兵の形は水にかたどる。実を避けて虚を撃つ、必勝の法則

兵の形は水にかたどる。実を避けて虚を撃つ、必勝の法則

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孫子『兵法」は、もっとも繰り返し読んでいる書物です。2500年前の本なのに、いまだ読み継がれているのもすごいですが、あの武田信玄や徳川家康、ナポレオン、現代ではソフトバンクの孫正義氏、ビル・ゲイツ氏という錚々たる人物の愛読書というのも、驚きです。

ここではそんな孫子『兵法』から、ラーメン激戦区で勝ち抜く戦略と、弱者の戦い方を考えていきます。

まずは、孫子『兵法」の一節をご紹介。

それ兵の形は水にかたどる。水の形は高きを避けて低きにおもむき、兵の形は実を避けて虚を撃つ。水は地によりて流れを制し、兵は敵によりて勝ちを制す。ゆえに兵に常勢なく、水に常形なし。

孫子『兵法』形篇より

かっこいいですよね。ほれぼれします。私なりの解釈では、こだわるな、ということだと思っています。上善如水、という老子の言葉がありますが、もっとも良い生き方は水のように柔軟になることだという。

戦い方にも、型、というものはなく、水の流れが高いところから、低いところへ流れていくように、相手の得意なところはさらりとかわして、すきをつくのが良い。相手の状況によって、いくらでも型を変えられるようにして勝負に勝てる。

目次

あるラーメン激戦区の話を孫子の兵法で当てはめてみた

あるラーメン激戦区の話です。その街道沿いには、およそ20kmの間に実に15店舗ものラーメン屋が点在しています。1.3km歩けば、らーめん屋がある間隔です。

おそらく住み分けしてるのでしょうね。それぞれの看板らーめんは、微妙にずらしています。しょうゆ、みそ、塩、とんこつの4大スープベースに加え、煮干し出汁、あんかけ、エビ出汁、つけ麺・・・とそれぞれ特徴を変えている。

こだわりを曲げたラーメン屋

職人的な考えだと「こだわり」というのは、簡単に捨てられるものではありません。それで勝てなければ潔く店を閉める。という人もいるでしょう。

この街道沿いのあるラーメン屋に、こだわりを曲げて何とか生き残ったお店があります。そこは、シンプルな醤油ラーメンが売りでした。

味は、良かった。

色は濃い目の醤油ラーメンで、チャーシューとねぎ、メンマ、海苔だけと非常にシンプルでした。ところが近隣には、とんこつ醤油が看板のお店があって、そこが非常に強かったんです。

日曜の昼になると、その店は行列。味でいえば、シンプルな醤油ラーメンの方が良いと私は思っていましたが、席は8割しか埋まりません。席数、駐車スペースはほぼ変わらないので、どちらが流行っているかは一目瞭然。

店名と看板を変更

おそらく、そのお店はリサーチしたのでしょう。

街道沿いに一軒もなかった「つけ麺」専門で勝負に出ました。つけ麺は、一時ブームになりましたが、今は下火のようです。しかし一定数のファンは存在するようで、らーめん激戦区において他の店はサブメニューとして位置づけしていました。

それを看板メニューに掲げたわけです。するとどうでしょう。ライバル店ほど繁盛はしなくても、ほどなく席は埋まり始め、その後は安定して入っています。

兵は水にかたどる

ただ、このつけ麺を看板にしたラーメン屋さんが、3年後も残っているかというとそれは分かりません。目新しさでお客さんが増えているだけかもしれず、リピートしてもらうために何を仕掛けているかが今、大事です。

孫子によれば、戦い方に決まった型はない。時にはこだわりを捨てて、柔軟な選択をするのも必要。水のように常に進むべき道を求めてやまなければ、大きな障害があっても交わして流れていける。

変化に強く、対応できてこそ、勝っていけるのだと思います。

弱者の戦略

『孫子』には、弱者の戦略がはっきりと書かれています。

用兵の方は、重なればすなわちこれを囲み、五なればすなわちこれを攻め、倍すればすなわちこれをわかち、敵すればすなわちこれと戦い、少なければすなわちこれを逃れ、しかざればすなわちこれを避く。ゆえに小敵の堅は大敵の擒(きん)なり。

孫子『兵法』謀攻篇より

戦い方のルールについて述べています。

自分たちが、相手の10倍の力を持っているなら、取り囲み、5倍なら攻撃し、倍であれば相手を分断させ、おなじくらいなら努力して戦い、すくなければなんとか退却し、力が及ばなければうまく隠れる。

つまり弱者は、まともに戦ったら勝ち目はないのです。逃げるしかない(笑)

弱者が狙うべきポイント

そこで弱者がとる戦略は、ニッチ(すき間)を狙うとなってきます。理由は、相手がいないから。

先に市場を占有すれば、優位に立てます。孫子にもあります。

先に戦地に処りて敵を待つ者は佚(いつ)し、おくれて戦地に処りて戦いに赴く者は労す。

孫子『兵法』虚実篇より

先にやったもん勝ちなんですね。

プチイノベーションを起こして差別化を計れ!

先に市場を占有する、とはいってもそう簡単にはいきません。それほどのアイデアを誰もがすんなり思いついてしまったら、それは過当競争に陥る。だから、とにかく毎日改善して、考え続ける。

日頃のオペレーションの中でそれは可能だと思います。例えば、カルボナーラに抹茶を入れてみたらめちゃくちゃ旨かった!とか。ミネストローネを作る工程で、半分の時間で作れるようになった!とか。または、売上分析をこれまでエクセルを駆使して1時間かけてやっていたところ、最新ツールを使うことで1/5になった!とか。

こういった、イノベーションとまでいかずとも、プチイノベーションが積み重なると、それが差別化となります。

積み重ねが独自のニッチ戦略になる!?

飲食店の中には、たとえばオペレーションの早さで市場を占有したお店もあります。かつての吉野家がそうでした。ドライブスルーを実現したマクドナルドもその側面があります。小規模店でも、儲かっているレストランは隠れた秘訣を持っている場合があります。

ある居酒屋は、山や川や海に遊びにいって綺麗な石を見つけたら拾ってきて、削ったり、加工したりして皿にしました。それで特徴的な料理演出ができ、評判を呼んだ。

また、あるフレンチレストランは、非常に手間のかかる料理工程を、品質を落とさずにすべて半分以下にするという目標を掲げ、実際に実現させたことで、高利益体質となり、余った時間をメニュー開発にあてたり、スタッフ教育にあてて、顧客の評判をあげました。

大手の強みと弱み

そう考えていくと、弱者が戦えるフィールドは意外にも広いことがわかってきます。大手はその強大な資金力とスケールにものを言わせ、コスト勝負ができるし、広告合戦もできる。でも、現場の機動性は低く、メニュー変更も小規模店に比べればタイムリーに行えなかったりします。

強者にも弱みはあるのです。弱者は大手が強いフィールドで戦ってはいけません。広告合戦しても勝てるわけがない。また、戦う必要さえない。

シンプルに、とことん接客を磨き一流のサービスができるように日々研鑽するだけでも、負けない環境は作れます。弱者は、強者の戦略を見抜き、違うフィールドで勝負する事。そして一刻も早く、そのフィールドに到達する事。

それが弱者の戦略の要諦になるのではないでしょうか。

弱者の戦略、各個撃破という考え方

我は専にして一となり、敵は分かれて十とならば、これ十をもってその一を攻むるなり。

孫子『兵法』 虚実篇より

人生のバイブル『孫子』からの引用です。良く知られた言葉ですが、この考え方は、日常でも、仕事でも、大いに役立ちます。

要は、どんなに困難に思えることでもそれを分断して、ひとつずつ片づけていけば、打ち勝つことができるということです。戦力が大きいから有利というわけではない、たとえ10倍の兵力でもそれを1/20にしてしまえば、こちらは2倍の兵力で戦うことができる。

弱者の戦略です。

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