンネル登録数ではなく、売上が増えるYouTubeを。

再生数を追いかけるのはやめましょう。あなたが欲しいのは売り上げのはず。

会社でYouTubeを任されている人が、口には出さずに思っていることです。最初の数行で、「この会社は、自分が本当に欲しいものを分かっている」と伝える。共感は、長い文章でなくてもできます。

そのすぐ下に、数字の実績を置きました。いちばん先に目に入るのは、再生回数ではなく、「たった4本の動画で、1億1,800万円」という成約の金額です。

約束が「売上」なので、最初に見せる証拠も「売上につながった数字」にする。証拠は、直前の約束を裏づけるものから見せる、ということです。

さらに読み進めると、その成約をしたお客さんと春名さんの対談動画が出てきます。まず数字で「実績のある会社だ」と分かってもらい、そのあと、お客さん本人が話している映像で確かめてもらう順番にしました。

春名さんは、できあがったホームページについて、対談でこう話してくれました。

独自性も入れつつ、ちゃんと実績も分かる形で、思いや考えを言語化して載せていただいてるのはありがたいです。

何が言いたいかというと、実績と思いは、どちらか片方では足りない、ということです。実績だけを並べると「すごい会社だな」で終わります。思いだけを書くと「いい人そうだな」で終わります。両方がそろって、はじめて「この人に頼みたい」になります。

公開から2か月たたないうちに、狙っていた相手から問い合わせが来た

公開から2か月たたないうちに、医療系の大きな協会から、ホームページ経由で問い合わせが入りました。対談を撮った日の午前中が、ちょうどその打ち合わせだったそうです。

しかも、作る前に「こういう人に来てほしい」と決めていたとおりの相手でした。担当者の立場の、女性の方です。

問い合わせの中身も変わりました。以前は「ちょっとだけ聞いてみよう」「とりあえず連絡してみよう」というものが多かったのが、「お願いしたいです」という前提で来るようになった、と春名さんは話しています。

すごいですよね。作る前に決めた相手から、決めたとおりの問い合わせが来る。作り手としては、いちばんうれしい結果です。

実績の数字だけを最初の画面に大きく並べていたら、こうはならなかったと僕は思っています。数字が大きいほど、「うちのような会社が頼んでいいのかな」と引いてしまう人も出てくるからです。

東京・新宿のYouTube企画制作、ユチュブるの春名さんとの対談は、動画でも見られます。

春名さんが、ぞろ屋に決めるまでに見ていたもの

もう1つ、この対談で僕が面白いと思ったのは、春名さんがぞろ屋を選んでくれた理由です。

春名さんは、ホームページの制作会社を検索で探していました。その中でぞろ屋が出てきたとき、以前ココナラのランキングで見かけたのを思い出して、「あの人だ」となったそうです。

そのあとYouTubeを見て、相談してみようと思った。決め手は、話しやすさと連絡のこまめさ、それから、何十枚にもわたる戦略レポートだった、と話してくれました。

ランキングは、第三者からの評価です。YouTubeは、顔と話し方です。戦略レポートは、仕事の進め方そのものです。

春名さんは、ぞろ屋のホームページに書いてある実績だけを見て決めたわけではありません。お客さんは、自社サイトだけでなく、自社サイト以外の場所でも、証拠を確かめてから決めています。

証拠の出し方でよくある5つの失敗

失敗1|共感より先に、証拠から始めてしまう

最初の画面が、「満足度◯%」「受賞歴」「メディア掲載」のマークで埋まっているホームページがあります。

誰のための、何の会社なのかが分かる前に証拠が並ぶと、読む人には自慢に見えます。お店に入ったとたんに話しかけてくる店員さんと同じです。

まず、誰のどんな悩みのための会社かを書く。証拠は、そのそばに1つ。残りは、解決策の説明のあとに回します。

失敗2|「高品質」「安心」「丁寧」と、自分で言っているだけ

ほめる言葉は、書くのは簡単ですが、証拠にはなりません。どの会社も同じことを書いているからです。

数えられるものは数字に、数えられないものは場面に置き換えます。

言っているだけの文(例):経験豊富なスタッフが、丁寧に対応します。

証拠がある文(例):この道18年のスタッフ3人が担当します。初回のご相談では、まず1時間、お話を聞くだけの時間をとっています。

2つ目の文は、「経験豊富」とも「丁寧」とも言っていません。それでも、読んだ人にはそう伝わります。

失敗3|お客様の声が「よかったです」だけになっている

「とても満足しています。ありがとうございました。(A.Kさん)」

悪いことは何も書いてありません。ただ、誰が、何に困っていて、どうなったのかが分からないので、読む人は自分に重ねられません。

原因は、聞き方にあります。「感想をお願いします」と頼むと、こういう声が返ってきます。先に書いた5つの質問の順番で聞くと、頼む前の悩みから書いてもらえます。

失敗4|証拠が古いまま、1か所にまとめたきりになっている

お客様の声のページを開くと、いちばん新しいものが3年前。実績の数字も、ホームページを作ったときのまま。

古い証拠は、「いまは、どうなんだろう」という疑問を生みます。

ホームページに時間をかけられないなら、お客様の声と実績・事例だけでも更新する。僕は、お客さんにそうすすめています。積み重ねた分だけ、あとから読む人の判断材料が増えていくからです。

それから、専用のページに置くだけで終わりにしないこと。先に書いたとおり、関係する説明のすぐ下にも置きます。

失敗5|声を作る、数字を盛る、頼んだことを隠す

最後は、やってはいけないことです。

ホタテの話に戻ります。「10人中10人が甘いと叫んだ」は、本当に10人に食べてもらって、10人がそう言った場合にだけ書ける言葉です。証拠は、本当であることが大前提です。

法律の面でも、決まりがあります。2023年10月1日から、広告なのに広告であることを隠す表示、いわゆるステルスマーケティングは、景品表示法違反になりました。消費者庁の説明では、規制の対象になるのは、商品・サービスを供給する事業者の側です。

お客様の声やクチコミに関係するところを、消費者庁の「ステルスマーケティングに関するQ&A」から2つ挙げておきます。

  • 割引などと引き換えにクチコミの投稿をお願いするとき、「星5をつけること」を条件にすると、そのクチコミは、事業者が内容を決めた表示(事業者の表示)に当たると考えられる(Q6)
  • アンケートの回答を「お客様の声」として自社のホームページに載せるとき、好意的な回答だけを選んで引用する場合は、事業者の表示に当たると考えられ、事業者の表示であることをはっきり分かるようにしておく必要がある(Q10)

2つ目は、多くの会社に関係する話だと思います。お客様の声の場合に、どう書けば「はっきり分かる」ことになるのか、具体的な書き方の例は、このQ&Aには出ていません。迷ったら、消費者庁のQ&Aを直接読んで、必要なら専門家に確認してください。

効果や性能を数字で書くときにも、気をつけたいことがあります。景品表示法では、効果や性能の表示について、消費者庁が事業者に、裏づけとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます。「いつ、誰が、何を調べた結果なのか」を自分で説明できない数字は、載せないほうが安全です。

僕も、実績の数字を書くときは、元の記録やお客さんの言葉までさかのぼって確かめてから書くようにしています。

まとめ|証拠は「頼む理由」。共感のあと、迷う場所に置く

  • ホームページのエビデンスは、研究のデータに限らない。お客様の声、数字の実績、事例、第三者からの評価、資格、顔と仕事の進め方の6つが、お客さんの「頼む理由」になる
  • 証拠は、共感のあとに置く。最初の画面のすぐ近く、解決策の説明のすぐあと、問い合わせボタンの手前の3か所に分ける
  • 自分で言っているだけ、声があいまい、古いまま、盛る・隠す。この失敗を避ける

東京・新宿のユチュブるさんは、「売上が増えるYouTubeを」という約束のすぐ下に、成約の金額という証拠を置きました。公開から2か月たたないうちに、狙っていたとおりの相手から問い合わせが届き、問い合わせの中身も「お願いしたいです」という前提のものに変わっています。

今日やることは1つです。ご自分のトップページを開いて、最初の画面から問い合わせボタンまでのあいだに、証拠がいくつ、どこにあるかを数えてみてください。

そのうえで、最近のお客さん3人に、5つの質問を聞いてみる。返ってきた答えが、いまのホームページに足りない証拠です。

楽な作業ではないことも、書いておきます。お客さんに声をお願いするのは気を使いますし、断られることもあります。集めた声を選んで、許可をもらって、置く場所を考えるのは、文章を1ページ書くより時間がかかります。

それでも、やる価値はあります。春名さんは対談の終わりのほうで、こう話していました。

ホームページは資産になるんですよね。資産ってお金だけじゃなくて、一番大きいのは信頼です。

証拠を1つずつ足していくことは、お客さんからの信頼を、ホームページに積み上げていくことです。

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出典

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