売りこまなくても売れる!高確率セールスの極意と手法

売りこまなくても売れる!高確率セールスの極意と手法

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神田昌典氏が監修している『売りこまなくても売れる!説得いらずの高確率セールス』(フォレスト出版)を読むと、営業、セールスに関する概念を大きく変わります。初版は2002年。16年前の本ですが、いま読んでも全く古くありません。

監修している神田氏は、こう言います。

この本は、生涯にわたって、大事にすべきである。収入アップしたい人は、少なくとも七回読んでほしい。

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目次

売り込まなくても売れる、高確率セールスとは

たとえば飲食店は「待ち」の商売だと言われますが、それでは環境に左右され、自分が主導権を握ることはできません。人口縮小社会で「待つ」だけの商売は、100年続かないことは明白です。

すると、お客様に来てもらう為、セールスする必要がある。また、一度、来店してくれたお客様にもう一度、来てもらう為にも、必要な概念です。

売りこまないセールスを、この本では『高確率セールス』といいますが、その基本概念は、「信頼関係」と「尊敬」

双方にそれを持てない場合、すっぱり決めます。あなたとは付き合えません、と。商品を買う気のないお客様にはセールスをしないのです。逆にいうと、有望なお客様にしかセールスをしないということ。売りこまないセールスは、この「望みの薄いお客様」を除外するところから始めます。

時間はコストであり、命である

望みの薄いお客さんに時間をかけるなら、有望なお客さんにかけた方が良い。それも、早い段階で見極めた方が、双方、時間を無駄にしません。だから、最初の1分で、聞くのです。

「この商品を希望なさいますか?それとも、なさいませんか?」と。

自己紹介+説明+同意は20秒で済ませる

そのオファーは20秒以内で、とあります。オファーとは、「自己紹介」+「商品・サービスの特徴説明」+「欲しいかどうかの確認」までを含む、顧客へのアプローチです。

売りこまないセールス「高確率セールス」においては、こんな感じです。

「高確率セールスの○○です。われわれは売りこまないセールスのトレーニングを提供しています。見込み客からの販売抵抗を減らす手法で、受講生の62%が半年で50%以上の売上増を達成しています。こういったトレーニングを行いたいですか?」

この際、商品紹介には、メリットを強調してはいけないと説きます。多くの場合、メリットを紹介しますが、「高確率セールス」ではメリットではなく、メリットを生み出している「特徴」を使います。理由は、特徴というは客観的な事実であるから。メリットは、主観的で個人的なことです。

その特徴は2つ用意するのが良い。統計データで裏付けられているそうです。20秒以内で、というのもそれが理由です。根拠があるのです。

常に相手のことを考えるセールス

セールスという仕事も、レストランの仕事も、常に相手のことを考えなくては成り立たない仕事です。どうすれば相手に選ばれるか、どうすれば相手は満足するのか、どうすれば相手の期待を上回れるのか、考えなくては繁栄はありません。

だから、相手のことを考えられなければいくらスキルを学ぼうと上手くいかない。売りこまなくても売れる高確率セールスでは、信頼関係と尊敬が基礎です。とはいえ、信頼とはどうすれば築けるのか、考えてみると、本を読んで出来るものではないよな、というのが正直な感想。

信頼とは、言葉の通り、信じて頼ること。似た言葉で、信用、がありますが、信用は、信じて任用すること。信用は過去の積み重ね、実績があって初めてできるものですが、信頼はこれから作っていく未来のことです。ですから、信用があって信頼がある。というのが順序です。ではどうすれば、信用されるか?それも、短期間で。

やっぱり、相手のことを考えられないとできないですよね。まず、相手に興味・関心を抱き、知ろうとすること。そのために質問すること。特に有効な質問は、相手の過去、特に思い入れのある事柄について尋ねることではないかと思います。なぜ、今の仕事についたのか?どんな経歴を持っているのか?

信用は過去の産物ですから、それを聞き出すことが信頼につながりやすいのです。

主導権を握るサービス

この本では、セールスの現場で「フレーム」という概念を持ちだします。フレームとは、商談や会話の主導権を握る枠組み、といったら良いでしょうか。お客さんとセールスが相対した時、どちらのムードが勝るか。それは、共存することはなく、どちらかが一方を飲みこみます。それが、その場の主導権を握る。

本の中ではいくつか、分類されますが、それはまた別の機会に述べるとして、レストランでよくある出来事を事例にしましょう。

お客さんを自分が懇意にしているレストランに招待します。自分は上顧客だと自分で思っている。ところが、予約しておいて店に行くと、「ちょっと待ってくださいね」と言われる。ウェイターの目はこう言っていた。

「あなたのような方はたくさんお見えになります。私にとっては皆、同じです。」

これは常連客に対して取るべき態度ではない。そして席に案内されて、ワインリストを見せられ、大事なお客さんの為に高価なワインを頼むと、ウェイターは何といったか?気難しそうな顔をして、こういったのです。

「うーん、それは最善の選択ではないように思います。」

お客さんを招待した立場としては恥をかかされたようなもの。それでも、ウエイターはおかまいなし。さまざまな料理をすすめ、やがてワインを注文したワインよりも安価なワインを指さします。「では、それにします。」というと、ウエイターは満面の笑みで「素晴らしい選択です。」

何がいいたいか?

そのテーブルの主導権は、完全にそのウエイターのものになっています。お客さんをもてなす側としては面目丸つぶれにされています。しかし、それでも、もてなしているお客さんは喜んでいた。それからウエイターは徐々にその主導権をホストである自分に戻していきます。

ウエイターが主導権を握るのは良いサービスか?

賛否両論かもしれません。しかし、参考にすべきところがあります。これがもし、ホストである自分を持ちあげるような媚びへつらいをウエイターが見せたら?ゲストはここまで楽しめたでしょうか?

そしてレストランサイドの立場に立つと、自分は上顧客なのだというステータスをかさに、無理難題を押し付けられる可能性だってあります。ワインだって、本当に楽しめたかどうか。場の主導権を握れなければ、セールスはうまくいきません。レストラン側としては、また来店してもらいたい。しかしだからといって、主導権を顧客にゆずれば、顧客次第になります。

ウエイターが常連客をぞんざいに扱ったのには、それが大きな理由のひとつです。主導権を握る為に、あえて特別扱いせず、媚びへつらわない。それをすれば、一時は喜ばせるかもしれませんが、持続しません。自分の店に訪れたお客さんは、上顧客であっても主導権は握らせない。仕切るのは、ウエイターであって、お客さんではない

良いサービスとは、お客さんを気持ちよくさせることだけではないと考えます。そのテーブルにおいて、料理やワインを熟知しているのはほかでもないウエイターです。およそ、いつでも主導権を握りたい、高慢な人ほど、鮮やかに主導権を取られると、気に入ってくれます。自分の上に上司のいない、社長という役職ほど、気に入って上顧客になってくれるのは偶然ではないでしょう。

いつでもノーと言ってくれて構わない

「信頼関係」と「尊敬」に基づくビジネスがこのセールスの根幹です。だから、信頼と尊敬に値しない顧客は早期に「付き合わない」と決めます。また、話が進んでも「いつでもノーと言って構わない」という姿勢を貫きます。

これは実際はとても勇気のいることです。話が進んでいて商談は成立しそうなところで、相手にノーと言われたら、それまでにかけた時間も労力もすべて無駄になります。よほどの自信と信念がないと、できないことです。

ですが、「売り込まなくても売れる」セールスを出来るようになるためには、この姿勢を持てなければなりません。

そして、商談がまとまりかけた時にも、お客さんに尋ねるのです。「ほんとうによろしいのですか?」あるいは「そう思われる理由は?」と。そうすることで、お客さんは自分自身が商品を買う理由を再確認し、強化することになる。そこまで念を押すのは、気が引ける気がしますが、信頼関係が出来上がっていればますます強固なものになります。

セールス側としてどうしたいかというと、お客さんが自分で求めたものであって、セールス側が求めたものではない、ということをお客さん自身に確認してもらうこと。売り手だけが敬意をもっていたのでは対等ではありません。お客さんにも同様に、敬意をもってもらってはじめて対等になります。

相互で信頼と尊敬を抱ける関係づくり。それが「売り込まなくても売れる」セールスの考え方です。

満足条件

相手が何を欲しがっているかをはっきりさせ、欲しいものの詳細について双方が合意すること。

これが「満足条件」と呼ばれるものです。お客さんの立場からすると、その条件を満たしていれば購入したいと思える基準。売り手からすると、その条件をクリアすれば商談成立すると考えられる基準。これを、すり合わせて約束します。相手に何を求めるのか、双方がはっきりさせます。

しかし実際に「満足条件」を決めるプロセスを身につけるには、トレーニングが必要になると思います。例えば、トイレットペーパーをセールスするなら、品質、価格、納期など、相手が求めるすべてを話し合います。ここで、売り手はプレゼンをしてはいけません。

自社の製品がどれだけ優れているか、支持されているか、お役に立てているか。訴えるのではなく、すべて質問形式にします。自社に特徴的なアピールポイントがあるなら、うまく質問におきかえるのです。トイレットペーパーの素材にはシルク線維を0.2%織り込んでいて、それは他者がまねの出来ないものだとするなら、

「通常のダブルタイプと、シルクを織り込んだ柔らかい肌触りのシングルタイプとどちらを希望されますか?」

というように。ここが工夫のしどころですね。

コミットメントとは?

コミットメントは、経済学において

その行動しかとれないようにするような実効性のある仕組みをつくること

とあります。(ウィキペディアより)

さらに

単なる口約束ではなく、<自分の行動を縛る具体的な仕組み>をつくらなければコミットメントではない

とも。このコミットメントの意味するところの理解が浅かったのでしょう。ウィキペディアを見て、繰り返し、自分の中で唱えてみて、やっとわかりました。

言葉は理解できても、落とし込むのは簡単じゃありませんね。

言質(げんち)を取る

言質、という言葉がありますが、これが狙いとしては近いのかもしれません。言質とは「あとで証拠となる(約束の)言葉」。これは営業テクニックとして、営業本などでも繰り返し書かれていることです。

ただし、コミットメントはもう少し広義でありながら深く、<言葉>に限っていません。相手に「その<行動>しかとれないようにするような実効性のある仕組み」作りをいう。その仕組み作りこそ、よく言えば「信頼関係を築く」ということではないか。

そう考えると、コミットメントを取ることと、信頼関係を築くということは、一対です。

心をつかむサービスには、意外性がある

売り手と買い手とは、双方の立場に立つことが難しい関係です。まして、相手の脳の中をのぞき込むことは不可能。しかし『売りこまなくても売れる!説得いらずの高確率セールス』(フォレスト出版)ともうひとつ、『シリコンバレーの交渉術~YESを引き出す売り込みの脳科学~』(ダイレクト出版)を読むと、脳科学の視点から、買い手の心理を把握し、どうすれば成約にいたる壁を壊していけるか、が分かります。そのプロセスは、科学に裏打ちされ、最大の成果を上げられると約束しています。

『シリコンバレーの交渉術~YESを引き出す売り込みの脳科学~』の中に、フレームという考えが出てきます。フレームとは、商談や会話の主導権を握る枠組みのことです。このフレームを理解すると、いかにその場の主導権を握るかが商談の成否を左右するかがわかります。

効果的なのは、相手が思いもよらなかった意外なことをする、もしくは言うことです。『シリコンバレーの交渉術~YESを引き出す売り込みの脳科学~』の中には、こんな例があります。

高層ビルの眺めの良いところに事務所を構え、訪問すると名前を書かされ、受付は豪華な装飾品で埋め尽くされている。これは訪れるものへの自己顕示であり、プレッシャーを与えることにより、優位に立つという、防御でもある。そんなところへセールスにいくと、相手は関心を持たず林檎を食べている。そこに唐突に、積んであった林檎を掴みとり、勝手にカットして、「私たちのビジネスは「フィフティ・フィフテイです」」言う。その瞬間、フレームは、相手ではなくこちらに準じた。

相手にとって、意外な行動をとると、一気に空気は自分のものにできます。それは工夫次第。相手に「おっ」と思わせないと並み居る競合と印象はかわりません。あたま一つ抜けるには、印象を与えないといけません。

「意外性」がキーワードです。

殿様セールス~売り手が上段に立つ~

神田氏は「殿様セールス」が理想という。お客さんにこびへつらうのではなく、あくまで対等に、そして、販売している商品・サービスについては、売り手が上段にたつべきという考えです。

そうした姿勢は、下手をすると横柄で、たいへん失礼なふるまいになります。人によっては「えらそうなやつだな」と感じるかもしれません。それでも、毅然と、冷静に対処する肚づもりでないと、かえってお客さんを不安にさせるでしょう。

自信がなく、おどおどしたセールスマンをたまに見かけますが、その人から買おうという気にはなりません。私だけでなく、買い物はできるだけ失敗したくないのです。自分がした選択肢が、ベストだと思いこみたい。おどおどしたセールスマンからそれは期待出来ない。

正々堂々、誠実に。「信頼関係」と「尊敬」なくして取引しないセールスですから、売り手側は上段にたつくらいで丁度良いのでしょう。

セールスとはそもそも何なのか?

セールス(営業)って何だろう。人は、誰もが何かをセールスしていると思います。

子供は親に愛されるように、好きな人がいれば自分を好きになってもらえるように。料理を作れば、お客さんに食べてもらえるように。一生懸命作った製品を多くの人に買ってもらえるように。

いずれにしても、セールスには目的があります。

その目的をどう捉えるか。ビジネスとなれば、利益、と答える人は多いでしょう。ビジネスマンは、それで給料をもらい、生計を成り立たせています。だから目的は、お客さんとなる人に買ってもらうこと。それが目的になりえます。

でも、それが目的になると、お客さんが利益に思えてくる。そう思われるお客さんの立場に立つと、気持ちの良いものではありません。その前に考えることがあります。

相手の幸せ、利便性、メリット、欲求です。その報酬として、自分に帰ってくる。双方にとって良い関係、win-winを築くのが目的ではないかとおもいます。

ジャック・ワース著『売りこまなくても売れる!説得いらずの高確率セールス』(フォレスト出版)では、双方向のビジネスの下地があるかどうかを見ることからスタートしています。このスタイルに学んだのは、自分自身に対してもリスペクトすること。相手にその気があるかどうか、ビジネスを始める前にはっきりさせるのです。

これまでも何度も紹介しましたが、自分が提供している商品を必要か、必要でないか、はじめに確認します。そして、必要であれば、どういう条件にあれば、購入に至るか、約束するのです。セールス(営業)は、お客さんを幸せにすることだけではない、自分自身も尊重することなんだと思います。

「売り込まなくても売れる」質問の仕方

「売り込まなくても売れる」セールスは「信頼関係」と「尊敬」に基づくビジネスの手法ですですから、お客さんとの間に築くものはまず「信頼関係」です。商品の話は抜きにして、相手を良く知り、信頼と尊敬に値する人物かどうかを判断するのです。取引を進めるかどうかも、それ次第。

もし、信頼も尊敬もできない相手ならば、取引はしない。それはいずれトラブルを引き寄せるからです。

では信頼と尊敬に値する相手をどう見極めていくか?

コツはお客さんに対して「心から興味を持つ」こと。そうすれば必ず相手に伝わる。誠意を持ち、率直にものを言い、相手に無理強いする意図もないとき、態度にもそれが表れ、相手は信用してくれる。そう書いてます。すると、自然と相手に聞きたくなるだろう、というのです。純粋に答えが知りたくて質問し、下心がなければほとんどの場合、相手は応えてくれる。

「どこに住んでいるのか?」

「今の仕事は長いのか?今の仕事の前は何をしていたのか?」

「なぜ、この仕事についたのか?」

信頼関係を築くのは、こうした「聞く技術」だといいます。相手のいうことに耳を傾けること。

ちなみにより深く相手の話を掘り下げていく、ポイントを本書では紹介しています。かえってきた答えの最後の答えをもとにして次の質問をすること。そうすれば会話が弾む。これは知っておいた方がいいですね。

たとえば、

「なぜですか?」

「何をしましたか?」

「どんなふうに処理しましたか?」

「それはご本意でしたか?」

イエス・ノーで答えられる質問よりも、好きなように応えられる質問が良いようです。

フレームという考え方

私の師匠は「上段に立つ」という表現をします。そういうことだろうと、感覚的に理解していました。セールスの場面で、相手より上段に立つことができないと、成約に繋がりにくいということです。

上段に立つ、とは偉そうにすることでも、相手を自分より下に見るということでもありません。セールスをする側も商品を購入する側も、人として立場は対等。ただし、セールスをする商品に関して、主導権はセールス側にあります。

なぜなら、その商品を知っているのは、購入する側よりもセールスの方であり、その商品を買うことによって得するのは購入する側であるとセールスは分かっているからです。もちろん、それは、誠実な商売に限り、本当に購入側の利益がなければ、詐欺になります。根底に、商品に対する自信と、誠実さがなければ、上段には立てません。

それは絶対原則です。

相手より上段に立つ方法

では、どうやって上段に立つか?意識だけでは、難しいものです。特に、セールスをするポジションの人は、商品を自分で一から作っているわけではない場合も多い。そこで、フレームという考え方を身につけると、テクニックとして上段に立つことが出来る。『シリコンバレーの交渉術~YESを引き出す売り込みの脳科学~』を読んで、そう感じました。

フレームにも種類があります。

◎パワーフレーム

◎タイムフレーム

◎アナリストフレーム

◎イントリーグフレーム

◎プライズフレーム

主な、フレームは以上5つ。それぞれのフレームは共存することはありません。たとえば、売りこみの電話がかかってきたとします。

「もしもし、○○電気の者ですが、電気代がお安くなるプランをご案内させて頂くのに5分よろしいでしょうか?」

あなたは、どう答えるか?

①「あ、はい・・」

5分ならいいかと、話をきくか。それとも、

②「あ、すみません、いま忙しいので。」と断るか。

それとも、

③「3分ならいいですよ。」というか。

相手はフレームでいくと、「タイムフレーム」でセールスの電話をかけています。

①はそのフレームに従った形。

②は、タイムフレームに対抗して、パワーフレームで粉砕した形。

③は、タイムフレームを逆手に取り、主導権を自分の方へ引き寄せた形。

『シリコンバレーの交渉術~YESを引き出す売り込みの脳科学~』では、それぞれのフレームにどう対処するか、実例豊かに書いてあります。

しかし、レストランサービスとどんな関係が?そう思われるかもしれません。私は、おおいに役に立つと考えています。ただ相手の為に尽くす、奉仕する、役に立つ、というのでは、人は感動しない。どこでも、誰でも、やっているからです。

それは、お客さんのフレームの中で、サービスすることです。他と違う、感動するサービスを提供するには、そのフレームを粉砕しなければなりません。

脳は3段階で新開してきた

誰もが持っている物質でありながら、脳は、物質でないものを生み出します。

想像、想い、愛情……

脳は3つの部分から成り立っています。

1.クロコダイル・ブレイン

2.大脳周辺系

3.大脳新皮質

人間の脳が新介していく段階で、最初に出来たのは、クロコダイル・ブレインです。

いまでも、脳に入ってきたメッセージは、すべて、ここでフィルターにかけられるようです。生存に関わる闘争・逃走反応も強い感情もここで生まれます。しかし、クロコダイル・ブレインは原始的で、生きる為に必要最小限の働きを持っているだけで、論理的思考には向かない原始的な構造です。

その為に、進化したのが大脳周辺系。ここで物事や周囲の状況の意味を決定します。そして最後に出来たのが、問題解決能力を備えた大脳新皮質です。複雑な問題について考え、答えを導き出すことができます。

驚くべき脳の仕組み

人は、大脳新皮質で何かアイデアを生み出し、言葉にし、提示します。最も高度な脳を使って、それをする。

ところが、受け手はそうではないというのです。大脳新皮質でダイレクトにメッセージを受け取るのではない。最も原始的な生存の為の脳、クロコダイル・ブレインで処理しようとするのだそうです。

セールスを難しくしてる本当の原因のは、これだったのです。いくら相手にとってのメリットを訴えても、論理的思考の出来ないクロコダイル・ブレインは反射的に拒否します。新しいものを危険とみなす潜在的な習慣が、そうさせます。そうすることで、生き延びてきたからです。

あたらしく入ってきたメッセージに対して、クロコダイル・ブレインのシステムは以下のように反応します。

1.危険でなければ無視。

2.新しく面白いものでなければ、無視。

3.新しいものは出来るだけ早く概要を掴み、詳細は忘れてしまう。

4.通常と異なる予期しない状況が生じた時以外、大脳新皮質まで情報を送って対応を求めてはならない。

3つの脳の特徴

爬虫類脳(クロコダイル・ブレイン)

生きる為の脳で、もっとも原始的な脳です。生命維持、そのための働きを持ちます。爬虫類脳の特徴は、変化を好まない、ということ。人類の歴史は、警戒し、新しく出会ったものはとことん疑い、生き延びてきました。

その原始の記憶が、いまも私たちの脳の中心部にあります。

哺乳類脳(大脳周辺系)

感情を感じ、表に出す脳です。

ここで、「好き」「嫌い」の感情的判断をします。

人間脳(大脳新皮質)

人間脳と呼ばれる大脳新皮質は、もっとも進化した脳とされています。

脳の一番外側にあり、言語機能、学習能力、創造性、空間把握力をコントロールしています。人間だけが考え、言語化し、創造できるのは、この脳があるからです。

クロコダイル・ブレインを落とす

ニューロ・サイエンス(脳科学)からいうと、セールスにおいて、まず落とさなければならないのは、クロコダイル・ブレインだといいます。脳に入ってきたメッセージは、すべて、ここでフィルターにかけられるからです。

いくら、その商品を買うことによってメリットがあるか強調しても、相手は論理的に考えられないので、拒否、あるいは無視するのです。好きか、嫌いかさえ判断していません。

気にしてるのは、安全かどうか、それだけ。

だから、オーレン・クラフ著『シリコンバレーの交渉術~YESを引き出す売り込みの脳科学~』(フォレスト出版)では、セールスを開始する際にはクロコダイル・ブレイン用にプレゼンしなければならない。と伝えています。ポイントは、全体像を伝える、コントラストを際立たせる、視覚に訴える、新しさを打ち出す、確たる証拠を示す。

これを簡潔に、短時間で伝える工夫をします。1分が目安。相手を分析的にさせないことがポイントだそうです。聞き手の脳は、長時間、聴くのに耐えられません。

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