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ランディングページは、成約率(CVR)を上げてナンボ。CVRが低いほど、存在価値はありません。
1ページでサービスの魅力を伝え、成約(コンバージョン)に導くためには、いかに顧客のニーズを喚起し、行動に起こしてもらうかがポイントです。ページに訪れたユーザのうち、何人が成約したかを計る指標がコンバージョン率ですが、適切に駆使すればほぼ間違いなく、コンバージョンを上げる方法があります。
それが、心理学を応用すること。すべての人間は、脳の原始的な働き、抗いようのない心理学で行動をします。心理学はそのために数多くのヒントをくれているのです。
この記事では、ランディングページを作成する際に役立つ心理学的効果を中心にまとめました。適切に応用することで、コンバージョン率の向上が期待できるでしょう。もちろん企業のコーポレートサイトやネットショップにも応用できます。いまいち、成約率が良くないな、とお考えであれば、ぜひ最後までご覧になってください。
ランディングページと心理学の応用
そもそもランディングページ(以降、LP)とは、顧客が最初に目にするページのこと。マーケティング上の役割としては、1ページで商品/サービスの魅力を伝え、行動に移してもらうことが求められます。通常のホームページと大きく違う点は、提供価値を通して見込み客の育成に重点を置くことの多いホームページに対し、ランディングページは成約が目的となること。
マーケティングフローを「集客」>「見込み客の育成」>「販売」>「顧客化」の4ステップで考えると、「販売」にあたります。ただ、販売といっても、資料やプレゼントコンテンツを渡すことでメルマガ登録が目的となる【オプトインLP】という手法もあります。
いずれにしても、LPで心理学の知識を応用すれば、顧客に<刺さる>コンテンツを作成することができるでしょう。脳科学や心理学には、思わず人が行動してしまう法則なるものが存在します。それをLPに取り入れることで、顧客の行動を意図的に誘導することができるんですね。
ここでは事例を交えながら、LPに有効な心理テクニックをご紹介します。
【初心者向け】ランディングページ作成で覚えておきたい5つの心理効果
それではさっそく、心理学をLPで応用するための手法をお伝えしていきましょう。まずは、すぐに使えて、効果的な5つの心理効果をご紹介します。
アンカリング効果
人は一番最初に見た数字やデータをよく記憶しており、何かしらの意思決定を行う際、最初に見た数字やデータを重要視する傾向にあります。これが「アンカリング効果」。たとえば、セールで「通常9,980円のところ、今だけ6,980円!」と表示されていると、とてもお得に感じられるのはこの効果によるものです。LPでも、このアンカリング効果を上手に活用することで、ユーザーに対して「この商品はお得だ」「良い買い物ができた」と思わせることができます。
表記も重要です。元の値段が9,980円であれば、元値を二重線で消すことです。
通常 9,980円 のところ、6,980円!
たったこれだけのことで、成約率が10%変わった事例もあります。
ファーストビューのインパクトが重要
アンカリング効果は、セールなどの価格訴求においてもっとも使われますが、LPのファーストビューにも意図的に応用すべきです。
最初に見た情報やイメージがその後の判断に大きな影響を与えるので、ファーストビューのインパクトは極めて重要になるんですね。効果的なのは、「数量限定」「期間限定」といった希少性や限定性をアピールすること。顧客に対して「今買わなければ損をする」と感じさせることができるので、その印象は後々までのこります。
ポイントは、伝える順番。顧客が最初に目にする情報を何にすればもっとも、効果的なのか?
考えてみると良いでしょう。お伝えしたように、価格訴求、希少性、限定性の訴求はもちろん、商品の特徴やメリットを強調する際にも有効です。たとえば「口コミ件数5000件以上」「地域の企業ランキングでNo.1」といった情報を最初に提示することで、顧客はその後の情報をポジティブに受け取りやすくなります。
ハロー効果(後光効果)
ハロー効果とは、ある1つの目立つ特徴を最初に認識すると、その他の構成要素までその特徴に引っ張られて歪んだ認識をしてしまう現象。わかりやすくいうと、突出したひとつの特徴が、他の評価にも影響してしまう錯覚です。
たとえば「ココナラのWEB制作ランキングで100回以上1位獲得」というと、Web制作だけでなく、マーケティングも強いんじゃないか、デザインもすごいんじゃないか、と思いませんか? もちろん関連性はありますが、理論上、イコールではありません。容姿がかわいらしく優しい印象の人は、その人の中身までもが同じように思えるのと同じことですね。
これがまさに「ハロー効果(後光効果)」と呼ばれるもので、認知バイアスの一種です。この効果をLPに応用すると、顧客は商品やサービスの価値を、より高く評価してくれます。
圧倒的な実績や、著名人・専門家のコメントなどは効果絶大
LPで有効なハロー効果の活用方法は、圧倒的な実績や、著名な人物や専門家の推薦コメントなどを提示すること。芸能人や著名なインフルエンサーを広告塔にする効果は「ハロー効果」を活用した方法ですね。その人物の権威や信頼性が商品・サービスに繋がり、顧客は「この商品・サービスは信頼できる」と感じる。
僕も経験がありますが、個人的に好きな俳優、堺雅人さんが出演している企業は「きっと、誠実でクリーンなんだろうな」と思ってしまいます。某ハウスメーカーは、それだけで好感が持てました。ただ、それはあくまで「ハロー効果」。実態が本当にどうかはわかりません。そのため<錯覚資産>ともいわれます。
アンカリンク効果と掛け算して、LPのファーストビューに持ってくるとより効果的ですね。
ザイオンス効果(単純接触効果)
単純接触効果とは、接触する機会が多いほど、相手に対して好意を持ちやすくなる心理現象のこと。これは、心理学者ロバート・ザイオンスによって提唱されたもので、ザイオンス効果とも呼ばれます。
僕の知る優秀な営業マンのひとりは、はじめから売り込まず、何度か話をしたり、顔を合わせたり、接触回数を増やす工夫をして好感を得てから売り込むことで、トップセールスになりました。これは対面に限らず、広告でも有効です。たとえば会話教室や、子どもの塾、薄毛治療、ライザップなどのジムが、テレビCMと電車広告、Web広告で同時に展開するのも同じ理由。テレビで、リアルで、Webで、何度も目にすることで、その商品やサービスに対して親しみを感じるようになるのです。
LPにおいても、ザイオンス効果は有効です。コンサルタントや士業の講座販売であれば、講師の顔を程よい間隔で登場させることで、まったくの見知らぬ他人とは思えなくなる。当社では会社のホームページ制作の際、代表の写真やスタッフの写真をできるだけ掲載するようお勧めしていますが、ザイオンス効果を狙ってのことです。
特に小規模事業者は、大手と違って、属人性の高い仕事が多くなります。人の顔を登場させることで、実際にサービス提供するときに、顧客は心理的な安心感を持つはず。「成約」に繋げるだけでなく「顧客化」にもつながるんですよね。
リターゲティング広告に有効
ザイオンス効果の応用方法として、リターゲティング広告が有効です。リターゲティング広告とは、一度LPを訪れたユーザーに対して、再度広告を表示する手法。最近、個人情報保護の問題で、厳しくなっていますが、うっとうしい印象を与えない限り、顧客は親近感を持ってくれます。結果として、サービスや商品に対する好感度が高まるんですね。
ただし、あまりしつこく追いかけると逆効果となるため、適度な頻度で広告を表示することは忘れないでください。
また、LPとは関係ありませんが、定期的なメルマガ配信、LINE配信、DM送付、SNS発信なども、顧客との接触回数を増やす良い方法です。少し高度な手法ですが、LPの内容をSNSでシェアし、顧客に拡散してもらう仕組みを作るだけでも、ザイオンス効果を高めることができます。
バンドワゴン効果
「これが流行っている」と聞くと、人はその流行している物事を好意的に捉える傾向にあります。いつも行列のラーメン屋さんを「おいしんだろうな」と思うのも同様。こうした大衆の評価に影響される心理を「バンドワゴン効果」といいます。
LPでは「大流行・大人気」という言葉をはじめ、ちょっとひねった表現だと「5秒に1個売れてます!」など書くと、不思議とよいものに見えてしまうものです。ポイントは、顧客に「この商品・サービスは多くの人に支持されている」と感じさせるようにすること。
具体的な数字や事例を挙げると効果的ですね。「累計販売数100万本突破」「Youtubeで100万再生突破!話題の●●」などのデータを提示するとより信用されやすい。また、ユーザーレビューや口コミを数多く掲載するのも良い。これだけ多くの人が支持してるんだから、間違いないだろうと感じ「自分も試してみよう」と思うようになります。これが、バンドワゴン効果が強力な理由。
アンチバンドワゴン効果
SNSで多くの「いいね」やシェアが付いた投稿は、それだけで信頼性が高まります。フォロワーも多ければ多いほどバンドワゴン効果が強力に働きます。特に若い世代に顕著であるかもしれません。あくまで傾向として、友人やフォロワーの意見を重視するようです。
一方で、真逆の価値を感じる属性が一定数いることも理解しておいた方が良いでしょう。僕は「アンチバンドワゴン効果」と呼んでますが、僕のようなひねくれものはマーケット調査以外で行列のできるラーメン屋に並ぼうとは思いません。行列は意図的に作ることが可能だし、自分の満足とイコールではないことが多いからです。
同様に、フォロワー数が多くても、顧客にならない属性のユーザーばかりでは売上に繋がりません。ハロー効果同様、認知バイアスの一つと捉えておくことが重要でしょう。よくないのは、作為的な小手先テクニックでバンドワゴン効果を狙うこと。Googleの口コミでサクラ投稿をするとペナルティを食らうように、本質的な価値を効果的に表現する手段としてとらえておくべきだと思います。
同調現象
バンドワゴン効果に関連する心理効果として「同調現象」があります。これは、周囲の人間と同じ行動をしていると安心し、逆に自分一人だけが違う行動をしていると不安を覚える心理現象。バンドワゴン効果とは別の文脈で説明されるケースも多いのですが、僕はバリエーションのひとつだと考えています。
LPでは「30代男性の8割が使用」「◯◯地区の主婦は皆使っている」といったコピーにすると、顧客は「自分も使わなければならない」「使ってないのは自分だけなら不安」と感じさせることができます。
カリギュラ効果
禁止されると、人はかえってその行為をしたくなる。熱湯風呂を前に「ぜったいに押すなよ!」といわれると、押したくなる芸のようなものですね。これを「カリギュラ効果」といいます。
たとえば「泣くのが嫌な方以外はこの映画を見ないでください」「本気で稼ぎたいと考えていない方はこの先を読まないでください」といった否定的な表現を用いることで、顧客はついつい、その先を知りたくなります。これはターゲットのが絞り込まれているほど効果的で、否定することでかえって「自分はその対象に当てはまる」と感じ、無視することはできなくなります。
LPでは、こうしたコピーのほか「ご注意ください!下記にあてはまる方は成果が出ません」「申し訳ございません!下記のような方には購入いただけません」など、LPの最後の方で訴求すると行動するきっかけになる誘導ができます。導線にもよりますが、あまり冒頭から多用しない方が良い心理テクニックです。
まだまだある!ランディングページで使える心理テクニック
LP作成の際、すぐに使える心理効果を5つお伝えしましたが、まだまだ使えるテクニックはあります。ただ、お伝えした5つと比べると、やや中級者向け。すぐに使える心理効果ではありますが、そのまま使えるコピーではなく、やや工夫が必要になります。
損失回避の法則(プロスペクト理論)
人は利益を得ることよりも、損失を避けることを重視する傾向があります。これは心理学ではなく、行動経済学で証明されたプロスペクト理論として有名。LPでこの法則を応用する場合、使いやすいのは「この(商品/サービス)を利用しなければ(こんなデメリット)がある」と伝えること。
よく使われるのは、「あなたには2つの道があります」というコピー。きっとあなたも目にしたことがあるでしょう。たとえば、下記のような感じです。
あなたには2つの道があります。ひとつは、これまでのように、未来に何の期待も持てないまま、ただYoutubeやネットフリックスをぼーっと眺めるだけの道。もうひとつは、年収を1.5倍、2倍、3倍とコツコツ確実に上げていく仕組みを作り、いつでも旅行に出れるような自由を手に入れる道。
このような表現を用いることで、顧客はその商品・サービスを「利用しないと損をする」イメージを持たせることができます。すると、顧客は商品・サービスを利用するための理由を明確に意識し始めるんですね。うまく作れると、顧客が「買うべき理由」を自分への言い訳として考えてくれます。
マッチングリスク意識
顧客は商品やサービスを購入する前に「効果が出なかったらどうしよう」といった不安を持ちます。心理学では「マッチングリスク意識」とよばれるもの。この不安を解消するには、お客様の声や口コミ、実績紹介をするのが鉄板。実際の利用者の声を掲載することで、顧客は「この商品は信頼できる」と感じ、購入に踏み切る可能性が高まります。
決定回避の法則
選択肢が多すぎると、顧客は選択すること自体が難しくなります。よく誤解されるのですが、選択肢が多いほど顧客は喜ぶだろうと考えて、メニュー数を増やしたり、ちょっとした差のラインナップを幅広くそろえたりすることがあります。これは大手の戦略であり、スモールビジネスにおいて、お勧めしません。ユニクロのようなショップは品ぞろえが豊富でも良いのですが、町のセレクトショップに同じことはできないでしょう。
もっとも重大な問題は、たくさんの選択肢を用意しても、結果として何も選ばないという行動を取ることが多いのです。脳はストレスを感じますし、先ほど紹介した損失回避の法則も働き「またにしよう」となる。LPはそもそも、ゴールはひとつ。そのためのLPです。顧客の選択肢は絞り込んで、シンプルで明確なゴールに導くことで、迷うことなく行動を起こしやすくなります。
まとめ
ここまで、心理学で差をつけるランディングページの作成テクニックをご紹介してきました。これらの心理学的効果を活用すれば、顧客は行動しやすくなるのは確かですし、コンバージョン率向上が期待できます。
もちろん、全ての効果を一度に取り入れるのは難しいかもしれませんが、少しずつ試してみることで、どの効果が自社のサービスや商品に最も適しているかを見極めることができるでしょう。おすすめは、少しずつテストしていくこと。実際にコンバージョン率がどのくらい上がるのか検証してみてください。すると、確信をもって、改善を重ねることができます。
顧客視点を大切にしながら、効果的なランディングページを作成していってください。