脳が「めんどくさい」と判断する瞬間とは?最新研究から見る理由

脳が「めんどくさい」と判断する瞬間とは?最新研究から見る理由

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日々の生活で「これ、めんどくさいな」と感じる瞬間はありませんか?

実はその感覚、僕たちの脳が瞬時に下す判断によるものらしいですよ。最新の研究が明らかにしているのは、脳がなぜそう感じるのか、その理由です。

マーケティングという領域は、お客様の行動を引き起こす「心理」を理解しないと始まりません。「心理」は人間の機能でいえばまさに「脳」ですよね。だから僕は、脳についての勉強をことあるごとにしてきました。

ここでは、そんな興味深い研究結果をわかりやすくご紹介します。ちょっとした好奇心が、日常の「めんどくさい」を面白く感じさせるかもしれません。

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目次

なぜ、脳は「めんどくさい」と感じるのか?

脳が「めんどくさい」と感じる瞬間、それはマーケターとしても、ひとりの経営者としても非常に興味深い現象です。

この感情は、僕たちの脳が効率的に働こうとするプロセスの一部であり、新しいタスクや複雑な問題に直面した時に特に顕著になります。脳はエネルギーを節約しようとするため「知ってること」「親しみがあること」など既知のパターンや簡単なタスクを好みます。

「わからないこと」「やったことがないこと」に挑戦しようとすると、脳はそれを避けようとして「めんどくさい」と感じさせるんですね。でも、この感情を乗り越えて新しいことに挑戦することで、僕たちは成長し、学習することができます。

だからこそ、めんどくさがる理由を理解し、それを乗り越える方法を見つけることが大切なのです。

「めんどくさい」と感じる心理の背景

「めんどくさい」という感覚は、脳が効率よく動こうとするときによく現れます。

裏を返せば、新しいことに挑戦する際の不安や、失敗を恐れる心理から生まれることが多いのです。実際、脳は習慣化された行動を好み、未知のことに対して抵抗を示す傾向があります。これは、エネルギーを節約しようとする脳の働きによるもので、めんどくさがる理由と密接に関連しています。

アップルの創業者スティーブ・ジョブスは、それを知って、毎日、同じ格好をしました。服を選ぶという脳のエネルギーを節約し、もっと重大な意思決定にそのリソースを割くためです。ちなみに僕もジョブスほどではありませんが、1年の大半、白のロンTを身につけてます(笑)

また、完璧主義が「めんどくさい」と感じる心理に影響を与えることもあります。完璧を求めるあまり、手をつける前から負担を感じてしまうのです。

このように、「めんどくさい」と感じる背景には、脳の働きや心理的な要因が深く関わっていることがわかります。ジョブスの工夫は、その負担を減らす一手と言えるでしょう。

脳がめんどくさがる理由、基本原則

僕たちの脳は、原則、省エネモードを好む。それが「めんどくさがる」心理につながるとお伝えしました。

その本質は、エネルギーを節約しようとする本能です。ベストセラーになった『運動脳』(アンデシュ・ハンセン著)にもありましたが、人の身体も脳も、1万2千年以上前に動物を追いかけまわしていた原始人の頃からほとんど変わっていないのだそうです。つまり、無駄にエネルギーを消耗することは、命に係わることだった。

たとえば、新しいことを学ぶ時、脳は多くのエネルギーを消費します。だから、できれば自分の知っている範囲内の情報や簡単なタスクに引き寄せられてしまう。原始人が良く知った狩猟場ではなく、どんな脅威があるかもわからない未開の地に踏み込むのと同じことなんですね。新しいことは、脳にとって、リスクなのでしょう。おそらく、長い人類の歴史上では、新しいことをして生命の危機にさらされることの方が多かったのかもしれません。

また、ストレスや不安がこの「めんどくさい」感情を強化することもありますよね。ストレスが多いと、脳はさらにエネルギーを節約しようとし、新しい挑戦から遠ざかりがちになります。

しかし、そうした「めんどくさい」感情がどのようなロジックで起こるのかわかれば、対処できそうに思いませんか?僕は新しいプログラミング言語を学ぼうと決めたとき、まずは1日1分でも良いので、その情報に触れることから始めました。そして、その時間を徐々に長くしていくことで、気づけば学びを深めることが出来た経験があります。

ソムリエ試験を受けた時もそうでした。難解なワインの名前や複雑な産地を、最初は見て、徐々に紙に書いてみたり、Google検索したり、幅を広げていくことで、未知だったものが「既知」のものに変わっていきました。そうした小さな成功体験が、脳にポジティブな影響を与え、次第に新しい挑戦にも積極的に取り組めるようになるんだと思います。

最新研究が明らかにする、脳の働きと「めんどくさい」感情の関係

最新研究が明らかにした、脳の構造、働きと「めんどくさい」感情は、密接な関係があります。「めんどくさい」と感じる時、その背後には脳の特定の部位が大きく関わっているんです。

たとえば、前頭前皮質は意思決定や行動の抑制に関わっており、この部分が「めんどくさい」と感じる理由の一つとされています。また、報酬系と呼ばれる脳の領域では、3か月先の快楽より、目の前の快楽を優先する回路になっているそうです。これはまあ、わかりますね。1万2千年前から脳が変わっていないのなら、いつ食べ物にありつけるか分からなかった時代の方が長いわけですから。

だから、目標を立てても追求することが難しいと感じるのは、ある意味では「怠けものの脳」のせいなのでしょう。脳科学の研究によって、このような感情がどのように脳内で処理されているのかが少しずつ明らかになってきました。

僕たちが「めんどくさい」と感じるのは、性格以前に、脳の複雑な働きによるものなです。理解を深めることで、自分自身や、他の人に対して、少し優しくなれるかもしれません。

睡眠不足、疲労、ストレスが「めんどくさい」を加速させる

「めんどくさい」を感じる感情は、睡眠不足や栄養不足といった身体的に状態がよくないときに、より影響を受けるとされています。疲労やストレスを多く抱えているときも同様。

睡眠不足や疲労は、脳がエネルギーを節約しようとする力を加速します。栄養不足では、広範囲を歩き回れません。その結果、新しいことに取り組む意欲が低下し、物事を先延ばしにしたり、やる気が出なかったりします。

ストレスが加われば、状況はさらに悪化します。脳は、ストレスから身を守ろうとしてコルチゾールというホルモンを分泌するらしい。コルチゾールが増えると、イライラしたり血圧が上がったり動悸が激しくなったりと、体は臨戦状態になるようです。

僕はよく、素っ裸で秘境で暮らす人のドキュメンタリー番組をYoutubeで見るのですが、それを見ると納得できます。たとえば、猛獣が暮らす森でカサカサ・・・と音がしたら、どうなりますか?身体は硬直し、血圧が上がり、心臓はバクバクします。それは、いざというときに、突発的に逃げられるよう身体が生存モードに切り替えるからなんです。

そうなれば、数年先の目標なんて、どうでもよくなる。必要ないと判断した活動からエネルギーを引き離します。これが、疲労やストレスを感じるとなぜ「めんどくさがる」のか、その理由の一端です。

ということは、心と体の健康を保つことは、脳の健康にも直結しているため、適度な休息とストレス管理が重要になってきます。

意思決定が、脳を疲れさせる理由

僕たちは、日々、たくさんの意思決定を日常的に行っています。靴下はどれを履こうか、というささいなことから、人材採用や経営戦略といった、ビジネスをやっていれば未来を左右する大きな決断まで。脳はエネルギーを消耗したくないから、めんどくさがるのだと伝えてきましたが、なぜ意思決定をもめんどくさがるのでしょうか?

そう、脳が情報を処理し、選択肢の中から最適な答えを見つけ出す過程は、大量のエネルギーを消費するからです。毎日、何を食べるか、どの服を着るか、ということから仕事やプライベートでの重要な決断まで、僕たちはあまりに数多くの選択に迫られています。これらすべての判断が、脳にとっては労力を要するタスクとなり、結果として疲労を感じさせるのです。

エネルギーを効率よく使うために、無意識のうちに「めんどくさい」と感じる活動から避けようとする。この生存本能に基づく脳の自然な反応が、「めんどくささ」の正体でしょう。科学的な詳しいことはわかりませんが、研究では、新しいタスクに取り組む際、脳がどのようにエネルギー消費を計算し、それに基づいて「めんどくさい」と感じさせるのかを解析しているようです。

当社は「勝てるホームページ作成」を得意としているWEB制作会社ですが、顧客にストレスを与えないデザイン作りや、意思決定させる要素をできるだけ少なくすること、「めんどくさいな」と思わせない設計を心がけています。脳がなまけものである以上、それを前提に組み立てるのがマーケターの仕事でしょう。

なぜ、楽しいことに対しては脳は「めんどくさい」と感じないのか

ここでひとつ、疑問が沸きます。なぜ、楽しいことは「めんどくさい」と感じないのか。

脳は僕たちの体で最もエネルギーを消費する器官の一つだそうです。一日に約20%のエネルギーを使用し、その大部分は思考や感情の処理に使われます。「めんどくさい」と感じるのも、脳がエネルギーを節約しようとしているサインかもしれません。

脳は常に効率的に動こうとするため、新しいことや複雑なタスクに直面すると、エネルギー消費を避けるために「めんどくさい」と感じさせます。しかし、楽しいこととなると、疲れることでも、肉体的につらいこと、きついことでも「めんどくさい」と感じませんよね。それはなぜなのか。

ここが、脳の面白いところです。

楽しいことはめんどくさいと感じさせない報酬系統の役割

楽しい活動をしているとき、僕たちの脳は報酬系統を通じて「ドーパミン」という物質を放出します。ドーパミンは神経伝達物質で、アドレナリン・ノルアドレナリンの前駆体です。「快感や多幸感を得る」「意欲を作ったり感じたりする」「運動調節に関連する」といった機能を担う脳内ホルモンのひとつなんですね。これが「楽しい」と感じさせる。

めんどくさがる気持ちは、新しいことにチャレンジする際に脳が感じる不安や恐怖から生じます。しかし、楽しいと感じる活動は、この不安を上回る快感を脳に提供するため、めんどくさいと感じにくくなるのです。つまり、楽しさは脳の中でめんどくさがる感情を上回る強い動機付けとなる。

それなら、めんどくさいことでも、楽しくできる工夫をすれば、脳にとってストレスにならないのか?というと、まさにその通り。「めんどくささ」を乗り越える一つの解決策は、それが楽しいことだと思わせること。よく言われる手法は、ご褒美ですね。僕は、外食が好きなので、仕事がひとくぎりしたら、食べたいものを食べに行きます。この仕事が終わったら「夫婦2人でやってるイタリアンのお店に行って、名物のパスタを食べよう」と考えるわけです(笑)するとがぜん、やる気が出ます。

あるいは、これもよく知られた手法ですが、ゲーム感覚で楽しめるように工夫することも良いみたいですね。こうした工夫ひとつで、めんどくさいと感じることなく取り組むことが可能になります。

まとめ:脳が「めんどくさい」と感じる瞬間を理解する

僕たちが「めんどくさい」と感じる瞬間は、実は脳の非常に合理的な反応なのです。この記事を通じて、その背後にある科学的な理由や、脳がどのようにしてこの感情を生み出しているのかを理解することができました。脳はエネルギーを節約しようとし、新しい挑戦や複雑な問題に直面すると、それを避けるために「めんどくさい」と感じさせます。しかし、この感情を乗り越えて挑戦を受け入れることで、僕たちは成長し、学習し、人生を豊かにしていくことができます。

最後に、めんどくさい感情のコントロール法について、まとめておきますね。

日常生活での「めんどくさい」感情の3つの管理方法

「めんどくさい」という感情をうまく管理することは、日常生活をより充実させる鍵となります。以下は、そのために僕自身が取り入れている3つの方法です。

  1. 小さなご褒美を用意する:
    大きな目標に向かって、ひたすら邁進するよりも、小さなご褒美を用意して、ひとつずるクリアしていくことで、モチベーションも維持できるし、自己肯定感が高まると思います。
  2. 習慣化を目指す:
    筋トレや運動、トイレ掃除など、歯磨きのように習慣化することで自然と継続できるようになります。
  3. 休息と睡眠、ストレス管理:
    疲労や睡眠不足はそれだけで、めんどくさくさせます。十分な休息と睡眠を取り、ストレスを管理することで、脳のエネルギー状態を最適化します。

習慣化についてご興味あれば、下記の記事もご覧になってみてください。

このように、脳が「めんどくさい」と感じる瞬間を理解し、上手に管理することで、生産性は間違いなく上がりますし、こうした取り組みを意識的にする前と後では行動力が変わったと感じます。

あなたの参考になればうれしいです。

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