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シロアリが出た、水漏れした、腰が痛い。
そういうとき、お客さんはこれまで、検索して出てきた会社を3つか4つ開いて、料金を見て、営業時間を見て、電話番号を控えていました。
その比較を、AIに手伝ってもらう場面が増えています。
AIに条件を伝えると、お店の候補や、その理由が返ってくることがあります。そこで大事になるのが、お店の情報を正確に伝えておくことです。営業時間やサービス内容が掲載先によって違えば、お客様も迷ってしまいます。
海外の検索マーケティング専門メディアSearch Engine Landに、ベヌ・アガーワルさんが寄稿した記事があります。地域集客の変化を「ローカル5.0」という考え方で整理したものです。Googleが発表した公式の段階名ではありません。
この記事では、その5段階が何を意味するのか、そして今日10分から始められる点検までを書きます。僕がAI検索の対策に取り組んできた現場の経験も交えて、地域のお店が確認したいことを3つに絞ります。
「ローカル5.0」で、地域集客の変化を考える


1.0から5.0まで、何が変わってきたか
アガーワルさんは、地域ビジネスの集客を次の5つに整理しています。新しい段階になったら前の取り組みを捨てる、という話ではありません。基本の上に、取り組むことが加わるイメージです。
1.0は、店舗情報の掲載。店名・住所・電話番号をそろえて、お店の基本情報を見つけてもらえるようにする段階です。
2.0は、地図での表示と口コミ。場所の近さや評判、店舗情報の充実にも取り組む段階です。
3.0は、地域ごとのページや記事。何人来たかに加えて、問い合わせや、かけた費用に見合う成果まで見る段階です。
4.0で、AIが間に入ってきます。お店を見つけたり、比較したりする場面で、AIが案内役になる段階です。
5.0は、お客様の質問の意図や、その地域・店舗の事情に合う情報を関連づけて伝える段階。店名だけでなく、「なぜこの条件に合うのか」の材料も整える、という考え方です。
注目点は、お客様の条件に答える情報があるか
たとえば「土曜日に利用できて、駐車場があるお店」を探す方を考えてみてください。
店名と住所だけでは、その質問に答えきれません。土曜日の営業時間や駐車場の案内も必要です。
アガーワルさんが注目しているのは、お客様がしていた情報の確認を、AIが担う場面が増えるという変化です。
ただ、すべてのAIが毎回同じ情報源を照合し、合格した会社だけを出す、と決まっているわけではありません。AIの答えに古い情報が混じることもあります。
だから、こちらがまずできるのは、必要な情報を正確に伝えることです。お客様が読んでも、検索サービスが読んでも、利用を判断する材料が見つかるようにしておきます。
この話は、ポッドキャストの第70回「ローカル5.0時代!お店選びの下調べはAIが段取りするようになった話」でも話しています。
アクセス数だけでは、AIでの見つかり方は分からない
サイトに来る前の比較にも目を向ける
経営者の側から見て難しいのは、お客様がサイトに来る前に、どこでどの候補を比べたのか把握しにくいことです。
問い合わせが減った、なら気づきます。アクセスが落ちた、も気づきます。
ところが、アクセス数だけでは、AIの回答に自分のお店が出ていたかまでは分かりません。「最近ちょっと静かだな」で終わらせず、サイトに来る前の案内も確かめたいところです。
たとえば、お客様が使いそうな質問でAIに聞いてみる。お店は出るか、営業時間は正しいか。質問と日付、使ったAIを記録しておくと、変化を追いやすくなります。
情報が食い違うと、人も判断しにくい
情報がそろっていることは、読む人の安心にもつながります。
新しい取引先と契約する前のことを思い出してみてください。
会社名で調べて、住所を確かめて、電話をかけてみる。書いてあることが全部そろっていれば、話は先に進みます。
でも、名刺の住所とサイトの住所が違っていたり、電話がつながらなかったりすると、そこで一度止まりますよね。悪い会社だと決めつけるわけではないけれど、確信が持てないから、いったん保留にする。
まず、人が安心して判断できる情報をそろえる。これは、AIの話が出る前から大事にしてきた基本でもあります。
AIの回答も一度だけで決めつけず、何回か確かめる。そのうえで、実際の問い合わせや来店の状況と合わせて見ていきましょう。
今日からできる3つのこと


ここからは、Googleの公式案内も確認したうえで、スモールビジネスが今日から手をつけやすい順番に、僕の提案を3つ書きます。
1 3か所の情報を横に並べて突き合わせる
自社サイト、Googleビジネスプロフィール、そして業種のポータルサイト。この3つを並べて、次の4つがそろっているか確かめてください。
社名の表記。住所の表記。電話番号。営業時間。
移転前の住所が残っていないか。電話番号は今も使えるか。定休日や祝日の営業時間は正しいか。まずは、お客様が困る食い違いを探します。
ハイフンの有無より先に、移転前の住所や、間違った営業時間を直す。Googleも店舗情報を正確かつ最新に保つよう案内しています。表記だけでなく、実際の情報が合っているかを見てください。
まず10分、3か所を並べてみる。全部の修正を終わらせる時間ではなく、食い違いを見つける時間だと考えると、手をつけやすいと思います。
2 電話でよく聞かれることを、サービスのページに書く
営業時間、駐車場の有無、対応エリア、料金の目安、支払い方法。
電話で毎回聞かれることが、おそらく5つか6つあるはずです。
それを、サービスページの中に、質問と答えの形で置いてください。詳しい説明が別のページにあるなら、そこへリンクする形でも大丈夫です。
電話をかける前に、「自分がお願いしたいことに対応しているか」が分かる。そのための説明です。質問と答えを書けば必ずAIに引用されるわけではありませんが、まず答えが見つかる状態にしておきましょう。
3 機械が読む「名札」を確認する
これは技術的な作業なので、制作会社さんにお願いすることになると思います。
構造化データとは、お店の種類・住所・営業時間などを、機械が読み取りやすい決まった形式で書く情報です。ページの説明に付ける「名札」のようなもの、と考えてみてください。
名札だけ立派でも、ページに書いてある営業時間と違っていたら困りますよね。大事なのは、本文と中身が合っていることです。
Googleは、AIによる概要(検索結果に出る、AIがまとめた答え)やAIモードに表示されるための、専用の構造化データはないと説明しています。重要な情報はページ上の文章で伝え、構造化データを使う場合はその内容と一致させます。
制作会社さんには「うちのサイト、構造化データは入っていますか。住所や営業時間は、画面の説明と合っていますか」と聞いてみてください。古い設定が残っていないかも、一緒に確かめられます。
期待値は、正直に書いておきます
「ローカル5.0」に対応したら、問い合わせが何%増える。アガーワルさんの記事に、そんな効果を示す数字はありません。
なので「やれば売上が何倍になります」という話ではありません。
もう一つ、冷静に見ておいたほうがいい数字があります。
セムラッシュが2025年1月〜12月の5万超のサイト・17業種を分析したレポートでは、AIツールからの流入比率は0.14%でした。Google AIモードは別集計です。2026年の日本のお店全体を測った数字ではないので、そこは分けて読んでください。
同じレポートで、AI経由の流入は2025年中に約66%増えています。別の調査には、AI経由の訪問が通常検索経由より成約率ベースで4.4倍の価値を持った、という報告もあります。ただし、こちらはマーケティング・SEO関連のテーマを扱う研究で、地域のお店ならどこでも同じになるとは限りません。
数はまだ小さく、伸びは見られる。けれど、自分のお店に何件の問い合わせが来るかは、別に確かめる必要があります。
まずは、正確な情報を届けるための整備です。AIへの表示だけを追うより、お客様が迷わず利用できるかを見ていく。僕は、その順番で取り組むのがよいと思っています。
まとめ
今日お伝えしたことを、3点に絞ります。
- 「ローカル5.0」は、AIが地域集客の間に入る変化を捉える考え方。Googleの公式制度ではない
- アクセス数に加えて、AIの回答でのお店の見つかり方や、案内される情報の正確さも確かめる
- 3か所の情報をそろえる、よく聞かれることを書く、構造化データと本文を一致させる。この3つから始める
情報の伝え方を見直した事例があります。京都のシロアリ駆除業者・ヤマト産業さんです。僕の案件記録では、改善前のホームページ訪問は100件、問い合わせは月1〜3件でした。
改善後の記録では訪問1,632件。中岡さんとの対談でも、シーズン期には毎日2〜3件の問い合わせが入り、そのほぼ全件が成約すると話されています。訪問数は集計期間を確認できていないため、参考値として紹介しています。
これはホームページのリニューアル事例で、AI検索対策だけの効果ではありません。僕がやったのは、何屋で、どこで、誰の何を解決するのかを、言葉と設計で作り直すことでした。今回の情報の整備にも、その考え方はつながります。
まずは今日、自社サイトとGoogleビジネスプロフィール、ポータルサイトを並べてみてください。店名、住所、電話番号、営業時間。10分、そこを確かめることから始めましょう。
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出典
- Search Engine Land「Local 5.0: The next evolution of local SEO is here」ベヌ・アガーワルさん(2026年8月18日)。Google公式のローカル検索順位の説明、AI機能とウェブサイトの説明も確認。
- Semrush「We analyzed billions of web visits: How AI is reshaping traffic channels」(2026年4月27日/2025年1月〜12月、5万超のサイト・17業種)。
- Semrush「We Studied the Impact of AI Search on SEO Traffic」(2025年7月21日/マーケティング・SEO関連の500超のテーマを扱う研究)。ヤマト産業さんの事例は、ぞろ屋の案件記録と中岡さんとの対談に基づきます。

