マーケティングリサーチの定番の型「5C分析」とは何か?

マーケティングリサーチの定番の型「5C分析」とは何か?

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戦略を組むときに、欠かせないのがリサーチです。

マーケティングの巧拙は戦況分析(リサーチ)にある

という人もいるくらい重要とされています。

何とか果たしたい目的がある時に、どうすれば果たせるのか?

自分が持っている資源の何をどこに集中させるかを選択するのが戦略でした。

戦術はそのための具体的なプランです。

リサーチが欠かせないのは、戦況を知らずして、戦略は組めないから

市場構造の理解

戦況分析とは、具体的にどんなことをするのかというと、「市場構造」の理解です。

USJをV字回復させた、森岡毅氏をご存知でしょうか?

マーケティングフレームワークを学ぶのに、森岡氏の著書『USJを劇的に変えたたった一つの考え方』(角川書店)はとても良い参考図書だと思います。

戦況分析を何のために、どうするのか。

この本から多くを学びました。

市場構造とは何か?

構造は、どのように作られていくのか考えると、マーケット(市場)環境による人の行動、心理が形作ります

武田信玄は、戦況分析が大得意でした。

想定される戦場(マーケット)を歩き、自分の目で見て、地形や気候条件を味方につける方法がないか考えたに違いありません。

信玄堤は有名ですね。

毎年、氾濫する堤防を決壊しないように工夫しました。

そうすることで農作物が水害でだめになることもなく、農民や兵の疲弊を防ぎ、さらに敵の侵略を予防し、自軍が行軍しやすく設計したのです。

勝つために調べつくした

そんな武田信玄ですから、知っていたはずです。

山を背にして高所から攻め降りた方が有利であることや、狭い地形では大軍も1列にならなければならず数の優位性が通用しないこと。

太陽を背にした方が敵の目をくらませることが出来ること等。

戦は、文字通り命を懸けた戦いです。

そう考えると、勝つためにリサーチするのは当然だという気がしますね。

市場構造もしらず戦場に出向くなど、もってのほか。

死にに行くようなものです。

5C分析

では、どうやって、ビジネスを取り巻く戦況分析をするのか。

とても便利で指標となる、マーケティングリサーチ法「5C分析」があります。

5Cとは、

  1. Company(自社の理解)
  2. Consumer(消費者の理解)
  3. Customer(流通など中間顧客の理解)
  4. Competitor(競合する他社の理解)
  5. Community(ビジネスをとりまく地域社会の理解)

以上5つの頭文字をとったものです。

Company(自社の理解)

自分を知る、ということです。

特に、自分が使える資源「人、物、金、時間、情報、知的財産」を把握することと、何が得意で不得意か「強み・弱み」を理解することが欠かせません。

もし大きな組織であれば、全体がどんな方向に向かっていて、どんな意志を持っているのか、ということも知る必要があります。

Consumer(消費者の理解)

USJをV字回復させた森岡氏は、

マーケティングは消費者理解に始まって、消費者理解に終わります。

———『USJを劇的に変えたたった一つの考え方』(角川書店)より

と言っています。

消費者の理解は数もこなさなくてはいけないし、その質も重要です。

成果を出せるかどうかの差も、ここにも大きな差が表れるようです。

優れた成果を出す人はどこまでしているかというと、ビジネスの文脈を超えて、消費者心理を人として包括的に理解出来てるかどうか

Customer(流通など中間顧客の理解)

たとえば、魚を揚げてくる漁師と、飲食店の間にはたくさんの存在があります。

一般的には、漁師が魚を揚げてくると漁協(市場)に持ち込み、そこでセリをかけられ、魚屋や仲買、メーカーが入札します。

そこから飲食店に渡ればまだ介在する存在は少ない方で、運送を使えば運送業も関わりますし、さらに卸業者がいくつも間に入ることだって珍しくありません。

協働するパートナーでありながら、市場価値のパイを奪い合う競合にもなりえます。

Competitor(競合する他社の理解)

飲食店において分かりやすいのはライバル店ですが、より深く理解するには消費者ニーズの本質を見抜かなくてはなりません。

「空腹を満たしたい」なら飲食店ではなくコンビニでもいいし、スーパーや、路面店でも良い。

「恋人と時間を共有したい」なら漫画喫茶や、映画、遊園地も競合となります。

競合理解には、実はお客さんに提供している価値が何なのか?を正しく理解することが欠かせないのです。

Community(ビジネスをとりまく地域社会の理解)

社会が与える外部要因です。

法律などの規制、世論、風評、景気、為替レートなど。

いま、中国で新型コロナウイルスが猛威をふるっていますが、それも一つ。

しかし、これらは自分でどうこうできる問題ではありません

山を平地にできないように、川を海にできないように。

それでも、知らないでいることは大きなリスクです。

煙草を吸えるお店にするかどうかで、戦略は全く変わるのです。

まとめ

戦況分析をするのに、5C分析は考えやすいフレームワークです。

そして、戦略なき戦術がないように、目的なき戦略がにように、戦況分析なき目的はありません

目的設定は、市場構造を理解せずして、決めることができないからです。

戦をするのに、勝つか負けるか全くわからない状況で、命は懸けられません。

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