SNSマーケティングで拡散を狙う「ULSSAS」の仕組みを解説

SNSマーケティングで拡散を狙う「ULSSAS」の仕組みを解説

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SNSの普及により、ユーザーの購買行動は大きく変わりました。日々のメッセージのやり取りや思い出の記録だけでなく、ハッシュタグを用いて調べ物をしたり、商品やお店の口コミを探す時にもSNSを活用する方が増えています。いわゆるZ世代は顕著です。

このように、SNSが購買行動において重要な役割を果たす中で、マーケティングの新しいフレームワークとして注目されて久しいのが「ULSSAS(ウルサス)」です。この記事では、ULSSASの基礎からその重要性、運用時のポイントを解説します。

この記事を通じて、ULSSASの理解を深め、実際のマーケティング活動にどのように活用できるかを学んでいただければ幸いです。

目次

ULSSAS(ウルサス)はSNSマーケティングに欠かせない法則

あなたはSNSで商品やお店の口コミを調べることがあるでしょうか。実は僕自身の行動パターンには、それはありません。ですが、ゼネラルリサーチが発表しているデータによると、10~30代の半数以上が商品購入の検討時にSNSを参考にしているそうです。そうであればマーケターとしては見逃せませんよね。

そこで学びを深める中で、SNSマーケティングのフレームワークとして最も優れた法則だと感じたのが「ULSSAS(ウルサス)」です。

ULSSASとは、ソーシャルメディアによるマーケティング支援を行う株式会社ホットリンクが提唱したSNS時代の新しい購買行動モデル。以下の6つの要素で構成されます。

  • UGC(ユーザー投稿コンテンツ)
  • Like(いいね、お気に入り)
  • Search1(SNS検索)
  • Search2(Google/Yahoo!検索)
  • Action(購買行動)
  • Spread(拡散)

それぞれの頭文字をとり名前がつけられています。他のマーケティング手法と大きく異なるのはテレビCMやWEB広告、チラシや雑誌ではなく、第三者のSNS投稿が起点となっていること。SNSにおけるユーザー同士のコミュニケーションが購買行動に繋がっていきます。また、自分の購入したものをさらに第三者に向けて拡散するという部分がマーケティングとしてもユニークな特徴と言えます。

ULSSAS

既存の購買行動モデルとの違い

これまでの購買行動モデルと異なる部分についても理解しておきましょう。例えば代表的なAIDMA(アイドマ)やAISAS(アイサス)などは、ファネル型(逆三角形)になっていることがほとんどでした。認知から行動に進むにつれ上から下に落ちていくイメージで、その人数の割合も少なくなっていきます。AIDMAの場合、企業はActionの母数を増やすために広告費を投下し、その認知率(Attention)をあげるといったイメージです。

AIDMAモデル

一方、ULSSASはフライホイール型(弾み車)で、発生したUGCが拡散されれば、認知から拡散までのサイクルが自然に回り続ける構造となっています。また、気になった情報について一度SNS内での検索をはさむところも特徴的です。

ULSSASの購買行動はフライホイール型

ではどんな工程を踏んで実際に購買に至るのか、具体的に見ていきましょう。

U:UGC
ユーザーによって商品の画像や感想など口コミやレビュー投稿が行われる

L:Like
その投稿を見た別のユーザーがいいねやシェアといったリアクションを起こす
投稿の拡散力が増加し、さらに多くの人の目に留まりやすくなる

S:Search1
投稿を見て商品が気になったユーザーは、商品のことを調べる
ハッシュタグ(#)から他の人の投稿を見たり、公式アカウントを探すなどSNS内を回遊する

S:Search2
SNSを回遊したのち、多くのユーザーはGoogleやYahoo!検索でさらに情報を求める
公式サイトやその商品が買える店舗などを調べ情報収集を行う

A:Action
十分に情報を得たユーザーは、公式サイトや店舗などで購入・サービス契約に至る

S:Spread
実際に商品やサービスを利用したユーザーがその感想やレビューをSNSに投稿
新たなUGCが生まれ、さらに拡散されていく

この投稿を起点として、一連のサイクルが連続することでULSSASが成立する

ULSSASのフレームワークは、SNS時代の購買行動を的確に捉えたものといえるでしょう。従来のファネル型モデルとは異なり、ユーザー同士のコミュニケーションが購買行動の中心に位置しています。UGCが起点となり、いいねやシェアで拡散され、SNS内外での検索を経て購買行動に至る。そして、購入後の感想やレビューが再びUGCとして拡散される。このサイクルが自然に回り続けることで、企業は広告費を抑えつつも効果的なマーケティングが可能となります。

ULSSAS(ウルサス)が重要とされる背景

ここまで、ULSSASの構造についてご紹介しました。これまでのフレームワークとはまた違う行動パターンになっていることがお分かりいただけたかと思います。ではなぜULSSASがいま重視されるのか、その理由を2つご紹介します。

コロナ禍でネットショッピングをするユーザーが激増 

まず一つ目は、購買行動の変化です。コロナ禍を経て、ネットショッピングをする機会が以前より増えたという人も多いのではないでしょうか。もちろん以前よりインターネットを利用し買い物をする人の割合は年々増え続けていますが、コロナ禍において店舗で直接購入する機会が減ったことは、ネットショッピングの利用者増加を加速させる大きな要因の一つとなっています。

そして商品を目で見て確認ができない分、その口コミやレビューは、購入を検討するうえで重要な要素となります。以前までは口コミ・比較検討サイトでしか得られなかった情報が、今ではSNSを使うことで簡単に手に入るようになりました。

アジャイルメディア・ネットワーク株式会社が発表したSNSのクチコミに関する調査データでは、何かを購入する際に最も影響を受ける情報として<たまたま見つけたSNS投稿>があげられています。この<たまたま見つけたSNS投稿>こそが次にご紹介するUGCであり、ULSSASのスタート地点となるのです。

企業発信の情報より、個人発信の情報が信頼される時代

次に、UGCの活発化です。UGC(User Generated Contents)とは何か特別なコンテンツというより、「誰かに知ってほしい・教えたい」といった第三者視点からの情報提供のことを言います。具体的には「このサイトを使って買い物をしたらお得なクーポンがついてきた」「旅行でここに行ったら、このお店に立ち寄るべき!」というような内容ですが、こういった何気ない発信が別の誰かにとっては信頼性のある有力な情報となります。情報を見た人は思わず「いいね!」とリアクションを送り、それによって情報はさらに拡散力を上げていきます。

また同時にSNSでは「使ってみたけどイマイチだった」「このお店はリピートないかも」といったネガティブな意見を目にすることも簡単にできますが、これもUGCの一種です。このように、ユーザーの正直な感想が人々の関心と信頼を集め、「いいね」や「リツイート」が繰り返されることがパワーとなり拡散されていきます。

企業側には、このUGCを最大限マーケティング活動に活かすことで、まだ見ぬ潜在層にも商品価値を伝えられるチャンスが生まれます。ユーザーがSNS内を検索し公式アカウントを見つけたり、Googleなどの検索結果から自社サイトに訪れることも大いにあり得ます。結果、企業は広告費をかけずとも、UGCをきっかけに検索して訪れたユーザーとのタッチポイントを築ける可能性があるのです。

ULSSASが重要視される具体的な事例

ULSSASが重視される背景についてお伝えしましたが、もう少し具体的な事例を挙げてみましょう。

例えば、ある化粧品ブランドが新商品を発売したとします。このブランドは、公式サイトや広告だけでなく、インフルエンサーや一般ユーザーのSNS投稿を活用して情報を拡散します。インフルエンサーが「この化粧品を使ってみたら肌がすごくきれいになった!」と投稿すると、そのフォロワーたちは興味を持ち、同じ商品を試してみたくなります。さらに、そのフォロワーたちが自分の体験をSNSでシェアすることで、情報はどんどん広がっていきます。

このように、UGCは企業のマーケティング戦略において非常に重要な役割を果たします。UGCを活用することで、企業は消費者との信頼関係を築きやすくなり、結果として売上の向上にもつながります。特に、消費者が自分の体験をシェアすることで、他の消費者にとっても信頼性の高い情報源となるのです。

また、UGCは企業にとっても貴重なフィードバックとなります。消費者のリアルな声を聞くことで、商品やサービスの改善点を見つけることができます。例えば、「この商品は良かったけれど、もう少し使いやすくしてほしい」という意見が多ければ、企業はそのフィードバックをもとに改良を加えることができます。これにより、消費者満足度を高めることができ、リピーターの獲得にもつながります。

さらに、UGCはSEO(検索エンジン最適化)にも効果的です。消費者がSNSやブログで商品について言及することで、検索エンジンにおける企業の露出が増えます。そうなれば、自然検索からのトラフィックが増加し、結果として新規顧客の獲得にもつながります。

ULSSAS(ウルサス)のメリット

では、企業がULSSASを活用するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。代表的なメリットをご紹介します。

広告コストを抑えられる

冒頭でもお伝えしたように、ULSSASは口コミやレビューといったユーザーからの発信が起点となることで動き出します。一度軌道に乗せてしまえば数珠繋ぎのように拡散されていくため、広告出稿などのコストが削減できることが大きな魅力です。

高額な広告費用を投入することが難しい中小規模の企業はもちろん、これまで膨大な広告費用を使って集客を行っていた企業も、大幅なコストダウンや利益率向上が期待できます。

削減した広告費を生産体制の強化や品質向上に当てることができれば、より多くのユーザーに支持される製品を目指せるでしょう。

顧客満足度の向上に繋がる

ULSSASにおけるUGCでは、消費者目線のリアルな声を効率的に集めることができます。また、自分のフォロワーであったり身近な人たちに伝えようとしているため信頼感もあります。

もちろんいい評価ばかりではなく、中には耳が痛くなる投稿も存在するでしょう。しかし企業側はそれらもリアルな声として受け取り、開発や製品の見直しを行うことで、よりユーザーニーズに合致したものにブラッシュアップすることができます。

ユーザー側でも自分たちの声が実際の製品に反映されることで、その企業姿勢を応援する「ファン化」がより進んでいく可能性があります。よりコアなファンになるほど、購買力やUGCの発信力が盛んになっていきます。

意図しないかたちで情報が出てくることもあり得るので、企業からも定期的な情報発信やブランドイメージを定着させるような世界観をアカウント内で形成していくことが大切です。

ブランド価値の向上

ULSSASのもう一つの大きなメリットは、企業のブランド価値を高めることができる点です。ユーザーが自発的に発信する口コミやレビューは、企業が直接発信する広告よりも信頼性を高く感じます。当然ですよね。いくら美味しいですよと叫んでも、誰一人「おいしい」といっていなければ疑いたくもなります。消費者が他の消費者の意見を重視するのは「損したくない」という人の本能的な傾向があるためです。SNSの普及は、個々のユーザーの声が広範囲にわたって影響力を持つようになったといえます。

顧客とコミュニケーションが取れる

ULSSASを活用することで、企業は消費者との距離を縮めることができます。ユーザーが自分の意見や感想を発信する場を提供することで、企業と消費者の間に双方向のコミュニケーションが生まれます。このようなコミュニケーションは、消費者のロイヤルティを高めるだけでなく、企業にとっても貴重なフィードバックを得る機会となります。

そうすると、マーケティング戦略を柔軟にすることができます。従来の広告手法では、ターゲット層にリーチするために多額の費用がかかることが多いですが、ULSSASを活用することで、より効率的にターゲット層にアプローチすることが可能になるばかりでなく、コミュニケーションを取れるのです。商品を販売する前に特定のユーザーからフィードバックを受けることで、より確度の高い提案が可能になるかもしれません。特に、特定のニッチ市場や特定の興味を持つユーザー層に対しては、ULSSASが非常に効果的です。

ULSSAS(ウルサス)活用の際のポイント

ここまで述べてきたように、ULSSASはあくまでユーザーが起点となって始まるフレームワークです。では最後に企業がULSSASを活用しより一層ファンを増やすためのポイントと、反対に注意すべき点についてをご紹介します。

購入者が投稿しやすい企画

UGCを生み出すために闇雲に施策を行っても、あまり効果がありません。ユーザーの気持ちを「これはみんなにも拡散したい!」と高ぶらせる要素が必要となります。

例えば、ハッシュタグを用いたキャンペーンなどは「ハッシュタグ検索」というSNSの特徴を活かしたうえで展開されることの多い施策です。ただし、ハッシュタグの中身が瞬時に理解できる内容であったり、ユーザーが投稿しやすいよう企画の参加ハードルは低く設定することが重要となります。

ユーザーが気軽に投稿できる様子が他のユーザーにも伝わることで、波及効果が高まっていくのです。

ユーザー視点が最重要

購入者が投稿しやすい企画を考える際には、ユーザーの視点に立つことが大切です。例えば、商品を購入したユーザーがその商品を使っている写真を投稿するキャンペーンを実施する場合、投稿する際のハッシュタグをシンプルで覚えやすいものに設定することが重要です。また、投稿することで得られるメリットを明確に伝えることも効果的です。例えば、投稿者の中から抽選でプレゼントが当たるといったインセンティブを提供することで、参加意欲を高めることができます。

参加者が集まるプラットフォームを選別

施策を検討する際、どのSNSと相性が良いかという見極めが必要になります。例えば、いわゆる「映え」を意識した画像や動画の投稿を促すのであればInstagram、コミカルなダンスなどを集めたい場合はTikTok、文章が主体になる投稿を対象とする際はX(旧Twitter)などと考えられます。

同時に、自社のファンになってくれそうな人たちはどこにいるのかも考える必要があります。商品やサービスのターゲット層を今一度振り返り、それぞれのSNSの特徴を理解した上で施策を展開していくことを意識しましょう。

またプラットフォームによっては、自社アカウントのフォロワーやリアクションをくれたユーザーについて把握することも可能なので、自社アカウント運用も併せて進行することをおすすめします。

各SNSの特徴、マーケットを理解する

参加者が集まるプラットフォームの選別について、これは非常に重要なポイントです。各SNSにはそれぞれの特徴があり、ターゲット層に合ったプラットフォームを選ぶことが成功の鍵となります。例えば、若年層をターゲットにした商品であれば、TikTokやInstagramが適しています。一方で、ビジネス層をターゲットにした商品であれば、LinkedInやX(旧Twitter)が効果的です。

さらに、自社アカウントの運用も忘れてはいけません。自社アカウントを通じてユーザーとのコミュニケーションを図ることで、ファンとの距離を縮めることができます。例えば、ユーザーからのコメントに対して迅速に返信することで、ユーザーの満足度を高めることができます。また、フォロワーの増加やエンゲージメントの向上を目指すために、定期的にコンテンツを投稿することも重要です。

まとめ

この記事では、ULSSAS(ウルサス)という新しい購買行動モデルについて詳しく解説しました。SNSが日常生活に深く浸透している現代において、ULSSASは非常に有効なマーケティング手法です。特に、ユーザー生成コンテンツ(UGC)が起点となることで、広告費を抑えつつも高い拡散力を持つ点が魅力的ですね。

ULSSAS

ULSSASのフレームワークを理解し、実際に活用することで、企業は消費者との新しいタッチポイントを築くことができます。UGCを通じて得られるリアルな声は、製品やサービスの改善に役立つだけでなく、顧客満足度の向上にも繋がります。これにより、企業はより多くのファンを獲得し、長期的な成長を目指すことができるでしょう。

また、ULSSASを成功させるためには、ユーザーが投稿しやすい環境を整えることや、適切なプラットフォームを選ぶことが重要です。企業側も定期的に情報を発信し、ブランドイメージを確立する努力が求められます。特に、正確な情報を提供することで、誤った情報の拡散を防ぐことができます。

ぜひ、この記事を参考にして、ULSSASを活用した効果的なマーケティング戦略を実践してみてください。

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