AI記事を増やす前に。Googleの発言と3つの確認

記事を増やす前に考える。AI量産 TOPICS。内田の写真を配置したぞろ屋ブログのサムネイル

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増やす前に、中身を見直す。

2026年9月7日、Googleのジョン・ミューラーさんが、ページを大量に作っていたサイトへの返信で、以前のページをもとにサイトへの信頼が失われている可能性に触れました。改善には、時間と相当な労力がかかる傾向がある、とも書いています。

AIで記事を大量に作れるようになって、実際に作り始めた会社は多いと思います。僕のところにも「AIで記事を月に何十本か出したい」という相談が来ます。

この記事では、ミューラーさんが何を言ったのか、そこがどう誤読されやすいのか、そしてページを増やす前に決めておくべきことを書きます。

先に言っておくと、これは「ページを増やすな」という話ではありません。ここを取り違えると、まじめに記事を増やしている会社の手を止めてしまいます。

目次

Googleのジョン・ミューラーさんが書いたこと

ページ数より読者への価値。似た内容や答えのないページを点検し、具体的な答えと経験・事例・根拠を添える。古さではなく中身を見直す

発言のポイントは3つ

相談の主は、ドメイン名や技術名などの組み合わせで、多くのページを作っていたサイトです。テンプレートでページを大量に作る「プログラマティックSEO」について、ミューラーさんはどう答えたのか。以下の囲みは、本人の投稿を日本語で要約したものです。

多くのページを作ることは簡単でも、読者に実際の価値を届けることは難しい。

作る難しさと、役に立つ難しさは別。AIを使うと、この差を忘れやすいと思います。

重いのは次の2つでした。

以前のページをもとに、そのサイトは十分な価値を提供していないとシステムが判断している可能性がある。

ここでいう「以前のページ」は、この相談者が作っていたページのことです。日付が古いだけで悪い、と言っているわけではありません。

改善するには、読者への価値を示し続けるための時間と、相応の労力がかかる傾向がある。

価値を示すために、時間と相当な労力がかかる傾向がある。ここは、サイトを運用する側として見過ごせません。

以前のページも含め、サイトの価値を見直す

ここが今回いちばん効くところです。

新しい記事だけを見ればよい、という話ではないんですね。以前からあるページも含めて、このサイトは読者の役に立っているか。そこまで見直す必要がある、と僕は受け止めています。

ただし、本人の言い方は「可能性がある」です。ここで確認したいのは、記事の日付ではなく、サイトが読者にどんな価値を届けているかです。

元の質問と返信は、ミューラーさん本人のBluesky投稿で確認できます。個別サイトへの助言を、すべてのサイトに当てはまる新しい罰則のように読まないことが大切です。

これは「ページを増やすな」という話ではない

僕がいちばん心配しているのは、この発言がひとり歩きすることです。

「Googleが記事の量産を否定した」と読んで、コツコツ記事を書いてきた会社が手を止めてしまう。これがいちばんもったいない。

Googleのスパムポリシーでも、読者を助けるためではなく、検索順位の操作を主な目的として、価値の乏しいページを大量に作る行為が問題とされています。AIを使ったかどうかだけで決まる話ではありません。

実際、記事を増やして成果が出ている会社はいくらでもあります。問題になるのは、中身を用意しないまま器だけ増やしたときです。

誤読すると、逆のことをしてしまう

ここを取り違えると、記事の本数を減らして、代わりに1本あたりを長くすればいい、と考えてしまいがちです。

でも、中身が薄いまま長くしても、薄いページが長くなるだけです。

見るべきなのは長さより、読者の疑問に、具体的に答えられているか。そこに自分の経験や事例を添えられると、一般的な説明だけでは伝わらないことも伝えられます。

いちばん重いのは、改善に時間がかかるという一文

3つ目の「時間と相当な労力がかかる」を、僕は今回いちばん重く受け止めました。

お店の評判を立て直すときも、看板を替えるだけでは足りません。お客様への対応を変えて、それを続けていく必要があります。時間をかけて価値を示す、という点では似ていると思います。

Googleのコアアップデートの公式説明にも、改善が数日で表れる場合と、サイト全体の変化が認識されるまで数か月かかる場合があると書かれています。直せばすぐ元通り、と見込んで進めるのは危ういわけです。

だから「後で直す」が効きにくい

ここが、AIで記事を増やすときにいちばん見落とされる点だと思います。

とりあえず大量に出しておいて、反応を見て後から質を上げる。その進め方だと、点検し直すページも増えます。改善が評価に表れるまでの時間も、こちらの都合では決められません。

出す前に決めておくほうが、結局は速い。

なぜ量に頼ってしまうのか。誰に何を言うかを決めていないから

僕は7年ほど前から、ホームページは設計が9割だと言い続けてきました。

当時、僕が相談を受ける中では、デザインの良し悪しや検索順位の話が中心になりがちでした。だからこそ、その前に設計の話をしてきたんです。

設計というと難しく聞こえますが、中身はひとつです。誰に何を言うかを、作る前に決めること。それだけです。

決めていないと、増やすことしか打ち手が残らない

誰に何を言うかが決まっていないサイトは、何を書けばいいかも決まりません。

だから、とりあえず関連しそうな言葉でページを作る。そのうち、増やすこと自体が仕事になっていきます。

量産に走ってしまう原因は、AIが使えるようになったからではないと思っています。決めていないから、増やす以外にやることが見つからないんです。

AIに出ることと、人が来ることは別

もうひとつ、判断材料になる数字があります。

セムラッシュが、米国の製造業・産業系のキーワード458語を、2026年1月から7月まで追いかけた調査です。AIによる概要(検索結果の上部などに出る、AIがまとめた答え)が表示される検索ボリュームの割合は、38%から57%へ増えました。検索回数の多い言葉ほど大きく反映した数字で、458語のうち57%という意味ではありません。

一方、同じレポートの流入調査では、AI検索ツールやAIアシスタント経由の訪問は0.48%でした。約8割を占めたのは、通常の検索と「直接流入」です。直接流入には参照元を判別できない訪問も含まれ、全員がURLを入力したわけではありません。

米国のこの業種の数字なので、日本の中小企業にそのまま当てはめることはできません。ただ、AIの答えに出ることと、実際にサイトへ来てもらうことは、分けて見たほうがいい。この調査は、その判断材料になります。

この話は、ポッドキャストの第73回「AIでブログを書く人は100人中92人。成果が出ていると答えたのは14人」でも話しています。

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