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誰もいない海には、お客さんもいません。
最近は、新しいお店やサービスが話題になると、あっという間に似たものがいくつも並ぶようになりましたね。
せっかく始めた商売も、気づけばまわりは同じようなお店ばかり。値段を下げるか、広告を増やすか。そんな消耗戦から抜け出したくて、「ブルーオーシャン」という言葉にたどり着く方は多いと思います。
ブルーオーシャンは、ライバルがほとんどいない、まだ誰も手をつけていない市場のことです。
8年前の2018年、僕もこの言葉を手がかりに、自分の店をどう作るかを考えていました。レストランの開業を考えていて、ほかに無いものがなければ100年は続かない、と感じていたからです。レストランを開く夢は、今も持っています。
そのとき考えたことを、このブログに書きました。でも、これだというアイデアは見つからないまま。記事の最後は「ブルーオーシャン。どこにあるんでしょう??」で終わっています。
あれから400件以上のホームページの制作・支援に関わってきて、いまなら、はっきり言えることがあります。
スモールビジネスが探すべきなのは、誰もいない海ではありません。お客さんがすでにいる海の中で、まだ誰も立っていない場所です。そして、その場所は、自分の足元にあることが少なくありません。
この記事では、ブルーオーシャンの意味をかみくだいたうえで、競争の少ない場所を見つけるための「引き算と足し算」の考え方と5つの手順を、福岡市の仁愛保育園さんの実例と一緒にまとめます。
ブルーオーシャンとレッドオーシャンは、海の色で競争の激しさを表した言葉
ブルーオーシャンは、ライバルのいない広い海
ここで言う市場は、お客さんがお金を払って、ものを買ったり仕事を頼んだりする場のことです。
その市場を海にたとえたのが、ブルーオーシャン(青い海)と、レッドオーシャン(赤い海)という言葉です。
ブルーオーシャンは、ライバルがほとんどいない、まだ誰も手をつけていない市場。広くて、波も穏やかな青い海です。
レッドオーシャンは、ライバルがひしめき合い、限られたお客さんを奪い合っている市場です。ブルー・オーシャン戦略の公式サイトでは、奪い合いが血なまぐさいほど激しくなるので「赤い海」と呼ぶのだ、と説明しています。
言い出したのは、W・チャン・キムさんとレネ・モボルニュさんの2人です。2人の本『ブルー・オーシャン戦略』は、日本では2005年に翻訳が出て、2015年にはダイヤモンド社から新版が出ています。
公式サイトの言葉を借りると、レッドオーシャンではお客さんを奪い合い、ブルーオーシャンではお客さんを新しく生み出します。
小さなお店の多くは、最初からレッドオーシャンにいる
飲食店は、始めやすい商売です。そのぶん、普通にやっていればレッドオーシャンになります。お客さんが通える範囲に同じようなお店がいくつもあって、その中でしのぎを削ることになります。
これは飲食店に限りません。美容室も、工務店も、税理士事務所も、町の中で同じお客さんを取り合っています。
だからこそ、多くの経営者が「どこかに、ライバルのいない海はないか」と探しはじめます。8年前の僕も、まさにそうでした。
誰もいない海には、お客さんもいない


誰もいない場所には、誰もいない理由がある
夏の海水浴場を思い浮かべてみてください。
駅から近い浜は、パラソルがすき間なく並んでいて、レジャーシートを広げる場所を探すだけでひと苦労です。
そこから少し離れたところに、誰もいない浜があったとします。広々としていて、気持ちよさそうに見えます。
でも、行ってみると、たいてい理由があります。駐車場がない。売店もトイレもない。波が荒くて泳げない。誰もいない浜には、人が来ない理由があるんです。
商売も同じです。ライバルがまったくいない市場を見つけたら、喜ぶ前に、なぜ誰もいないのかを先に疑います。お客さんがいない。いても、お金を払うほど困っていない。払う人はいても、商売が続かないほど少ない。たいてい、そのどれかが見つかります。
ライバルがいるのは、お客さんがいる証拠
逆に言えば、ライバルがたくさんいる市場には、それだけお客さんがいます。
海水浴場でいちばん居心地のいい場所は、たいてい、混んでいる浜の端のほうにあります。売店もトイレも近いのに、なぜかみんなが通り過ぎていく一角です。
スモールビジネスが探したいのは、この一角です。海を変えるのではなく、同じ海の中で、立つ場所を変える。
僕がいるホームページ制作の業界も、ライバルだらけです。作れる会社も、作れる人も、数えきれません。
その中で僕は、7年ほど前から「ホームページは設計が先」と言い続けてきました。ここで言う設計は、誰に、何を、どんな順番で伝えるかを、作り始める前に決めておくことです。当時の業界は見た目の話が中心で、そこを言葉にしている人は多くありませんでした。
ホームページ制作という海から出たわけではありません。同じ海の中で、ほかの人があまり立っていなかった場所に立った。それだけのことです。
自分の市場に、お客さんがどれくらいいるのかは、数字で見積もることもできます。やり方は、こちらの記事にまとめています。


競争の少ない場所は「引き算と足し算」でつくる


業界の当たり前を、4つの問いで見直す
では、混んだ海の中で、誰も立っていない場所はどうやって見つけるのか。
ブルー・オーシャン戦略の公式サイトでは、業界の当たり前を見直すための4つの問いを紹介しています。
- 取り除く:業界が当たり前のように競ってきたことのうち、なくしてしまえるものは何か
- 減らす:業界の標準より、ぐっと減らせるものは何か
- 増やす:業界の標準より、ぐっと増やせるものは何か
- 付け加える:業界がこれまで出してこなかったもので、新しく加えられるものは何か
前の2つが引き算、後ろの2つが足し算です。
公式サイトでは、この戦略の中心を「ほかとの違いを出すことと、費用を下げることを、同時に追いかけること」と説明しています。引き算で浮いたお金や手間を、足し算に回す。だから、値段を上げなくても、ほかに無いものを出せるわけです。
ここで大事なのは、引き算から先に考えることです。
困っている経営者ほど、足し算から始めます。メニューを増やす、サービスを増やす、営業時間を延ばす。でも、足し算だけを重ねると、手間と費用がふくらむうえに、ライバルも同じものを足してきます。結局、また同じ場所に並んでしまいます。
たとえば、町の自転車屋さんなら
4つの問いを、架空の町の自転車屋さんに当てはめてみます。
取り除く:新車の品ぞろえの多さで、大型店と張り合うこと
減らす:店に並べる新車の台数
増やす:パンク修理の早さ。持ち込めば、その日のうちに直して返す
付け加える:春休みに受け付ける、通学用の自転車の点検の予約
品ぞろえの勝負から降りて、「修理が早くて、子どもの通学の自転車に強い店」になる。並べる台数を減らした分、修理に人手を回せます。引き算と足し算の帳尻が、ちゃんと合っています。
大型店は、品ぞろえを減らせません。それが大型店の強みだからです。ライバルが手放せないものを手放すと、そこに空いた場所ができます。
「品質」ではなく「役割」で考えると、引き算の候補が見えてくる
8年前の僕は、この引き算と足し算を、レストランに当てはめようとしていました。
最初に考えたのは、レストランの品質です。おいしい料理、心地よいサービス、くつろげる空間。でも、品質はどの店も高めようとします。品質で勝負すると、ライバルと同じ方向に走ることになります。
そこで、品質ではなく、レストランが持っている役割を考えました。当時、僕が書き出したのは次の3つです。
- 人と人との関係を深める役割
- ふだんの生活から離れて、楽しんでもらう役割
- 食事やサービスを通して、心を満たし、癒やす役割
役割で見ると、「これは、なくしてもいいのでは?」という引き算の候補が見えてきます。
当時の僕は、1つ目の役割を取り除いて、お一人様だけのレストランを考えました。2人以上での来店はお断り。調べてみると、一人用のコースやプランを用意している店はありましたが、一人以外お断りという店は見つかりませんでした。
そこに、エステやマッサージを足してみたらどうか。そこまで考えて、僕は「でも、あまり、面白くありません。なんとなく、他でもありそうだと感じるからです」と書いています。
面白くなかったのは、足したものがお客さんの困りごとから出ていなかったから
いま読み返すと、面白くなかった理由が分かります。
エステやマッサージは、僕の思いつきでした。一人で食事をしたい人が、何に困っているのか。そこから考えて出てきたものではなかったんです。
引き算も足し算も、出発点はお客さんの困りごとです。そこから外れると、4つの問いは、ただのアイデアの組み合わせ遊びになってしまいます。
一人以外お断りの店が見つからなかったのも、たぶん、誰もいない浜と同じ理由です。2人以上のお客さんを全部断ると、来てくれる人が減りすぎる。誰も立っていない場所には、やはり理由があったのだと思います。
福岡市の仁愛保育園さん|50年続けてきた「当たり前」が、選ばれる理由になった
違いが見えないと、人は近いほうを選ぶ
ガソリンは、どこのスタンドで入れても、中身はほぼ同じです。だから、たいていの人は、近いスタンドか、安いスタンドに入ります。
違いが見えないと、比べられるのは距離と値段だけになる。これは、ほかの商売でも同じです。
福岡市の社会福祉法人仁愛会 仁愛保育園さんは、50年以上続く保育園です。副園長の石橋さんのおばあさまが始めた園で、3代にわたって受け継がれてきました。
園の軸は、立腰(りつよう)教育です。腰骨を立てる、あいさつをする、靴をそろえる。目に見える形を通して、目に見えない心を育てる教育で、全国でも珍しい保育の方針です。
それでも石橋さんは、これまでは「近いから」「なんとなく」で選ばれることのほうが多かったのではないか、と振り返っています。毎日の送り迎えがある保育園は、どうしても近さが大きな理由になりやすいのだと思います。
石橋さんは、ホームページのリニューアルを考えた理由を、こう話してくれました。
これから10年後20年後を見据えたときに、保護者の方に選んでもらえる園になれるかなれないかが、存続を左右する時代が必ず来る。そう感じていたんですね。
対談で石橋さんは、少子化で子どもの数が減っていく時代に、もうなっているとも話しています。近いから自然に選ばれる時代から、選んでもらう時代へ。そこを早くから見ていたわけです。
最初にお願いしたのは、ホームページの話ではなく保護者アンケートだった
リニューアルを始めて、僕が最初にお願いしたのは、いま園に通っている子どもの保護者に、3つのことを聞いてもらうことでした。
- なぜ、この園を選んだのか
- 入ってみて、どう感じたか
- もっとこうだったらいいと思うことはないか
この3つを、この順番で聞いてもらいました。
石橋さんには、「普通ホームページの依頼で、そんなところから入る会社さんはないんじゃないかな」と驚かれました。対談では、ここまで考えるのかという驚きがあった、とも話しています。
保育園の業界には、「保育園はサービス業ではない」という考え方が根強くあります。石橋さんも、保護者の要望に全部は応えられない、保育士さんが振り回されるのでは、と最初は迷ったそうです。
それでも取ってみると、アンケートには、すぐに二十数件の回答が集まりました。うれしい答えがたくさんあって、石橋さんは今でも「園の宝」だと話しています。
取り除いたのは「保育園らしい可愛さ」、前に出したのは立腰教育
ホームページの見た目も、いわゆる保育園らしいものにはしませんでした。
石橋さんは、ポップで可愛い、保育園らしいデザインを想像していたそうです。でも、僕が出したのは、上質で落ち着いたデザインでした。「これイメージしたのと違うんですけど」と言われて、ゴシック体のパターンも作って見比べてもらいました。
そのとき僕が伝えたのは、ホームページを見て園を決めるのは、子どもではなく保護者だということです。特徴のない園ほど、元気で可愛いだけの見た目になりがちです。50年続く立腰教育という、ほかに無い価値を伝えるなら、むしろそこに寄せないほうが目立ちます。
立腰教育には、誤解されやすいところもあります。ネットで調べると、無理に胸を張る悪い姿勢のように書いた記事が出てくることがあるそうです。本当の立腰は、骨盤を立てて肩の力を抜いた、リラックスした姿勢です。
そこで、誤解を隠すのではなく、「世の中にはこういう意見もありますが」と先回りして答える形で組み立てました。立腰教育を実践している原田隆史さんの推薦の言葉や、「時を守る・場を清める・礼を正す」という3つの原則も、一緒に並べました。
4つの問いに当てはめると、こうなります。
取り除く:ポップで可愛いだけの、保育園らしい見た目
増やす:立腰教育が、子どもの何を育てるのかの説明
付け加える:立腰教育への誤解に、先回りして答える説明
4つ全部を埋める必要はありません。業界の当たり前を1つ手放して、その分、自分たちにしか無いものを前に出す。それだけでも、立つ場所は変わります。
見学に来る理由が「近いから」から「方針に興味があって」に変わった
リニューアルしてから、ホームページのアクセス数は明らかに変わったそうです。それまでほとんど無かった「ホームページを見ました、見て良いと思いました」という電話が、保護者からも、働きたい人からも、かなり来るようになりました。立腰教育に共感して子どもを預けたい、という言葉も、すごく多くなったそうです。
見学に来る人も変わりました。立腰教育という方針に興味を持って見学に来る人が、本当に多くなったそうです。少し遠くても、ここに通いたいと言ってくれる保護者もいます。
採用でも、働いてみて合わなかった、というミスマッチが減りました。全国から、立腰教育に興味があって働いてみたい、という応募が届き、わざわざ引っ越して就職した方もいます。
すごいですよね。距離で選ばれていた園が、方針で選ばれる園になった。近さで競わなくてもよくなった、ということです。スモールビジネスにとってのブルーオーシャンは、こういう形をしていると僕は思っています。
石橋さんは、対談でこう話しています。
50年やってきて当たり前になっていたことが、実は他にはない仁愛保育園の価値、これが本当のうちの価値なんだなというのを、自分ではなかなか気づけないところを外から教えてもらえたっていうようなイメージですね。
何が言いたいかというと、仁愛保育園さんは、新しい海を探しに行ったわけではない、ということです。50年前から、ずっと同じ場所に立っていました。ただ、その場所が、外からは見えていなかったんです。
もし、ほかの園と同じように可愛らしさを前に出したホームページにしていたら、立腰教育はいくつもある園の特色の1つとして埋もれ、保護者が見学を決める理由は、きっと距離のままだったと思います。
8年前、僕は「とにかく独自性を強みにしないと100年持続なんてできない」と書きました。石橋さんは、100年続く園を目指しています。50年続けてきた立腰教育は、ほかの園が来月から真似できるものではありません。時間をかけて積み上げてきたものは、ライバルがすぐには入ってこられない場所になります。
福岡市の仁愛保育園、副園長の石橋さんとの対談は、動画でも見られます。
競争の少ない場所を見つける5つの手順
ここからは、ご自分の商売に当てはめて読んでください。紙とペンがあれば始められます。
- いまのお客さんに、選んでくれた理由を聞く
- 何軒ものお店に共通する不満を探す
- 業界の当たり前を書き出して、4つの問いにかける
- 一度に全部ではなく、1か所だけずらす
- 見つけた場所を、ホームページの最初の画面に書く
手順1|いまのお客さんに、選んでくれた理由を聞く
最初にやるのは、自分がいまどんな選ばれ方をしているかを知ることです。仁愛保育園さんにお願いした3つの質問は、業種を問わず、そのまま使えます。
- なぜ、うちを選んでくれたのか
- 使ってみて、どう感じたか
- もっとこうだったらいい、と思うことはないか
答えが「近いから」「安いから」「なんとなく」ばかりなら、いまはガソリンスタンドと同じ選ばれ方をしています。それが分かるだけでも、一歩前進です。
ときどき、思いもよらない理由が混ざっています。自分では当たり前すぎて、気にも留めていなかったこと。それが、足元にある場所の手がかりです。
手順2|何軒ものお店に共通する不満を探す
次に、Googleマップで、同じ地域の同じ業種のお店を3〜5軒選び、星1つから3つのクチコミを中心に読みます。
見るのは、1軒だけの不満ではありません。何軒ものお店に、同じ不満が繰り返し出てくるかどうかです。
たとえば「説明が少ない」「予約が取りにくい」「子ども連れだと居づらい」が、どのお店にも書かれていたとします。それは、1軒のお店の失敗ではなく、業界の当たり前から生まれている不満です。業界全体が見落としている不満の隣に、まだ誰も立っていない場所があります。
手順3|業界の当たり前を書き出して、4つの問いにかける
自分の業界で、どのお店も当たり前にやっていることを10個書き出します。営業時間、品ぞろえ、値段の決め方、見た目、説明のしかた、予約の取り方。なんでもかまいません。
1つずつ、取り除けないか、減らせないか、増やせないか、付け加えられないかを考えます。
このとき、手順1と手順2で集めたお客さんの声を横に置いておきます。お客さんがほとんど気にしていないものは引き算の候補、不満が集まっているものは足し算の候補です。8年前の僕のように、思いつきで足してしまわないための工夫です。
手順4|一度に全部ではなく、1か所だけずらす
いきなり商売の全部を作り変える必要はありません。ずらすのは1か所で十分です。
- お客さんをずらす:「どなたでも」を、特定の悩みを持つ人に絞る
- 時間をずらす:ライバルが閉まっている時間に開ける
- 場所をずらす:来てもらうのではなく、こちらから出向く
- 中身の一部を入れ替える:同じ商品やサービスのうち、1つの部分だけを変える
自転車屋さんの例も、変えたのは「何で勝負するか」の1か所だけでした。1か所がずれるだけで、比べられる相手が変わります。
手順5|見つけた場所を、ホームページの最初の画面に書く
最後が、いちばん大事です。せっかく見つけた場所も、お客さんに伝わらなければ、無いのと同じです。
仁愛保育園さんも、50年前から立腰教育を続けていました。変わったのは、それがホームページで伝わるようになったことです。
まずは、自分の商売を1行で言ってみます。「何が得意で、誰に向いている、何屋か」が一度で分かる1行です。さきほどの自転車屋さんなら、「通学の自転車の修理は、その日のうちに直す町の自転車屋」。
この1行を、ホームページを開いて最初に目に入る場所に置きます。違いは、お客さんの目に入る場所に書いて、はじめて違いになります。
まとめ|ブルーオーシャンは、遠くの海より足元で見つかる
- ブルーオーシャンは、ライバルのいない市場。ただ、誰もいない市場には、たいていお客さんもいない
- スモールビジネスが探すのは、お客さんがいる市場の中の、まだ誰も立っていない場所。業界の当たり前を「取り除く・減らす・増やす・付け加える」の4つの問いで見直すと見えてくる
- 引き算も足し算も、出発点はお客さんの困りごと。見つけた違いは、ホームページの最初の画面で伝える
福岡市の仁愛保育園さんは、50年以上続けてきた立腰教育を、ホームページの真ん中に置きました。見学に来る理由は「近いから」から「方針に興味があって」へ変わり、全国から共感した方の応募が届いて、引っ越して就職した方もいます。始まりは、すぐに二十数件の回答が集まった保護者アンケートでした。
今日やることは1つです。自分の業界の当たり前を10個書き出して、そのうち1つでいいので「これをやめたら、お客さんは本当に困るだろうか」と考えてみてください。困らないものが1つ見つかれば、そこが引き算の入り口です。
はっきり言うと、自分の足元にあるものほど、自分では見えません。石橋さんも、50年続けてきたことの価値に、外から言われるまで気づけなかったと話しています。お客さんに聞き、ほかのお店の不満を読み、業界の当たり前を1つずつ疑う。手間のかかる作業です。
それでも、誰もいない海を探して遠くまで泳ぐより、いま立っている浜を見直すほうが、ずっと早い。8年前の自分に教えるとしたら、僕はそう伝えます。
手順2と手順3は、ライバルを並べた図が1枚あると、空いている場所が目で見えて、ぐっと進めやすくなります。自分の店の情報とライバルのサービスのページのURLを入れると、その図を作ってくれる「ポジショニングマップ生成AI」を、無料でお渡ししています。公式LINEに登録して「マップ」と送ってください。
出典
- 社会福祉法人仁愛会 仁愛保育園 副園長 石橋さんとの対談(https://youtu.be/vKXGMy7tF88)
- W・チャン・キム、レネ・モボルニュ著、入山章栄 監訳、有賀裕子 訳『[新版]ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する』(ダイヤモンド社、2015年)
- ブルー・オーシャン戦略の公式サイト(https://www.blueoceanstrategy.com/what-is-blue-ocean-strategy/ と https://www.blueoceanstrategy.com/tools/errc-grid/・2026年10月8日に閲覧)

